25:魔王討伐
城へと入ってすぐに現場に到着した。
二本の角を生やした男は同じように二本の角を生やした少女と白い何かによる攻撃を防いでいる。
「防戦一方っていうよね、これ。俺必要ないのでは?」
「貴様がここに辿り着いたということは、そうか……」
暗い声が聞こえる。
「必要かどうかは兎も角、加勢できるならしたほうがいいですよ、先輩」
メイリーはこちらの肩を叩いてきた。
「さて、最後だ。少し退いてもらおうか」
男はそう言うと、刀を振り払いシルとアマリアを下がらせた。
アマリアは俺の近くに立ち、シルは魔王の右側に立った。
「補助は必要かな、アルレイ」
「そうだね、前と同じで」
「了解した」
「私も戦いますよ!」
アマリアと話しているとメイリーが割り込んでくる。
「前回との違い、かな」
「そうだろうね」
ポツリと呟くとアマリアがそれに同意した。
目の前の男を見据える。
男は先程まで満身創痍という風貌であったにもかかわらず今は覇気に満ち溢れている。
俺の隣に黒髪の少女が並んだ。
魔王は少しだけ隣の彼女を見るとすぐにこちらを向いた。
一つ、相手の呼吸に合わせて息をする。
刀を握った、あのときと同じ感触。
男はニヤリと笑う、これも見た。
体は軽い、彼女が居るから。
隣には黒髪の少女、全てはそこから始まった。
「さぁ、始めようか」
自然と声が出た。
「いいだろう、どちらが未来として相応しいか、決着をつけるときだ」
まずは一歩進んで刀を振る、相手もそれに合わせて刀を振ってきた。
メイリーが俺の右下から突きを放つ。
男は魔法の障壁を張ってそれを防ぐ。
刀にかける力を抜き、蹴りを放つも受けられる。
メイリーが後方から剣を横薙ぎに払うと雷がその剣筋に沿って放たれた。
男はそれを刀で振り払う。
それと同時にこちらから斬りかかる、男は障壁を張って刀を一瞬止め、自らの体勢をすぐに立て直して斬り返してきた。
下がって間合いを取る。
男はこちらを追ってきたがメイリーが間に入って斬りかかった。
男がメイリーと鍔迫り合いをしている間に一呼吸置く。
メイリーが男に蹴り飛ばされて横に転がっていった。
距離を詰め、
剣を振る。
一撃、男は同じように剣を振り返し、防ぐ。
弾き飛ばし、追って剣を振る。
二撃、男は幾つもの障壁を間に立て一時的に刃を止めその間に回避する。
三撃、剣を振ったが男は刀を合わせることで、結果吹き飛ぶも致命傷を防ぐ。
メイリーが雷撃を飛ばしたが、男はそれを防がずこちらに突っ込んできた。
雷撃が男に当たり、確かな衝撃があったはずだが勢いを殺さずに斬り下ろしてくる。
そこに刀の峰を当てて弾く、
返す刀で四撃、男はそれを避けようとするが反応が遅く、完全には避けきれなかった。
男は体勢を立て直してこちらに斬りかかろうとした。
そこに更に雷が落ちる、
男は一瞬止まった。
息を吸って、吐く。
刀の柄を握り、目の前の相手をよく見る。
剣を振った。
五撃、魔王の首が落ちる。
男は最後にニヤリと笑った気がした。
文字数少ないですがお許しを。
ここが一番キリが良いかと思いまして。
後は戦闘シーン書くのすごい時間掛かるんですよね……