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光へ6


本当はしばらく家で過ごしたかった。


それなのに、ユキが妹が可愛くて仕方無いらしく、頻繁に会いに来てはあやしたり連れ出したりと落ち着かないものだから、5日ほどでミヤコとルシウスはグラディア王宮に姿を現した。


まだ乳を飲む間隔が定まらないので、いつでもあげられるようにマナとミヤコはセットだ。


目ざとくユキが見つけて、マナを連れ去って行った。


「あっ、マナ!」


淋しがるミヤコを見ながら、ルシウスは内心ユキに感謝した。

それが普通だとは理解しているのだが、今の時期ミヤコの関心は、まずマナが一番なのだ。

幼いユキの時と同様に、今その2に甘んじているルシウスは、それが恨めしい。


「また連れていかれた。ううっ、淋しいよ。ルー」


そう言ってミヤコが抱きついてくると、しめしめと思っている。


「ルシウス様、王がお呼びです。急ぎ執務室においで下さいませ」


若い侍女が近づき、そう告げた。


「わかった」


ルシウスが応えると、一礼して侍女が立ち去る。


「あ…そういえば」


思うことがあって、ぱっと隣のミヤコに顔を向けると、くるっとミヤコがあさっての方向を向いた。


「…………………」

「…………………」


ルシウスは、にやりと口端を上げた。

身を屈ませて、彼女の両足を抱え込んで抱き上げた。


「わっ、あっ!?」


驚くミヤコを見上げて、ルシウスが意地悪く聞いた。


「お前、妬いてるのか?」


映写機の二番目を思い出したのだ。


「う………うん」


顔を赤くして、不安げにミヤコが頷いた。


「ミヤコ、俺は不思議なんだが…」


頬に彼女の髪がかかり、ルシウスはくすぐったそうに目を細めた。そして淡々と言う。


「俺には、お前以外の女が、道端のアリにしか見えない」

「え?ええ?」


え、人として見てなかったの?

全世界の女の子に謝れって感じだけど…

だけど…


抱き上げたまま、すぐ近くで見上げるルシウスの瞳に、自分だけが映っているのを見つめた。


彼の肩に身体を預け、ミヤコはうっかり吹き出して笑った。


「ミヤコ、嬉しいんだろう?」


機嫌の良さそうな、彼女にのみ優しい夫の首に抱きついた。


「…もう…大好きだよ」


ダメだなあ、私。

アリと見られる女の子たちに喜ぶなんて。


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