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リメルデの採取

 安息日が終わり、中心球に行かない二週間が始まる。それでも、門下内の講義は関係ない。復帰したらすぐに遅れを取り戻せるように、むしろ進度が速くなるぐらいだ。

 そして今日は「杖」を採りに行くらしい。


「杖、ですか?」

「これだ」


 サンガは自分の着物の帯から、畳んだ状態の指示棒のような長さの杖を取り出した。なめらかな白い石のような素材で、光を照らせば当たったところがきらきらと細やかに虹色に反射する。


(曲がった真珠を練ったみたい……)


 一番にそう思う辺り、サキはアウネシア人である。


「正確にはリメルデという。繋力が固まった繋石がさらに放置されて化石となった鋼繋石(こうけいせき)でできていて、硬く、属性粒子がほぼ分解されて流動気と完全に同化しているから、基本的にはどの者の繋力とも相性はそこそこ良い。が、やはり化石になる過程に偏りがあるので、皆こうして自分用のリメルデを持つ。リメルデは巫具と同化して、自分の意図のままに操ることができる。覚えたいと思って、繋力を込めつつ物に触れたことがあれば……」


 サンガがリメルデを握ると、それは白い小さな刀になった。何かの枝を尖らせるのに使いそうな、刃の小さいものだ。


「形が覚えられればこのように、形を変えることもできるが、これは原則急ぎで切羽詰まった時しかやらないようにしなさい。これは軽くて扱いやすいし、繋力による不随意運動にもほとんど影響されない」

「素晴らしいじゃないですか。なぜですか?」


 本当に疑問だというように、ヨルザが問いかけた。


「だからこそだ。ただでさえ私達は体力がないんだ。体幹も緩く、調子の悪い時などは安定して物を使うことも難しい。そういう時に楽ばかりしていれば、やがてできていたこともできなくなる」


 常に鍛え続けるのだ、と言って、彼はリメルデを元の杖状に戻した。


(なるほど。あえて手作業でやることも大事なんだ)


「カルンサをまといなさい。〈裏〉に行く」



(〈裏〉に行くの、初めてだな)


 これまでには額の〈目〉を開けて〈裏〉を見たことはあったが、眼帯の役割もある額環をつけてからはそれも無くなったし、実際に行くのは初めてだ。


「生身のまま複数の世界を移動できる巫子といえど、〈裏〉に長時間いると影響が出る。なるべく速く終わらせるぞ」


 サンガとモリテは玄関から出て、正面の丘に登る。三人が次いで登ると、両親は繋石を握って繋力を込め、虚空に次々と貼っていった。


「それは?」

「〈裏〉から戻って来やすくするためのものだ。本来なら繋力は〈裏〉にあるものだから、妙な力が働くのか行くことはできても戻る場所を見失うことが多いのでな。……凱旋道(巫士達が出陣するのに使う大通り)の端にはもっと大きい〈戻り扉〉がある」


 円状に配置されたいくつかの繋石から繋力の線が出てきた。複雑に絡んで、何かの陣を形作る。人の頭が入るか入らないかぐらいの大きさだった陣が、正確には六つの繋石がすっと広がり、丸い扉のような大きさになった。そして、陣の線はさっと消えて、そこだけゆらめく油膜のようになる。


「この油膜に見えるものは、三世界を隔てる壁のようなものだ。普段は見えないが、それを露出させることで目印にして帰りやすくしている。……生者は弾かれやすいので、力を込めて通り抜けるのがコツだ」


 肩から体をねじ込むようにして一行はその扉を通った。


(うん?)


〈表〉から〈狭間〉に行く時とはちょっと違う感じがする。肩がすり抜けるその瞬間、何か歯が浮くような感覚の切り替わりが起こった。触覚が鈍く遠くなって、痺れたような感じになっている気がする。


 目の前に広がるのは、森の中でふいに開けた草原のような景色だ。しかし、踏む地面が柔らかく、草とも呼べるかどうかわからない緑と、自分の足とが色だけになって溶け合っているように見えることで、ここが生者に似つかわしくない場所だとわかる。手を見れば、身体の輪郭が自分の繋力の薄青に光っている。その光がかろうじて自分の形を保ってくれているのだと直感で理解した。


「へぇ……」


 空を見れば、太陽も出て明るいのに、星々も月もある。不思議な光景だ。神話か何かに出てきそうだ、と思う。


「揃いましたし、行きましょうか」


 リメルデの素材があるという輪郭のぼやけた森に向かう。白い石の洞窟があるらしい。


(〈不動三角形〉はあるのかな)


