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スクールアニマルFs  作者: 誠二吾郎
第二章.一学期
7/15

第六話「あらい曰く、仲が良いらしい」

「ニャーン」

 そう声がしたのは通学路から学校に向かう最中の事だった。太陽の日差しがまぶしく、目がチカチカする。今、布団があれば即座に熟睡できることを保証しよう。

 僕はその声がした瞬間に上の木に目線を向けた。目線の先には猫川の姿があった。今回は白色のようだ。

 見つめた瞬間、目線があってしまった。猫川の顔が次第に真っ赤になっていく。

「キャッー。お、お前、またニャンのか。懲りないやつだニャン」

 そう言い残し、僕の顔をひっかいた。見事なまでの猫のひっかき傷が僕の顔についた。

「……。お前もな。猫娘」

 僕は、あいつと気が合いそうだ。そう僕は眉間にしわを寄らし、いつの間にか肩に力が入ってしまっていた。


 教室に入ると、目の前に御手洗アライが居た。

「おはよう。……。やっぱり君らって仲がいいのかい。一緒に登校するだなんて」

 御手洗アライが僕に言った。その言葉から僕は怒りを感じそうだ。

「そんなことないだろう。どこが仲がいいんだよ」

「そうだニャン。こいつと仲は良いだニャンて思いたくにゃいニャン」

僕と猫川が同時に言った。こいつ狙っているのだろうか。

「やっぱり仲が良いね。息ぴったりだ」

御手洗アライはウインクを僕と猫川に向けた。

「「仲良くなんてない!!」」



 ひと通りあったが、僕は学校から指定されている席に座った。普通の木の椅子と机だ。幸運にも窓際で、前から4列目のところだった。春の陽気と日差しで寝てしまいそうだ。


 ところで猫川はなんなんだろうか。こいつは、僕をおちょくっているだけなのだろうか。あの耳と言い、毛並みと言い、素晴らしいのは認めるが、ちょっとばかりおいたが過ぎるぜ。

 入学式の時、教室でパンツ覗き魔発言と言い、あの猫娘はこの教室から僕を追い出したいのか。僕は自然と拳を作り、ぎゅっと握ってしまった。


 しかしながら、毛並みがつやつやで綺麗な奴だな。

「くそ、撫でまわしたい」

そうボソッと誰も聞こえないように言ったのだが、猫川は顔を赤くして、こっちを向いて睨んでいた。


____



 学校の校内放送から、学校終了の予冷が鳴ると同時に、アナウンスがあった。

『部活動紹介が1週間後にあります。再度、担当者は資料を提出してください』

「部活か。いったいこの学校にはどんな部活があるのだろうな」

 僕は肘を机に置いて、放送を聞いていた。そこまでは深くは関心はないのだが。


「ようやく終わったか。授業も。ああ、今日は何もないし帰るか」

 そう僕は独り言のようにつぶやいた瞬間、猫川は、

「グッバイニャン」

と教室全体に聞こえるように言い残して、教室を早々と出て行った。

「あいつ、何か用事でもあるのだろうか。まあ関係ないか。僕も帰ろう」

僕は机に引っ掛けていた鞄を手に取り、教室を出た。御手洗あらいに携帯を取られる前に。

 御手洗あらいがきょろきょろとしていたのは無視をして、僕の危害が出る前に学校を出た。

これ以上、携帯が犠牲になってたまるか。


 教室を出て、廊下を歩いていると、黒髪のロングヘアーのロリっ子を見つけた。頭の上に耳っぽいものがある。影のところで校庭の桜の木をずっと眺めていた。

 なにか考え事でもしているのだろうか。パッと見、文学少女だ。おとなし目な感じで寡黙な少女だろう。

「確か、こいつは同じクラスの四十崎あおい、か。何やっているのだろうか。あんまり喋ったことないし、話しかけるのもな」

 僕は話しかけるかどうか躊躇していたら、すでに彼女は居なくなっていた。


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