第十話 シャルマン商会・ガリレオ支店
予告通りの更新です。
お楽しみいただけたら幸いです。(=゜ω゜)ノ
「いらっしゃいませ。」
僕達が入ったお店はこの世界では異質の店構えで、異世界モノでよく見る店というよりも、地球のお店の様な感じだ。壁面はイタリア風のレンガ調なんだけど、透明なガラス?がはめ込まれていて、ショーウィンドーって言うんだっけ?あれが設置されていて、尚且つ自動扉が入り口にあった。百貨店と呼ばれる入り口って言うのかな?
「ここは凄いですね。」
「ああ。地球に戻って来た気がするよ。」
これはまさにデパートだ。
通路が整備されていて、商品が棚に綺麗に並べられている。
「これ、絶対に地球の人が関わっていますよね?」
「少なくとも、知識は使われているね。」
店の外には『シャルマン商会・ガリレオ支店』と書かれた看板があった。
あぁ、そうだった。説明してなかったけど、召喚されたマコトさんも僕も読みと話は出来る。
書く事は練習中だけどね。どうやら、勝手に日本語に訳されて耳に入ってくるし、話したいと思う内容は勝手にこの世界の言葉になって口から出てくるみたいで意思疎通に困る事がない。
ど、マコトさんと僕との会話は日本語だ。どうも、話そうとする相手によって使い分けられている。と感じる。イッツ、ファンタジー♪
「入り口近くにレジがあるのは、地球と違うね。」
「そうですね。でも、二階とかだと、エスカレーターの近くに有ったりしますよね?そういう感覚ですかね?」
「なるほど。そうかもしれないね。それに地球のデパートでは、だいたい一階は化粧品売り場で、各ショップが入っているからね。」
マコトさんと僕は、辺りを物珍しそうに見ている。
それを見て、気になったのか店員らしき人が、スススと近寄ってきた。
「何かお困りですか?」
「いえ。初めて来たもので、ちょっとビックリして。」
話しかけてきた店員さんの眼鏡がキランと光った気がした。たぶん気のせいじゃない。
「初めての方でしたか。それでは、少しご案内しましょう。私について来てください。」
そう言うと、スタスタと店員さんらしき人が歩き出す。
マコトさんと僕は呆気にとられてその場に立ち尽くしている。
「お客様、何しているんですか?こちらですよ?」
と、店員さんが振り向き、来るようにと促すので、。マコトさんと僕はお互いに顔を見合わせ苦笑してしまう。
「早く、こっちです。」
更に急かされた所で、マコトさんと僕は指定された場所に向かう。
そこには、インフォメーションと書かれており、受付嬢の様な感じの綺麗な女性がカウンター越しに座っていた。
「さぁ、お客様にご説明を。」
「かしこまりました。」
店員さんらしき人と受付嬢らしき人がやり取りをする。
そこからは、受付嬢が説明をしてくれるようで、店員さんは『では、私はこれで。』と立ち去っっていった。
「よろしいでしょうか?」
「あっ、はい。」
僕が返事を返すと、綺麗な受付嬢は可愛い笑顔を見せる。
「ここは、世界有数のシャルマン商会のガリレオ支店でございます。ここはザ…こほん。ヘファイストス・ダンバル様の設計と共に、建築家集団ダンバル一家によりジャパン技法を用いて建てられた施設です。建物は地上四階、地下二階の建造物であり、地下二階から地上三階までが売り場となっております。地上四階は関係者以外立ち入り禁止となっております。地下一階は、通常の食品が置かれたフロアになっております。地下二階は、世界の食材や、テイクアウト食品など多種の食品が置かれたフロアです。地上一階は生活必需品等の雑貨フロアです。地上二階は武器・防具などの鍛冶関係の商品が置かれたフロアです。地上三階は食事が出来るフロアとなっております。」
はい?マジで凄く無いですか?正直異世界をなめてました。
いくつか、気になるワードが出てきたけど、かなりハイスペックな場所じゃない?
「あの、シャルマン商会ってかなり大店ですか?」
「そうですね。世界各地に我が商会の支店があるのは事実です。」
ありがとう。と言ってマコトさんと僕はインフォメーションから離れる。
「何処に行こうか?」
「う~ん。やっぱり地上二階かな?」
「武器とか見たいですよね?」
「そうだね。」
マコトさんと僕は地上二階の鍛冶関係のフロアに向かう。
何カ所かに設置された階段を使って二階に上がった。
「流石にエレベーターとかエスカレーターは無いみたいだね。」
「そうですね。それまであったら、逆に怖いですけどね。」
マコトさんと僕は二階のフロアに到達した。
目の前にはガラスケースらしき透明なショーケースが並べられており、その中には剣を始めとした武器類が綺麗に並べられている。
「す、すごい。」
「これは壮観だね。」
片手武器から両手武器、剣からレイピアや槍や斧、そして。
「もしかして?!」
「間違いない。あれは日本刀だね。あの波打つ地肌の美しさは間違いないね。」
地球でも美しいとされた地肌。
あれは他の刀身や技法では再現できないとされている。
マコトさんと僕はその日本刀の前で立ち見入っていると、そこに店員さんがきた。
「ジャパニーズソードが気になりますか?」
「ジャパニーズソード?」
「ええ。もしかして違いましたか?あの曲がりのある片刃の剣では無いですか?」
おっと、日本刀はこちらではジャパニーズソードと言うらしい。
これって、訳し方が違うだけなのかな?
「あぁ、それとも日本刀と言った方が良いですか?」
マコトさんと僕は、その言葉を聞いてその店員さんの方へと視線を向けた。
あれ?この人はさっきの店員さん?じゃない?