〈不動三角形〉とは海の民であるアウネシア人が、夜の航海で方角の指針にする一晩中動かない三つの星だ。歩きながら、サキは左手の親指から中指を立てて、天球の真上の星がかたどる三角形に合わせた。そこから目立つ明るい星を指で辿る。


「……星と月は〈表〉と同じみたいですね」

「そうか?」


 ヨルザが不思議そうに訊いてきた。あまり注意して普段星を見ていないのだろう。まあ、これほど頻繁に星を見る習慣があるのはアウネシア人以外サキも聞いたことがない。


「ふふ……夕暮れに星が見えてから朝まで全く動かない〈不動三角形〉っていうのがあってね、そこにこうやって指を合わせて、北側の角になってる星から今の位置の星座を繋ぐように辿って、時間と距離を測るの」

「そんな方法があるんだ……」


 感心したようにシニエが呟いた。


「……私の同期にアウネシア人の者がいるが、巫士の任務でそのようにして方角と距離を測っていたな。サキのように若くても、その方法は伝わっているのだな」

「アウネシアの男達は一年の半分は海、魚が大量に現れるヨーミ・タウヤで過ごしますから。私達巫子もついていくんです。一つ下の友人によれば、島の民によって少しずつ辿る方法と指針とする星が違うらしいです。……マネストのやり方は、もう私しか知る者はいません」

「そうか……」


 それきり、皆は黙々と歩いた。ふと見ると、洞窟の目の前である。何もかもが輪郭のない〈裏〉で、そこだけがしっかりと「ある」感じがして、ちょっと面白い。


「では、そろそろ採集を始めましょう。真正面に見えるのが鋼繋石の鉱脈です。ここで質問ですけれど、繋石ができるのは、繋力にどういう性質があるからですか?」


 サキの軽い思いつきから始まった会話のせいで何とも言えない雰囲気になってしまったのを察してか、モリテが空気を切るように言った。


「繋力は動かさなければ簡単に冷え、固まっていきます。〈裏〉には魂を浄化し、再び生まれ変わるのに相応しくする機能が備わっていますが、それは魂が繋力の満ちた〈裏〉を通り、繋力を動かすことで成り立っています。魂が通らない澱みには、だんだんと冷えた繋力が固まり、結晶となったのが天然の繋石です」

「シニエはもう少し表現を簡潔にした方が良いですが、概ね正解です。それがさらに澱みが濃くなって、長い時間放置されたものが鋼繋石になります。サンガも言った通り、中の属性粒子は分解されているので、偏りはあれど全ての繋力に合うことができるのはそのためですね。では、サキ」

「はい」


 完全に講義の態度になっているモリテに頷く。


「鋼繋石はなぜ、単体の結晶で見つかることが少ないのでしょうか?」

「えっと、推察で良いですか?」

「もちろんですよ」

「属性粒子と流動気は惹かれ合うという性質があるので、繋石も同じく属性粒子のより濃い淀みに惹かれ、固まった状態で化石化するのではないかと思いました」

「正解ですね。よく流動気と属性粒子の関係を覚えていましたね。その淀みは〈茂み〉ということがあります。よく巫士の乗った霊獣がつまづくからでしょうね」

「多分それは、イナーグアさんが属性粒子欠乏症の話をされたからだと思います。あのおかげで、記憶にこびりつきましたもん」


 ヨルザがそう返したので、モリテはクスクスと笑った。


「あら、そうなのですね。少し説明の手間が省けました。では、各自洞窟に入っていってください」

「見つけるにはどうすれば良いですか?」

「巫具の魔霊にお聞きなさい。一目でわかるはずです。採ったら、巫具に押し付けて魔霊に馴染ませてください。同化するのは巫子ではなく魔霊ですから。外に近い方が〈風〉で、そこからは〈領域〉の強さで決まります」

「やってみます」


 洞窟はサキの身長より少し低い高さだった。少し屈んで入ると、その端の方は枝のような鋼繋石が突っ立っているような格好で、サキ自身は見たことがないけれど、村の者達がいつか言っていた大陸にある鉱脈のようなものだろうか、と思った。


(それにしても暗いな)


 あまりにも辺りが見えないので、槍から魔霊に半身を出してもらう。


 ——其方は私を光源か何かのように思っているのではないか?

