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私と彼の関係2

作者: 紫華

この話には前作「私と彼の関係」があります。そちらを先に読んで頂いたほうが、分かりやすいかと存じます。

中学2年の3月。

彼と初めてキスをした。


今までたくさんの人と付き合ってきた彼だが、キスをするのは初めてだったらしい。

彼の【初めて】になれたことがすごく嬉しかった。

私の中で【初めて】のA君がずっと消えないように、彼の中でもずっと私が残ると思ったから。



1度普通のキスをして、そのあと大人のキスをした。



私は前の彼氏A君ともしてたけど、A君とするよりも胸が高鳴っている自分に気付いた。

長い長い大人のキスをしたあと夜も遅いし、もうバイバイかと思ったら、彼からもう1度大人のキスをしてくれた。


別に付き合ったわけではない。

彼にしたら、私は馬鹿で都合のいい女。

だけどどうしようもなく好きで、それと同時に今まで感じたことがないぐらいに幸せだった。


それから会うたびにキスをした。

抱き締めあって、唇と唇を重ねる…。


それだけでこんなに胸が温かくなるなんて初めて知った。

こんなに人のことを愛しく思えるなんて、以前なら考えられなかった。



人は利用するもの


寂しくない程度に付き合うもの



彼にリストカットのことを咎められた。

だけど止められるかどうか自信がなかった。

だけど彼に『またしたら、お前のこと見損なう』って言われたから、したくてもガマンするようにした。

だけどガマンができなくて、足の付け根に彼のイニシャルを刻んだ。

ここなら誰にもバレないから。


中2が終わり、中3になる前の春休み。


私の初めての彼氏、A君が彼女と初体験をしたと彼から聞いた。

不思議と悲しくは無かった。


この時、男子の間では「童貞卒業ゲーム」というものをしていたらしく、彼も「したい」と言ってきた。


「したい」ということ自体は、前々から言われていたけど、彼は私の心の準備ができるのを待ってくれた。


私の中でも、【初めて】は彼と・・という気持ちが多くなっていた。

怖さももちろんあったけど、それ以上に彼と結ばれたいという気持ちが勝っていた。


A君が「童貞卒業」した1週間後。

私と彼は結ばれた。


場所はお金のない中学生らしく、カラオケボックス。

騒がしいはずなのに周りの音なんて少しも耳に入らなくて、自分の心臓の鼓動と彼の荒い息遣いだけが少しの痛みと結ばれたという感動と共に、記憶に残った。


だけど現実はそう甘くなかった。


2回目に結ばれたのは、6月頭の体育祭の打ち上げの後。

自分のクラスより、私のクラスの方が仲のいい人が多いからと彼は私のクラスの打ち上げに参加した。

「危ないから送っていくよ。」

と言ってくれた彼の自転車の後ろへ・・。


そのままクリスマスの時の公園で、結ばれた。


その次の日、彼は1コ下の後輩と付き合いだした。


すごい悲しくて悲しくて・・

だけど彼女でもないのに体の関係になるのを了承したのは私だから文句は言えなかった。



それからも彼は何人も彼女を変えて、気に入ったり、迫られたりしたら体をひとつにしていた。



その間私はどんなにつらくても彼の側にいたくて、良き相談相手として、もしくは彼の欲望の捌け口として、誰よりも長く彼を見つめ続けた。

彼と並べるぐらいのイイ男に告白されても、頑なに断り続けた。




だけど、揺らぎかけたことだってある。

彼の瞳に私が映ってないのが分かってるから、悲しくて愛が欲しくなる時もあったから。



私は彼のことについて相談を皮肉にも元彼氏のA君にしていた。

A君と彼は親友だから彼についてよく知ってるから。


そして、ある日言われた。

「あいつ(彼)はお前のことを、都合のいい女だとしかおもってないんだよ!そんなんじゃお前幸せになれないよ・・。・・・・・・俺とやり直さないか?」

A君とはお互いに他に好きな人が出来てしまったというだけで、嫌いになったわけじゃなかった。A君も私を嫌っているわけじゃない。むしろ好いていてくれていた。


だからこうして私のことを心配してくれていた。


だけど私はA君からの申し込みを断った。

私には彼しかいないと思ったから。


私のことを見てくれなくてもいい。

まして、彼女になんてしてくれなくていい。

私は彼の隣りにいるだけで満足なのだから。



そう決意しても、決意が揺らぐぐらい悲しい時のことのほうが多かった。



私は自分が望んだとおり彼の隣りにいる。

だけど彼の瞳には、私の姿は映らない。

まるで私なんか此処に存在していないかのように・・。



誰よりも長く彼を想って

誰よりも長く彼を見つめて

誰よりも長く彼の隣りに居て



だけど・・



誰よりも1番彼から遠い。












読んでくださりありがとうございます♪この先も書いていくのでお暇ならば読んでくださいませ☆

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