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第十四話 僕を支援してくれる場所へ。


僕はアンジェラ王女に連れられて、都市国家オヒューカスの邸宅へと馬車でやって来た。

ロックフェラ連合国において各都市は対等の関係である事を掲げている。

なので、各都市国家の邸宅は同じ大きさの同じ建物だそうだ。

違いは、各都市の代表の紋章と飾り付けだ。都市国家オヒューカスの邸宅の特徴は、門から家の玄関までの通路の部分の両サイドにイチョウの木が並べられている事。そしてひと際大きいイチョウの木が庭に植えられている事かな?


「「「お帰りなさいませ。」」」


アンジェラ王女と僕を迎えてくれたのは、執事さんとメイドさん達だ。

門の所にも門番の様な方が居たから、結構な数の従者が居るのかもしれない。


「こちらの方はジュン様だ。異世界からの転移者の方だ。彼を我が国が支援する事になった。国賓と思ってシッカリと対応して欲しい。」


「「「かしこまりました。」」」


「早速、今日は歓迎会を開きたい。エルトンよいか?」


「かしこまりました。」


エルトンと呼ばれたのは、年配の執事さんらしき人だ。


「では、メイジ―。」


「はい。」


「ジュン様。この者がジュン様の御世話をさせて頂く者です。」


メイジ―と呼ばれた女性が僕の前に着て礼をする。


「ジュン様。メイジ―と申します。何でもお言いつけてくださいませ。」


「よろしくお願いします。」


僕は緊張しながら答えた。

転移してきてから、都市国家ガリレオでも専属メイドがいたのだが、あまり印象が良くない。

現代日本の普通の人間である僕には、慣れない存在でもある。


「では、ジュン様。お部屋へご案内します。」


「ありがとうございます。」


僕はアンジェラ王女に挨拶をして、僕の部屋へと案内してくれるメイジ―さんの後について部屋に入った。結構大きい屋敷だと思ったけど、本当に大きい。僕の部屋も広い。ガリレオに滞在していた時と大差ない広さだ。


そこには、もう一人メイドさんが居た。


「ご紹介いたします。もう一人のジュン様の専属メイドのグロリアです。」


「は、初めまして、グ、グロリアです。」


緊張しているのか、体を強張らせて挨拶をしてくれた。


「ジュンです。宜しくお願いします。」


僕も挨拶を返す。


「私か、このグロリアのどちらかが、隣にあります従者室に控えておりますので、何かございましたら、呼び鈴を御鳴らし下さい。」


メイジ―さんが指さす先のサイドテーブルの上に鈴らしき物があった。


「ありがとう。」


「では、私どもは従者室におります。」


「わかりました。」


メイジ―さんとグロリアさんの二人は揃って出て行った。


「ふぅ。」


僕は溜息と共に、中央に置かれたソファに横になる。


怒涛の展開だった。

あれよ、あれよという感じのままにここに来た。

これから、どうすれば良いんだろうな?それにしても、疲れたな。

そんな事を考えていると眠気に襲われてそのまま、目を閉じた。



◇◇◇◆◇◇◇




起こされた時には既に夜となっていて、歓迎会に出た。

身内の簡易的な歓迎会という事で、他に人は居なかったが、それでも、料理長が腕を振るってくれたらしく、豪華な食事だった。


二日後には国へと連れて行かれるそうだ。

基本的には都市国家オヒューカスにて滞在する事になるそうだ。


そして翌日には、マコトさんが挨拶に来てくれた。


「本当に力不足でごめん。」


その様に謝罪されたが、何もマコトさんの所為じゃないから、気にしないで欲しいとお願いする事で、何とか謝罪を終わらせた。あのままいつまでも謝罪してそうな感じだったからだ。


マコトさんの口から、今後のマコトさん達【黄道十二宮の勇者】の行動とマコトさんの支配エリアを聴く事になった。


僕が支援して頂く都市国家オヒューカスはロックフェラ連合国でも東北東らしい。他国との国境に近い場所らしい。マコトさんの支配地域は、南南東だそうだ。ちなみに僕のいく都市国家オヒューカスの近くは、白羊宮と牡牛宮にはさまれたエリアだそうだ。


「マコトさんに中々会えなくなりそうですね。」


「そうかもしれないね。でも絶対に会いに行くよ。君も来てくれよ。手紙をだすから。」


「は、はい。」


「絶対だからね!約束だ。」


僕の手を両手で固く握るマコトさんに拒否出来るはずも無く、約束させられてしまった。


何故、マコトさんは僕の事を心配したり、気にかけてくれるのだろうか?

同じ場所に転移させられた者同士だからなのだろうな。

まぁ、再会を約束しただけだから、いつとかの期限や日時の約束は無いけどね。


ちなみに、あの後の会議は紛糾したらしい。

誰の支配下が良いとか、アイツは嫌だとか、露骨には言わなくても態度で示したりと大変だったようだ。白羊宮の態度が悪かったので、難色を示す所が有ったりしたんだろうな。


僕なら絶対嫌だからね。

どう考えても上から目線で面倒なタイプだろうしね。


そして、マコトさんと会った次の日になった。


「では、お願いしましたね。」


「はい。」


アンジェラ王女は、執事さんに声をかけた。

僕はアンジェラ王女と共に都市国家オヒューカスへと行く事になった。


「こちらの事は、お任せください。」


執事さんの返事を待ってから、馬車は動き出した。187もの都市国家の代表が居るので、混雑しない様に統制を取っている様で、代表者の都市からの移動は申請・許可制になっているそうだ。


ロックフェラ連合国の首都アテナイを後にする。

馬車は門を出て街道の一つへ入って行く。

ロックフェラ連合国は近くの都市へと繋がる街道がいくつかある。

東西南北の都市同士は街道によって繋がっているという訳だ。


僕の道は何処に繋がっているのだろうか?


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