 ——周りが見えないからだよ。それに、師母さんに魔霊に聞けって言われたからね。

 ——否定はしないのか。


 ぼやく声が聞こえたが、あえて無視する。


「あった!」


 ヨルザが叫んだ。閉塞した空間なので、その声がわんわんと反響して耳に来る。


「……何?」

「あったんだよ。俺のリメルデが」


 ヨルザが視線を一心に向けている石の枝を見てみたけれど、何の変哲もない。他の枝と同じで、光っているわけでも色づいているわけでもない。


「本当に他の人には見えないんだね」

「らしいな。取るか」


(……〈水〉のところに行くか)


 枝を折って、きらきらした瞳でそれを見つめてまだ興奮しているヨルザをさりげなく無視して、サキは洞窟を進んだ。

 〈水〉のところは全体が少し青い。さっきと違い、うっすらと光っているように見える。多分どこかにあると思って見回していると、魔霊が囁いてきた。


 ——あれだ。最も私と相性が良い。


「……あった……」


 言われた通り一目で分かった。それはしゃっきりと真っ直ぐ立って、青い炎のように光って揺れている。

 駆け寄って傍らにしゃがむ。包み込むようにして手に取れば、青い炎のように見える枝は手を透かして、もぎ取ってしまうのが勿体ないほど美しい。


 ——疾くそれを、私に。

 ——わかってる。


 これは、魔霊のものなんだ。

 その思いが天命のように頭にひらめいて、枝のもとに足をかけたサキは力を込めてリメルデを折った。青白く燃える枝を、巫具の紋様に染み込ませることを考えて巫具に押し付ける。リメルデは一瞬抵抗するように強く光った。抵抗に負けないようにぐっと力を込めると、枝は溶けて、巫具に染みこみ始める。


 ——くっ。


 七割ほど同化したところで、魔霊が息を漏らすのが聞こえた。


 ——どうしたの?

 ——いや、何ということもない。完全に取り込むまで待っていろ。


 ほどなく、手から溶けた感じがなくなって、一瞬巫具が輝く。取り込みが終わったらしい。


「お前も終わったか」

「シニエ」


 シニエが〈火〉のところから出てきた。


「戻ろう」


 まだ巫具に押し付けていたヨルザを半ば引きずるようにして、二人は洞窟を出た。



 門下に帰ってきて、ロタンヨマの族長で裁定巫であるキラナの裁定所に行くサンガを見送った。先日のアヒノとサキの件を片付けるためだ。


「なるべく早く帰ってきてくださいね」


 モリテが心配そうに見上げて、サンガがふっと笑う。


「安心しろ。私の家族にとって最善の結果を得てきてやる」

「あなたが危うい橋を渡るのが目に見えますよ。無難にね」


 頷くように笑ったサンガが移送陣に乗って消えて、その後を見るモリテの瞳が信頼で輝いているのを見て、やはり二人は夫婦なのだと思った。



「リメルデを巫具から取り出すには、魔霊に聞いてから、こうして……」


 講義室の教卓に座るモリテは自分の巫具である鉤のついた大きな針から、まるで粘土をちぎるように白い石を取り出した。ぎゅっと握れば、何も加工されていないようなただの石は消えて、精巧に彫刻が施された指示棒のような長さになる。


「これが基本の形です。魔霊の依代の一部を借りて使うような感じですから、魔霊が求めれば返すことが一番重要ですね」


 ほう、と頷きながら、サキは巫具の槍の穂先に指を這わせる。


 ——もらうよ。

 ——ああ。


 そのまま柄に向かって引っ張ると、ぐにっと槍の木目が伸びる。あるところでちぎれた。横を見れば、真似してヨルザとシニエも手にリメルデの原石を持っている。


「早いですね。では、一番持ちやすくて扱いやすい棒の形を想像して、握ってみてください。ちなみに、わたくしはこのようにしています」


 モリテが指先でつまむようにして見せた先端に向かってほっそりと伸びた白い棒は、ちょうど持ち手のところで捻られたような斜めの紋様がついている。それがそのまま、なめらかに指に沿うような凹凸を模っていた。

 形を模索するためにとりあえず両手でこねてみようかと思い立って、サキは片手に持っていた槍を自分の肩口に立てかけて、穂先を前に向ける。


 ——私にいつも触られる者としてどう思う?

