表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/124

二人の世界4


焦らすようにゆっくりとミヤコが自分の服の胸元の留め具を、ぷちりと一つ外した。


「おい!嘘だろ!?」


衝撃映像に、ルシウスは映写機を掴み上げ顔を近付けた。

ミヤコが、襟元をくつろげる。

白い首筋が露になって、ふふ、と色っぽく笑う映像に目を見開き固まる。


「はい!テスト終わりー!」


レオの楽しそうな声と共にブチッ、とそこで映像が切れた。


「あ!、おい!え、ここで?!」


映写機を上下に振ってみる。


待て!この後どうなったんだ?!

何撮ってんだ?!

…………知らなかった。


「あの野郎…!」


取り合えず、今殺らねばならない奴がいる。


さっきまでの苦しみまくった気持ちが吹き飛ぶほどの衝撃だった。

そしてルシウスの心には、ふつふつと違う感情が芽生えた。


「うーん…道ねぇ…」


レオが腕を組んで、天井を見上げる。


「消えたのなら、元に戻せないのかな?」


ヒカルが言いながら、昼食のサンドイッチを食べている。


「一度消されたら戻らないの。だから、困ってるのよ」


ユキが、発明部屋のゴミを魔法で片付けながら答える。


「うーん、まずは魔法の仕組みを一番知る方の話を…」


指で鉛筆を回してレオが言いかけた。


ドォン!!


発明部屋の扉が吹き飛んだ。ユキに庇われたヒカルが呟いた。


「え…また破壊?」


言ってるそばから、拘束の魔法でレオとヒカルがバタンと倒れた。


「きゃあ、父さん!?」


ユキが驚くのに構わず、ルシウスがうつ伏せのレオの背中にドカッと座った。


「ぐへっ!な、なんっすか?!アニキ!」

「その呼び方やめろ、お前、これはなんだ?」


静かに話すのが、逆に恐ろしい。

レオの前に、映写機を置いて再生させる。

最初はミヤコの歌っている姿。

だけど次の次は…


「ええっ!兄さん、やっぱりいかがわしいの撮ってたのね!?」


人の母に何てことさせてるの?!


ユキが白い目で見ると、レオの顔がみるみる青ざめた。


「あわわわ…ち、違うんです!消すの忘れてて…」

「忘れた?撮ったことに変わりはない。で?この後どうなったんだ?」


背後の殺意に、レオが怯える。


「な、何も、それ以上はミヤコさん脱いでません!本当ですー!」

「随分と楽しそうだったな?」

「は、確かに遊びで…す、すいません!お許しを!」


震えるレオを冷えた目で、ルシウスが見下ろす。


「あのう…僕はなぜ拘束されてるんでしょう?」


ヒカルが控えめに言った。

ルシウスはヒカルの前に屈んで言った。


「この映像を知っていて、俺に見せたな?」

「え、え?僕、歌だけかと思って…あの、僕、人間なのでお手柔らかにお願いします。あの、ちょっとのことで死んじゃうので…」


ヒカルが冷や汗をかきながら、こわばった愛想笑いをした。


「…知らなかっただと?」


疑り深くルシウスが、じっとヒカルを見る。


「何でしたら、僕の手を握って気持ちを確かめたらいいですよ。」

「…気持ち悪い。」


ルシウスが拘束を解いた。

二人が恐る恐る起き上がり、床に正座した。


「お前たち、取り合えず殺す…」


ぽつりとルシウスが言った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