表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/124

裏切りと誓い

Γははっ!あの女が持つ力、あれをもらえば俺が最高の魔法使いになれるんだろ?楽しみだな、俺がたくさん可愛がってやって、俺に溺れてもらって、いずれ身も心も力も命も、俺に捧げてもらうさ。」


煽るように下卑た笑いをする男に、怒りで言葉がでない。

涙ぐんでいたミヤコを思い出し、握りしめた手がわなわなと微かに震えた。

無言で近づき、ヘリアスをもう一度殴った。

倒れたところを、押さえ付けて更に殴った。


「ミヤコは、俺の妻だ。」


口端を上げて、笑い続ける男の顔を、更に殴る。


「俺が…本当に愛した、たった一人の女だ。愚弄するな!」


呼吸を乱し、ルシウスはヘリアスの軍服のような襟を締め上げた。


「いいね…怒れよ、俺を憎め…その分もっと苦しめ…」


鼻血を拭って、ヘリアスが見上げた。


「ミヤコは、俺だけのものだ。ずっと、命が尽きる瞬間まで共にいると誓った、俺の半身だ!」

「は……」


ヘリアスが驚いて、ルシウスの顔を見た。

切ない表情のままに、彼は言った。


「ミヤコが、貴様のものになることは絶対にない。あいつが俺以外に心を移すことはない。あいつは、俺を幸せにすると誓ったのだから……だから貴様に力を与えることは不可能だ、決して!」


「…ははっ」


ヘリアスがにっと笑い、ルシウスの目を射抜くように見た。


「なあ、もし俺がお前の姿だったら、あの女どうするだろうな?」

Γ何だと?」


がっとルシウスの拳を掴み、僅かに身体を起こしたヘリアスは、至近距離からルシウスの目を紅い瞳で見た。

ふいに意識がふわりと薄らぐ。

霞む視界の先で、ヘリアスが笑う。


「…俺のもう一つの力、『乗っ取り』なんだ…」


その言葉がこだまのように、頭の中に響いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