二人の世界2
「レオさん!起きてくださいよ!」
机に突っ伏して寝るレオを、ヒカルが強めに揺する。
「んがっ?!また来たのか?」
欠伸をして、レオがだるそうに彼を見た。
「映写機ありがとうございました。それで、お願いしていた物ですけど」
レオは諦めた顔で、首を振った。
「だから、無理なこと言わないでくれ。召喚魔法の向こうへの道なんて作れないって」
そう言って机に顔をつけて、だらんと脱力した。
「……と言うか、俺今自信喪失なの。ヘリアスのせいで牢は破られて、俺の自信作は噛じられて…あの野生め。リュカやユキから、叡知の結晶脆いとか言われて、えっ、俺だけのせいか?と思ったし、散々なんだよ」
ヒカルがにっこりと機嫌良く面倒なレオを見ている。
「散々ついでに言わせて下さい。実は、僕とユキは正式にお付き合いすることになりました!」
「…おい、嘘だろ!」
レオは机に頭をぶつけた。
ダメだ…。もう何もやる気が湧かない。
「ダメだー、もうダメだー…」
「やっぱり、レオさん、ユキのこと好きだったんですね」
ヒカルは頬を掻いて呟いた。
「……………」
それから壁に寄りかかって、言葉を探す。
「……………レオさん、僕は人間だからユキとはあまり長く一緒にいられない。でも、あなたはできる。だから…僕を納得させて下さいよ」
「何が?」
死んだ目をしてレオが聞いた。
「あなたが僕の死んだ後に、ユキを任せるに足る人かどうか…」
「………………」
ふう、と息を吐き、レオは身体を起こした。
それから辺りのごちゃごちゃした試作品を脇に寄せた。
「こじつけだと思うけど、それで凄い発明品作って見返してみろ、と?」
「僕、レオさんのこと信じてますよ。あなただって、ユキが喜ぶ顔を見たいでしょ?」
にっこりするヒカルは、やはり王様に似てるな、とレオは思った。




