なきひとへ
ごめんね
僕は君に言う
ごめんね
ひとり
目を閉じて
まぶたの裏側で
ごめんね
ひとり
冷え切った車の中で
ごめんね
君の いない部屋で
ごめんね
あの世に行く前に
ごめんね
幸せに できなかったことを
本当に 悔いている
ごめんね
何度も繰り返し 繰り返し
心の中の 君に言う
ごめんね
何度も 何度も
幾つも 幾つも
あの日の君に
冬の想い出の中の君に
今でも心の中で生きている君に
ごめんね
ごめんねの度に
君が 癒されて
君が 幸せになるのなら
何度でも
いくらでも
まぶたの裏側で 言う
もう会えない君に
もう会うことのない君に
君は白いワンピースを着て
ふわふわ宙に浮いている
白よりも透きとおった細い腕で
風雪に揺れる華奢な君は
僕を みつめたまま
笑って やさしく ハグしてくれた
やわらかく
あたたかく
僕のすべてを
つつみこむ
身体の芯が 熱い
君の ぬくもりを 感じる
鮮明に 今 君を 感じる
今 ここに 君が いる
今 この 腕の中に 君が いる
良かった 生まれてきて
本当に良かった 君に会えて
君に 会うために
すべては 君に 会うために
すべてを 君に
星は めぐる
時は めぐる
君は めぐる
約束の日に
約束の場所で
この地球上の どこかで
あるいは
地球上ではない 別のどこかで
冬
君は めぐる
星を抜けて
宙を抜けて
時を抜けて
いつか
もう おやすみ
何度めかの夢を
君との夢を
目を閉じて
まぶたの裏側に
君を
おやすみ
ありがとう




