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不可解な出来事

作者: 樹 亜斗

これは、未だに原因も分からず、不思議に思っている出来事。


それに気がついたのは深夜で、仕事が終わり、一息を吐いた後の事……そう、お風呂に入る前にトイレに行く時の話である。



家に帰って来てからは、初の御手洗いで、すっきりしてからさっぱりと今日の疲れを癒して、明日も頑張ろうと思ったのだ。


そこまでは何も異変とかはなく、何時もの日常。だが、トイレを開けて、一歩踏み出せば、そこは異常しかなく、思わず、私は踏み出した一歩を引く。


……何が異常だったか、それは、トイレマットだけが異様にびしょびしょに濡れていたのだ!



私の時は止まり、何が起こっているのか分からなくて、もう一度足をトイレマットに置けば、冷たくて、濡れているのがよく分かる。


足を退かし、その場でしゃがみ、手をトイレマットに押し付け、その手についたであろう液体の臭いを嗅いでみるが、無臭。


……どうやら、ただの水の様だ。



私は直ぐ様、この異常を私よりも遅く家を出て、私よりも遅く帰って来た姉にこの事を話す。


しかし、私が頼りにしている姉も濡れている原因は分からないとの事。


もう一度、私と姉の二人でトイレをよく見るが、濡れているのはトイレマットのみ。


便器、壁、天井を見ても何処も濡れていないし、異変はない。


二人して首を傾げていても分からず、私は驚いて忘れていた尿意が出てきて、とりあえず、びしょびしょに濡れ、水が滴り落ちていくトイレマットを燃えるゴミ袋に入れる。そして濡れている床を乾いた雑巾で拭いた。


そのトイレの床に素足で入るのも少しだけ躊躇うので、使っていないスリッパをトイレに置き、それを履いてトイレの中に入って行く。


用を足しながらもトイレの中を見るが、やっぱり何もなく、トイレマットが無いだけで、何時もの私の家のトイレだ。



何故だろうか? 母は今日は家に帰って居らず、トイレに入る事は出来ない。姉が言うには家を出る時は何もなかったそうだ。つまり、このトイレの中で何が起きたのかは誰も分からない……。



トイレの中でうんうん唸っていてもしょうがないので、水を流して、トイレから出る。


手を洗い、姉の部屋で話し合いをするが、さっぱり分からない。


もう一度、二人してトイレに行き、隅々まで見るけれど、よく分からないので、もう一回水を流して床を見る。



そして、原因が分かったのだ!


何と、便器と床の繋ぎ目から水が溢れてきているではないか!



私はそれを見て、原因が分かり、すっきりしたので、お風呂に入る事にした。


でもその前に、母にこの事をメールで知らせ、明日は日曜日で無理だろうから月曜日にでも業者を呼んで貰う事を伝える。


明日の日曜日は様子見、みたいになったけど、突然の出費は痛いなあ、と思いながらお風呂に入るが、姉が気になる事を言っていた。



トイレを流して出てきた水は少ししか出ていなかったのに、トイレマットがあんなにびしょびしょになるのかな?



その言葉に、私は確かにそうかも知れないと思った。


何しろ、私がトイレで用を足した後に流した時には水は出ていなかった様に思うし、誰もトイレを流していないのに数時間であんなにもトイレマットが滴り落ちるくらいの水が溢れるのだろうか?


そう思うと、少しだけ背筋が寒くなった様な気がした。




そして次の日になり、朝にトイレに入るが床に水はない。


少しは水溜まりがあっても良さそうだが、何もない。床にあるのはスリッパだけだ。


まあ良いか、と思いながらトイレの用事も終わり、仕事に向かう準備に取りかかり、家を出る。


それから仕事場に着き、仕事の合間に愚痴を溢す。


愚痴とは昨日の夜あった事で、トイレの修理の話だ。その他にも話しをしたけれど、あまり覚えてない。



そうして夜になると仕事も終わり、家に帰ってきてトイレを確認。


……異常はない。


あれ、何で? 昨日のは何だったの?



そう思ったけど、何もなく、良かったと思う。……主に金銭的な意味で。

暫くしたら姉も帰ってきたので、トイレに異常無しを伝えると、やっぱり姉も不思議そうだった。

それでもまだ不安だったので、少しの間は様子見をする事にして、暫くはトイレマットは引かない事に。


そして一週間以上経った今でもトイレマットは引いていない。



姉も職場でトイレの事を話題にして、少しだけ納得しそうになった話もあるそうだ。



ウォシュレットの誤作動ではないのか、と……。



確かに、と私も納得しそうになったが、それは無いだろう。何しろ、私の家の便器はちゃんと蓋を閉めるようにしているし、蓋は閉まっていたのだから。


更に言うなら、ウォシュレットの誤作動だと、トイレマット以外の床にも水滴はある筈だが、それは無く、“トイレマットだけ”が濡れていたのだ。


それに、床と便器の繋ぎ目から出てきたあの水は何だったのだろうか?



本当に不可解な出来事だ。


世界は本当に不思議に満ち溢れているんだと感じているが、得体の知れない怖さもある。


ここまで原因も分からない恐怖を味わうとは思わなかったが、今では座敷わらしの悪戯だと思う事にしている。



何故、トイレマットだけが濡れていたのか、この出来事の原因は何なのか、誰か分かる人は居ませんか?



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― 新着の感想 ―
[良い点] 同じような不思議な体験をした人がいて安心しました。 [気になる点] ありません。 [一言]  私の家のトイレマットもビッショリでした。誰かのお漏らしかと思うも尿臭も無く、トイレマットを外し…
[一言] 原因は分かりませんが自分も同じような体験を2度しました。 一回目は
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