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脳内日記

作者: ポルポン

初めましての方も、お久しぶりですの方も、どうもポルポンです。

二日連続の投稿ですね。

慣れないスマホでの操作となってますので、誤字脱字は温かい目と寛大な心でお許しください。

さて、今回のキーワードは夢です。

読者様は今なにを想像しましたか?

昨夜の夢、悪夢、将来の夢などいろいろですね。

少しの間ですが、お付き合いください。

それでは、またあとがきで

「はぁ…ただいまぁ…。」

怠そうな声が暗闇に吸い込まれる。

その暗闇に、1つの小さな光があらわれる。

私が玄関の電灯のスイッチを押したからだ。

時刻は22時。ここからすることを口に出して整理する。

「えー、っと。ご飯は適当にコンビニで済ませて、お風呂入って、洗濯物干して寝る…と。はぁ、こんなものだよね。」

昨日と変わらない帰宅後のスケジュールにうんざり内心うんざりしながらも、慣れたようにノルマをこなしていく。

こんな生活が二年も続けば、さすがに人生が嫌になるだろう。


私がこの町に引っ越して来たのは、二年前の春だった。都会に憧れていた田舎育ちの私は、大学卒業後、迷わずあると都市の会社に就職した。


そこからは簡単である。

「もし私が何かの漫画や小説の主人公だったら、『その女は二年を過ごした』みたいな一行で終わらせられるだろうなぁ。」

本当に、二年なんてあっという間に過ぎてしまった。

働く意味や都会への憧れは言うまでもなく、最近では生きる意味まで疑問を持つようになった。

朝から晩まで上司からこきつかわれて働き、や

っと家に帰ったと思えばこのざまである。

「あれでブラック企業じゃないって、驚きだよね。」

自嘲的な笑みが思わずこぼれる。

もう今日は寝よう。明日も早いのだ。


目を覚ますと、そこは上下左右が白。雪国のような、そんな世界だった。

「え…。私、本当に主人公になっちゃった?」

頭の悪さを露呈するような言葉がこぼれる。

目を覚まして、身支度をして、会社に行く。

そんな予定だったのに、どうしてこんなところに。

そんな私の疑問に答えるかのように、ぼんやりとした影が私の前に現れる。


「おはよう。今日はなんの話をしようか。」

「え…?」

疑問ばかりが溢れてくる。

あなたは誰なのか、ここはどこなのか。

「そんなこと別にいいじゃないか、そ

れより時間はないんだ、早く話そうよ。」

「読まれてる…っ!?」


それから二人が打ち解けるのには、さほど時間はかからなかった。

私は昔の夢の話、今の私の愚痴などを話していた気がする。


はっと気づくと、私は昨日寝たベッドの上にいた。

「夢…かぁ。疲れてるのかな。」

彼女がなんて言っていたか、そんなことは忘れてしまった。

夢だと思っていたから。もう二度と会わないと思っていたから。

今日も意味のない1日が始まる。


私の物語はここでは終わらなかった。

次の日も、また次の日も、私の夢の中にはあの人が現れたのだ。

「っとまぁ、あれが夢なのかは分からないけどね。」

本当に不思議な時間だった。

ただ、当たり前のように白い世界へと誘われ、あの人と話すのだ。

はじめのころは、恐怖を感じることもあったけど、今ではあの時間が心地いい。

わたしの中で、何かが浄化されているような感覚だ。


わたしとあの人の関係が始まってから、おおよそ一か月が経った。

ある日、仕事の帰りに不意な雨に降られた私は、熱を出していた。

Pipipi

咥えていた体温計が静かな部屋に鳴り響く。

「38度くらいかな」

独り言を言いながら、体温計を見ると、そこには38.2の文字列が並んでいる。

ビンゴ。自分のことは自分が一番よくわかるのだ。

重い体を引きずり、私はベットへと向かう。

「薬も飲んだし、寝よう。」

目を瞑った私の意識がなくなるのに、そう時間はかからなかった。


「やあ、おはよう」

近くから声がする。目を開かずとも、そこに誰がいるのかはわかる。

今日くらいはゆっくり休ませてくれよ。

そう思っていると、あの人は話し始めた。

「今日は英語の話をしようか。《過去》を英語でなんというか分かるかな?」

「past」私は終始目を開かず、怠そうな声で答えた。

「じゃあ、《未来》は?」

「futuer」

「正解だよ。では《現在》は?」

うるさいな、ほうっておけよ。

そう思う私の口から出た言葉は、さっきの問題の答えではなかった。

「あなたは、誰なんだよ」

瞬間、まわりが暗転する。

床がない、体が重力に従い落下する。

いや、もう上下左右の感覚すらもない。

万物は流転する、とはよく言ったものだな。

意識が、薄れてゆく。


目を覚ますとそこはみなれたベットの上だ。

今までこんな終わり方はなかった。

「あれ?熱が下がってる」

私はそんなことを口にだしつつ、電子辞書を繰る。


《現在・present》

私の記憶が、繋がっていく。

「あぁ、そういうことか。」

やっとあの人のしたかったことが理解できた。

私の過去は、なんの面白味のない退屈なものだった。

未来も、今までとかわらないような日々が続くだろう。

しかし、現在だけは。

現在は、神からのプレゼントなのだ。

自分へのプレゼントなのだからどう使うのも自分次第だ。

あの人は、私を元気にしたかったのだろう。


身支度を終えた私は、玄関のドアノブに手をかける。

きょうはどんな意味のある一日にしようか。

きっと、ドアの先には昨日より鮮やかな世界がまっているに違いない。


私はドアを開け、降り注ぐ日光の中、一歩を踏み出す。


そういえば、あれは結局誰だったのだろうか。

一瞬そんなことを考えたが、ふっと笑ってしまう。

あそこまで自分のことを理解している人物だぞ。

いつか言ったではないか。


自分のことは自分が一番よくわかるのだ、と。

いかがだったでしょうか。

英語って、本当に素晴らしいですよね。

言葉の重みってのがありますが、こんな些細な一言が誰かの人生を変えるのかもしれませんね。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

それでは、みなさんの夢がとても素晴らしいものとなることを祈って、筆をおかせていただきます。

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