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目力令嬢ステラは巻き戻りに気付かない  作者: 青木薫


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1.ステラ・ハーロウ(2度目の人生ちゅう)

目にとめていただきありがとうございます。


一度短編で投稿したのですが長かったので連載にしました。どうぞよろしくお願いいたします。

 17歳のステラ・ハーロウ伯爵令嬢は美しい。


 艶々と輝く波打つ黒髪に陶器のように白く滑らかな肌。小さな唇は赤い果実のよう。中肉中背の範囲内ではあるがやや小柄で、守ってあげたくなるような線の細さがある。


 そして何と言ってもその瞳である。北の森の針葉樹のような青味がかった深い緑色。長い黒い睫毛に縁取られた、美しい瞳。まあ、理由あっていつもは眼鏡をかけて隠しているが。


 さてハーロウ家の当主である父テレンスは、一人娘ということもあり、ステラをそれはそれは愛し、大事にしている。


「ステラ!お土産のお菓子だよ!


 会議が早く終わったから街に寄って買ってきたんだ」


「まあお父様、ありがとうございます。


 でもこんなに毎日お菓子を食べていたら健康に悪いわ。


 それにうちのシェフの素晴らしいお菓子も味わいたいので、せめて2週間に1度くらいにしてくださいませ」


「ええ〜…わかったよ…」


 毎日ステラに可愛い可愛いと言い、隙あらば甘やかそうとする父テレンスであった。


 しかし母アグネスは甘やかしすぎることなく育てた。


「ステラ、あなたは確かに美しい。


 けれど、心根が美しくなければいつかそれは表面に現れるものですよ。良いこと?」


「はい!」


「努力することを忘れてはいけませんよ。


 努力をする人は他の人の努力それに気付けます。


 お互いが尊敬しあえるよう、まずは自分自身が精進なさい」


「はい!!」


 こんな感じの伯爵家ではあったが、きちんと努力し、公の場で立場に相応しい行動が取れればそこまでうるさく言わない家だったため、ステラは案外伸び伸びとすごした。 


 外見に反してよく食べよく眠り、適度な運動で体力もある。


 外ではお淑やかだが家では朗らかだし、時々は勉強の後にソファに寝転んで本を読んでいるなんてこともある、普通の令嬢。


 こうして立派なレディに育ったステラ・ハーロウには、17歳の今、婿に来てくれる予定のウェリントン辺境伯家の次男アーネストという素敵な婚約者もいる。


 しかしステラには秘密があった。それはこの人生が2度目であるということだ。しかも、ステラはそのことに気付いていなかった。

お読みくださりどうもありがとうございました。


2話目は明日の夜までに投稿する予定です。

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