魔法使いの娘2
Γんー、見てみたいなあ。あ、でもミヤコ様に握手でもしようと近づく男は、ルシウス様に消されるという黒い噂が…」
「ああ、そうですね…少しでも触ったら、多分瞬殺ですね。」
怖い、冗談にならない。
まじまじとヒカルが、ユキをのぞきこむ。
ばれたか?
「…君は、よく知ってるような言い方をするね…王宮で働いてたりするとか。」
ぺろりとかき氷を平らげて、ユキはくすりと笑った。
「まあ、まだ見習いですが…。」
店を出て、ヒカルの観光案内で広い公園にやって来た。
暑いし、平日なので人はまばらだ。
「暑いね。」
木陰のベンチにヒカルが座る。ユキはその脇に立ったまま彼の顔をちらっと確認する。バイト帰りで疲れているのに無理しちゃって。イタズラのつもりだったが、可哀想になってきた。
「ね、君は歳はいくつ?見たところ僕と同じくらい…」
「26」
「へ、え、ええー?」
キョトンとする彼に、抑えた笑いが限界を越えそうだ。
確かに同じくらいの歳には見えるだろう。身体は二十歳前後で時を止めてしまうのだから。
それは、両親もそうだ。
自分と母が並ぶと、本気で姉妹に見える。間違えたら母が妹に思われることもあるぐらいだ。その時はショックだった。
あ、いけない。ヒカルが言葉を失っている。
「ヒカル…年令は18歳。グラディア王宮の侍女だった母親とルルカの下街で暮らす。何者かの経済支援により、不自由なく育つ。1ヶ月前に、母親が病で死去。」
Γど、どうしてそれを…」
Γ仕事は、夜はルルカの旧城壁の門の警備と食堂の接客を掛け持ち。忙しそうね。性格は女たらしでナンパ癖有りかな?」
呆気に取られた顔をしていたヒカルは、はっと真顔になって首を振った。
「ち、違う違う。今日はたまたまで…君が歩いているのを見て、それでつい…」
「つい、ね。まあ、別に…顔立ちも似てるし、たらしなのと話し方、明るい性格は父親似ね。」
「…え?」
「あなた、父親は家を出て行方知らずだと思ってるでしょう?」
ユキは立ち上がり、ヒカルの正面に立った。
彼女の短めの金髪が黒髪に戻り、青い瞳が漆黒に変わる。
Γき、君は…」
プルプルと指差すヒカルに、ユキは吹き出した。
Γぷぷっ、ふふっ、名前で気付くかと思ったけど。」
笑いを出し切り息を整えると、彼の前に膝を付く。
Γ王子殿下、グラディア王宮からお迎えに上がりました。お父上のグラディア王であるローレン陛下がお会いしたいそうです。どうか私といらして下さい。」
混乱して口をパクパクさせるヒカルを見据え、ユキは顔を上げて名乗った。
Γ私はユキ。グラディアに仕える魔法使いルシウスとミヤコの娘。リュカの弟子です。」
Γ……なに、この展開…」
顔を背けて、ユキはやっぱり堪えきれずお腹を押さえて笑った。
今日貼り付けを覚えました。




