魔法使いの娘
Γよろしく、僕はヒカル。変わった名でしょ?君は?」
Γ…ユキ。私も変わった名でしょう?」
甘い練乳がかかるかき氷を頬張りながら、お互い自己紹介。何が嬉しいのか、ヒカルはニコニコとユキを見ている。
季節は夏。
ルルカは涼しい方だが、さすがに真昼は太陽の照りつけがキツい。街中を通る川沿いに氷屋が軒を連ねて涼を求める人で賑わっている。
その内の一軒で、二人は『練乳たっぷりシャキシャキかき氷』を注文した。
色を変えた肩に届かない髪を耳に掛け、スプーンで口に運ぶ。甘っ
Γね、知ってるかい?かき氷って魔法使いが伝えたデザートなんだよ。ほら、グラディアにいるミヤコ様がね、自分の生まれた世界の食べ物を広めたんだって。それが人気が出て、この国の名物になったんだよ。」
ユキは頷く。
ミヤコは確かに多くのものを伝えた。文化や医療福祉に教育、果ては便利な家具や食べ物。
甘い物好きな人だからなあ。
Γ君はグラディアから来たんだっけ?じゃあ、ミヤコ様を拝見したことがあるのかい?」
Γええ。」
(ほぼ毎日)
Γえ、え?凄い!どうだった?やっぱり評判の美女だった?」
この人、他の女の子にそういうこと聞くかな?!
Γええ。」
身内が褒められるのは悪い気はしないけど、微妙な気分。
ユキは自分が母ではなく、父親似なのが恨めしい。母よりも背が高い。
まあ細身の体型だし、割りと整った顔だとは思う。目元なんか涼しげだけど、それが冷たい印象も与えがちなのだ。
愛らしく優しげで可愛い系美女の母に似たかった。
ヒカルはユキのそんな気持ちは、勿論知らない。




