逃亡2
「い、今!ごほっ、な、なんて?!」
頬に手をあてミヤコは、はにかんでいる。
「さ、さっきね、医者に診てもらったの。4ヶ月だって…てへ」
「てへ、って!母さん!!」
母の肩をつかんで、揺さぶる。
「な、なんで今まで気付かなかったのようー!!」
ぐらぐらしながら、ミヤコは赤い顔で照れている。
「ええっと、つわりみたいなのはなかったし、お腹も目立たなくて…あ、触ったらわかるかも…で、最近食欲自分でも凄いなあと思って、おかしいなって…」
頭がぐるぐるする。
ユキは自分の驚きように驚いた。
「な、なんで?アレこなかったでしょー!!?」
「あー、もう歳かなあと…」
ははっ、と笑うミヤコを更に揺する。
「なに少女みたいな顔して言ってんのよおー!!年取らないでしょうが!」
「ちょ、私妊婦!揺らしすぎ」
母の肩を持ったまま、へなへなと力が抜けた。
「…………父さんには、言ったの?」
「まだ。あ、私から言うから、ユキは内緒にしててね」
嬉しそうなミヤコの顔を見ていたら、ようやく落ち着いてきた。
そっか…
兄弟できるのか…
私とどんだけ歳離れてるんだ。
そもそも兄弟に見えるのかな?
親子に見えたりして。
え、弟、妹どっちだろ…
こめかみに手をあて、気持ちを整理する。
「ユキ…どんな気持ち?」
イタズラに成功したような無邪気さで、ミヤコがユキの顔を覗く。
気持ち、きもち…
「う、嬉しいに決まってるよう!よかったね、母さん!凄く驚いたけど」
母の両手を持って、ぶんぶん振った。
「うん、ありがと」
にこにこっとミヤコが、いい顔で笑う。
「ね、父さん聞いたら、どんな反応するかなあ?」
ふふっと二人で顔を見合わす。
「多分ね、寂しいって言うかも」




