二人の世界5
「ひええっ!!」
レオが慌てて家来のように土下座した。
ヒカルとユキは、それを見て引いた。
「…と言いたいところだが、まずは償いをしてもらう」
「え、僕もですか?」
ヒカルの意外そうな問いを冷たくルシウスは突き放す。
「お前の疑いが晴れたわけではない」
そして、すっと人差し指を二人に突きつける。
「二人で召喚魔法の道を作ってみろ。できなければ殺す」
青ざめたレオだが、それでも首を振った。
「無理っす」
「では、死ぬか?」
「更に無理っす!」
レオとヒカルを正座させ、ルシウスは尊大に見下ろした。
「やり遂げてみろ。レオ、お前は天才なんだろ?ヒカルはサポートしろ。俺も出来うる限り協力する。…なんなら、お前たちの飯でも作ってやる」
「…………え!?」
予想していなかったルシウスのサービスに驚く二人を、ぶっきらぼうに彼は見て畳み掛ける。
「発明したら褒美をやってもいい…そうだな…」
ルシウスが顎に指を当てて思案する。
「努力した方に、ユキを嫁にやる」
「………………」
一瞬、静寂が漂った。
はっとしたユキが、いち早く怒った。
「ちょっとお!私、物じゃないから!ひどい!」
続けてレオが我に返った。
「あ、俄然やる気出ました!」
そう言ってパッと立ち上がると、何かガラクタをごそごそいじり始めた。
「…あの、ユキ、僕を選んでね、ね?」
不安気にヒカルは念を押した。
「急げよ、俺は気が短いからな。早くしないとユキを誰かの嫁にやるぞ」
ふ、とルシウスが鼻で笑った。
かくして発明部屋に缶詰になったレオとヒカルだった。
後日、ルシウスとレオのいない時を見計らい、ヒカルはユキにそっと耳打ちした。
「よかったね、作戦成功!ルシウス様の引きこもりを辞めさせることが出来たよ」
「もしかして、やっぱり映写機の記録全部知ってたのね?」
やはり、にこっとヒカルは笑った。
「ルシウス様は、独占欲強そうだったからね。さてがんばるかなあ、よくわかんないけど」
飄々とするヒカルに、ユキは唖然とした。




