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光へ3


ミヤコは夕食を食べながら、ヒカルや後から来たレオから話を聞いていた。


「いやあ、まさかルシウス様の手作り御飯をいただいちゃうなんて、びっくりしました」


ヒカルは感心したように頷いた。


「ええっ」


ミヤコは信じられない気持ちで驚く。


「さっきから俺の勘に触ることが多いな。やはり娘はレオに…」


ルシウスの呟きにレオが、ぱあっと明るい顔をした。ヒカルはムッとして不機嫌に反論した。


「ユキは大人です。彼女の意思を優先すべきです。ちなみに僕とお付き合いしてもらっています!」


ヒカルの開き直りに、まあしてもミヤコが驚いた。


「ええっ、そうなの?」


私がいない間に…ん?と言うことは、ユキはこのグラディアの国の王妃になるかもしれないの?

それに加えて、マナはいずれ最高の魔法使いになる子で


「ルー、私ってなかなか凄い子のお母さんかも」


得意気なミヤコに呆れてルシウスが言った。


「なんだ?ようやく実感したか?だから俺たちは歴史に名を残すと言ったろう?」


ふふん、と笑った。

悲嘆にくれていた妻が、報われたことは嬉しかった。


「ところで…」


おもむろに映写機を取りだし、ルシウスが聞いた。


「これは何だ?」


ひっ、とレオが怯える。逃げようとするのをルシウスが拘束した。


「レオ君!ちょっと!何するの?」


ミヤコが慌てて立ち上がる。


気にせず彼によって、映写機が食卓の上で再生される。

ミヤコは二番目を見て、スプーンを落とした。


「きゃああ!レオ君、消すって言ったでしょ!!」


三番目が始まると、ミヤコは全力で映写機を破壊した。

バキッと無惨にひびを作り床に転がった映写機を、ルシウスは冷えた目で見た。記録は他にもある。


「…脱いだのか?」


ぶんぶん首を振るミヤコを睨む。


「あのポーズは何だ?」

「ちょっと…調子に乗って…」


作り笑いを浮かべるミヤコに、ずいっと顔を近づける。


「…やってみろよ、俺の前でも。」

「へ?!」


固まるミヤコの顎をとらえて、ルシウスが囁いた。


「他の男の前で、あんな格好をするな。誘っているのと同じだ」


レオが慌てて叫んだ。


「違うっす!やましいことは何も…」

「お前に聞いてない」


ルシウスが魔法で口を閉じさせる。


「誘うなら、俺だけにしろよ。いつでも応えてやる」

「な、や、やめて…」


赤くなるミヤコの耳元に口を寄せ、ルシウスが意地悪くにやにやした。


ヒカルがいたたまれなくなって、そっとその場を離れようとしたのを目ざとく見つける。


「どこへ行く?」


ミヤコに顔を寄せたまま、ルシウスが冷たい声で言った。


「え?僕?」

「俺は、ヘリアスに見せるのは一番だけだと言ったはずだ」


ミヤコはようやく理解した。


「ちょっとお!何見せたのよー!」


顔を覆った。


「うっかりして…巻き戻し忘れて…あ、でも、三番目無言で目を皿にして見てましたよ。あれ見せてから、召喚魔法に協力的になって、結果オーライ!」


ヒカルが軽く言った。

バキッとテーブルにひびが入った。


「…お前!」


ルシウスが低く呟いた。


「な、な…」


恥ずかしさで混乱するミヤコだったが、隣のルシウスの殺気にはっとした。


「ヒ、ヒカル、逃げて!」

「し、失礼しました!」


ヒカルがミヤコの声に、だっと駆け出した。


「殺す!」


今にも魔法を使いそうなルシウスにミヤコは慌てた。


「ダメ、ルー!」


止めようと彼の肩をつかんで、勢い余って椅子を倒してしまい床に転がった。


「あっ」


ミヤコがかぶさるようにルシウスの身体を下敷きにしてしまった。

驚いた顔の彼を見て身を引きかけたが、ぐっとこらえた。


そっと唇を重ねた。

ドキドキした。

おかしいな、ずっと夫婦なのに。

別れていたせいだろう。

こんなにも恋しい…


目を丸くしていたルシウスが手を伸ばして、ミヤコを抱き締めた。

少しだけ唇を離し、彼が小さく言った。


「…ずるいぞ」


自分の怒りを逸らすために、抗えぬ熱を利用した。

彼女を捕まえて、唇を求めた。

彼女を確かめたいと思った。


柔らかな唇の感触に、震えるような喜びを感じ、ルシウスは驚いた。


ああ、そうか…

俺は、ミヤコで満たされたいのか…


「あ、なんだ?」


ようやく気付いた。


「お前、いたのか…」


拘束されたままの赤い顔のレオが、床に放置されていた。



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