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21:最後の道のり



「まぁ、山降りるところに見張りが居るのは当然だよね」


山を降りていると、向かう先に角族の気配がした。

近くに木が生えている場所があったのでそこに身を隠し、様子を見ている。


「むしろ何で人族は見張りとか立てんの?」

「一応定期的に見にくるらしいよ?」

「ずっと見とかんと意味ないじゃろ……」

「お金も時間もかかるから誰もやりたがらないんだよ」

「角族ホント舐められとるの」

「先代さんが早々に勇者と相討ちしたことになってるのと、人族の被害が少なかったからね」

「誰があんな雑魚共に負けるか」

「まぁまぁ。……というか、何か見張り多くない?」

「そうじゃな、儂がこの前見たときはもうちょい少なかったの」


「まるで何かを警戒しているようだね」

アマリアが会話に混じる。


「何かってのは、俺たちより先に襲撃者が居たってことかな?」

「恐らくそうだろうね」


「んで、こいつらどうすんだ?片っ端から吹き飛ばすか?」

「隠れて行った方が良いのではないですか?」

ホリアスとトーレラさんも会話に混ざる。


「プランしー、で行こう」

「いや、聞いたことねぇよ」

ホリアスから叩かれる


「アマリア、俺たちの姿とかを角族に似せることできる?」

「できなくはないよ」

「あー、なるほどの、ある意味正面突破じゃな」

「そういうこと、アマリア任せていい?」

「了解した、任せたまえ」













「とゆーわけでシルさん、角族の言葉は分からないのでテキトーにお願いします」

「ほいほい、ま、軽く人族荒らして来たわって言っときゃいいじゃろ」


そう言ってトテトテと見張りの角族達に向かって歩いていく銀髪ロリ。


しばらく何か話してから帰ってくる


「お疲れー、何だって?」

「何か人族に襲われたっぽくて警戒レベルを上げとるみたいじゃな、儂は普通にお疲れーって歓迎されたし、お主らも普通に通ればいいんじゃない?」

「おけ、んじゃアマリア先頭頼みます」

「了解。何か話しかけられたらとりあえず手を上げて笑っておいてくれ」

「なんか、むしろ怪しくない?それ」

「ほれほれ、さっさと行く行く」





「特に何事もなく通れましたね」

「いや、アマリア凄いな」

「まあまあ、それほどでもあるけどね」


アマリアは自慢げな表情をしている。


「さて、これで魔大陸に入れたわけだが先先代勇者の話もあるし、どっかで軽く休むか」


ホリアスが辺りを軽く見回してから声を上げる。


周りは木が生い茂っているということ以外は特に向こうの場所と変化はない。


「魔大陸ってこんな場所なんですね……」


トーレラさんが物珍しそうに周りを見ている。


「まあ俺も最初聞いたときは地面が紫色でもしてんのかと思ったよね」

「んなわけあるか、文明レベルがちょい低い感じがあるが基本的にそっちと変わらんわ」

「後は闘争が多いからそこら中に魔法の痕跡があったりするね」

アマリアは言いながらうんうんと頷いている。


「とりあえず近くに村とかない場所で休みたいんだけど何かいい場所ない?」

「んー、まあ無くはないの。ほれ、ついて来い」

先をスタスタ歩く銀髪ロリに続いて歩く。


後ろを振り返りちゃんとみんながついて来ているのを確認する。


「前回は割と魔王城まで一直線に行ったからなぁ、道が分からん」

「俺は付いてけないから途中で転移使ったしな」

「あ、途中居ないと思ったらそういうことだったんだ」

「当たり前だろ、一人であり得ねえ速度で走って行きやがってよ」

「あれには私も少々肝を冷やしたよ。お陰で魔王城への奇襲に成功したと言ってもいいがね」

「あ、やっぱりアマリア居たんだ」

「もちろんだとも」

「えっと、話についていけないのですが……」

「安心せい三つ編みの。儂も全く分からん」

「私ですか?えぇもちろん知ってますよ」

「キューロックさんは置いとくとして、今は向こうに老害居るからやっても無駄死にだけどね」

「今の勇者さんは腑抜けてますからね、鬼気迫る感じがありません」

「腑抜けって……まぁ、流石にちょっと余裕があるような気はするけど」

「別にそこまで気ぃ抜いてるわけじゃねぇし、いいんじゃねぇの?」

「そうだね、色々と周りを見る余裕がある今の方が救えるものは多いはずだ」

「勇者さんは甘やかされてますね」

「……そうかもしれないや」


仲間からの一斉支援に笑みが溢れる。


「ん、この辺でいいんじゃないかの」


シルが立ち止まったその場所は、辺りを木で囲まれている小さな野原だった。


「じゃあ適当に障壁を張っておこう」

そう言ってアマリアはふらふらと辺りを彷徨く。


「俺らは中心で休んでるわ」

「お先に失礼します」

ホリアスとトーレラさんは体力的に辛いものがあったのか先に休むようだ。


「じゃ、俺はアマリアの付き添いでも」

「必要ないじゃろ……」

ロリに抗議されたが無視して実行する。


「どう?大丈夫そう?」

「あぁ、問題ないとも」

「そういえば障壁とかって張っても気付かれないの?」

「この辺りは戦いが頻繁に起きるからね、ある程度なら問題ないだろう」

「魔王クラスだとダメそう?」

「魔王がこの辺りを歩いていたらダメだろうね、しかし遠くに居るなら問題ないだろう」

「おー、すごい」

「障壁も張り終わったし、みんなのところに戻って作戦会議といこうか」

「了解」


そう言って二人で原の中心で休んでいる皆のところに行く。












「さて、というわけで作戦会議です」

「問題は先先代の勇者だね」

俺の発言にいち早く反応したのはアマリアだ。


「そう、あの老害が出るということは俺も出るということ。あの老害の相手を師匠か死んでもいいやつ以外に任せたくないしね」

「魔王が出てきたら誰が相手をするんだ?」

ホリアスが確認するように言う。


「アマリアとそこのロリ魔王に頼むしかないかな」

「まあそうなるだろうね」

「ロリ魔王て……」


ロリ魔王の目線が痛い。


「魔王城前の雑魚は俺とトーレラでいけんのか?」

ホリアスは隣に居るトーレラさんを見ながら言う。


「そこは最悪その二人になるかな。可能性としては第一、第三勇者と合流できればもっと楽になると思う」

「儂らより前に見張りを蹴散らした奴がいるみたいじゃしな、誰も居ないってことはないじゃろ」

「まぁ、そゆこと」

「一応二人しか居ない場合で考えておくか」

「私は私のできることをやりましょう」

ホリアスとトーレラさんはしっかりと頷いた。


「んじゃ魔王城攻略の作戦会議は終了かな?」

「そうだね、後はどのように魔王城へと向かうかだ」

「ま、そこは儂に任せてもらおうかの。最速で突っ込むなら今からでも行けるが休憩込みなら、一度別の場所まで移動してそこで休んでからのが近いの」

「了解。んじゃ、解散して休憩!」


その後は各々静かに休んだ。


魔王城突入まで、あと二日だ。


お読みいただきありがとうございました。


見返せば見返すだけ書き直したくなりますが、とりあえずちゃんとした終わりを書くまではこのまま行きます。

まだもうちょっと続きますね。

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