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0.5何でもない日常を何にも無い世界から見たらなんと素敵な光景に見えるかっていう話

本編はまだです。


しばらく前に書いたものに少し加筆しました。





「おはようございます。先輩。」


黒色のポニーテールを揺らしながら、緑色の瞳が少年を覗いている。

ニカっとした笑顔もつけて。


「あぁ、おはようメイリー。」

「もう昼ですよ?」

「えっ?」


少年は驚いて窓から外を見る。陽はまだ昇ってからそこまで時間は経っていないだろう。


「っていうのもやってみたかったですけど、今回は普通に朝ですね。」


にしし、と少女は笑った。

少年は困ったような顔をしながら頭の寝癖を手で解かすと

「全くこの後輩は…」

と呟いた。


そしてこちらを一瞥すると。

「あ、おはよう先生」

と、私に向けて挨拶をしてきた。

お返しに、にゃあと鳴いてやる。


「先輩が起きないから先生はもうあんな遠くに行っちゃったんですよ?」

ちなみに私が今いるのは部屋のドアの前だ。

今入って来たところなので彼女は嘘をついている。


「マジか、って嘘じゃん。先生嘘だって言ってるし。」

少年は私が首を横に振っているのが見えたのだろう。


「あ、バレましたか。」

「全く……可愛いなぁこんちくしょう。」

「相変わらずですね……」

少女のあんまりな物言いにもめげない少年には称賛を贈りたくもなる。

「ありがとうございます。先生。」

相変わらず緩い頭の少年だ。




とん、とん、と一歩一歩。大きく揺られながら人混みを行く。

隣にはあの黒色のポニーテールの姿はない。

あるのは白色の肩までのショートカット。

ボブカットとでも言うのだったか?


「ん?先生、どうかしたの?」

少年が右肩にいる私を見てくる。

なんでもないことだ。


「そう?」

少年はまた歩きだす。


「さてアルレイ、今日買わなければならないものはなんだったかな?」

白髪の少女がまるで少年を試すように言う。


「えーと、後輩がなんか甘いもの、茶髪が肉、トーレラさんがお茶、それとお菓子、できればクリームを使ったものがいいけれど別にそこは重要視していないから高くならないように。とのことだったかな。」


ふむ、と少女は呟くと。


「まぁ、だいたい正解だ、アルレイ。正しくはメイリーがクッキー。ホリアスが干し肉。それと胡椒。これは無くてもいい。トーレラはアルレイが言ったので十分だろう。」

少女はそう言うと一つの店を指差した。


「あそこにいけば茶菓子が買える、メイリーの分とトーレラの分、何か見繕うとしよう。」

「ほーい、りょーかい」


ピシッと右手、いや左手を指先まで真っ直ぐ伸ばして肘を曲げて額に付ける。

少年が右手を使おうとしたのでちょっと落ちかけた。


なんだか申し訳なさそうにこちらを見ているので許すことにした。


「気をつけるよ、先生」


相変わらずその表情に締まりはない。


これが魔王を倒した勇者だなんてなんとも信じがたい。


「どうしたアルレイ?そこで立ち止まると通行の邪魔になるよ」


先に店に入ろうとしていた白髪の少女が少年に近寄り、その腕を取って進もうとする。


「わ、わ、ちょっと待って」

「待たない、特に重要そうな用事はないと判断した」

「なんかこの腕組んでる感じ幸せ過ぎて辛い」

「ほんと、どうでもいいね」


少年はあたふたと動き、少女はため息と共に頭を抱えた。


本当にこんな奴が魔王を倒したのだろうか?


見ていなかったのが悔やまれる。

お読みいただきありがとうございました。


本編は終盤なのでまったり真剣に書いていこうと思います。


可愛い感じの女の子を書いていて思ったのはもっと地雷みたいな子を増やすべきだったなぁ、ということです。


今作では今のところ出す気はないのですが、次回作を書くとしたら地雷みたいな人をばら撒いて書きたいところです。

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