 ——……ふむ、私の依代が長いせいもあるかと思うが、私は其方の手の中で滑っているのを感じることが多いな。たまに舞っている時に私を落としそうになるだろう? 其方は握力が弱いようだから、指の関節に合うような突起を作ってみたらどうだろうか。


 意外に具体的な答えが返ってきたので、サキは目を瞬かせた。


 ——よく見てるね。


 素直にサキが褒めると、魔霊はすっと視線を逸らした。


 ——伊達に七年も……其方が村を離れることになっても、其方の魔霊をやっているわけではない。


(なるほど。やってみるか)


 魔霊が言った形を想像して、リメルデの原石を繋力を含ませて柔らかくした。水底の泥を掬い取ったようになってしまった、なめらかな石だったものを、繋墨を作った時のように手の根元で練って、摘んで引き伸ばす。


「できました!」


 言うと、モリテが近づいてきた。リメルデの中に含ませた繋力を抜いて、硬くなったのを、摘んでみせる。触れずに目でじっくりと検分したモリテは、一つ頷いた。


「手によく合って、使いやすそうですね。では次は、このお盆のものを触れて獲得してください」


 サキの目の前の台に盆が置かれる。そういえば講義室にいるのに座っていなかったことに気づいて、座敷に座った。何の属の繋力にも染まっていない繋石でできた精巧な器物がある。矢立に、さっきサンガが見せてくれた細工刀、そして、よく分からない巾着袋があった。


「師母さん、この巾着は何?」

「中を見なさい」


 中に手を突っ込んで探って出すのがまどろっこしかったので、ひっくり返して盆に中身を出す。真珠のような柔らかい輝きを帯びる鋼繋石の輪に、呪帯を刺繍した布綱が複雑に絡まっている。


(くつわ)と手綱?)


「巫士をやるなら、いえ、成人団員として巫子守で暮らすには必須な交通手段の、霊獣を従えるのに必要なものです。これはリメルデには変形させませんが、繋げておくことで簡単に御することができるようになります。霊獣の取得は夏ですから、それは持っておいてよろしくてよ」

「はい」


 手綱を後回しにして、ちょっと繋石製の矢立を開けて見てみる。内蔵の筆はその穂まで繋石を細く削ってできていた。触ると普通の筆と遜色なく柔らかい。


(すごいな、これ。誰が作ったんだろう)


 左手に持ったままのリメルデを握って繋力を流してみると、もうすでにそれには繋力が通る血管のようなものができていたようで、いくつか中に筋が光る。その全てにまんべんなく繋力が行きわたるのを想像しつつ、サキのリメルデは矢立に触れた。


(おお……)


 矢立の端が吸い込まれるように形を歪ませる。そのままリメルデはぐいぐいと吸って、あるところでするんと吸い込まれて矢立が消えた。


「え?」


 困惑して目を瞬く。これで形が記憶されたのだろうか。先ほどのサンガのように、ぐっと握って矢立をリメルデの中に見てみる。


「わ!」


 その通りのものが手の中にあった。墨壷は空だったから、繋墨を入れれば使えるのだろう。


「そんなふうになるんだ」


 目を丸くしてヨルザ達も見ていた。


(面白い!)


 リメルデが繋石をぐいぐい吸う光景を見るのが楽しくて、小刀も吸い込んでみる。ほどなく小刀も獲得できた。手綱が入った巾着を後で自室に入れるために懐に収める。


「やはり、巫子業を実際にしていた巫子は繋力の扱いが上手いのかしらね」


 モリテがそうぼやいていた。



「師父さん、おかえりなさい」


 紛い空に映る太陽が西に沈みかけて、門下郷を赤く染める頃、サンガが帰ってきた。


「……どうでした?」


 皆とともに駆け寄ったサキが躊躇いつつ訊くと、サンガは少し困ったように笑った。


「どうもすんなりとは行かなそうだな。でも二週間はとってあるから、それでなんとかするつもりだ。……気に病むな」


 サキの頭に、サンガは優しく手を置いた。


「これはお前のせいではない。たとえ振り返れば遠因を作っていたとしても、実際にお前に危害を加える決断をしたのはアヒノだ。それは必ず主張するので、私に任せておけ」

「……はい」


 ぺちっ、と、クミルが突然手を叩いた。


「さ、ご飯にしよ。師母さん、今日はお酒は?」


 後半をモリテの耳に寄せて、クミルが言った。


「そうね。労いに少し準備しましょうか」


 会話を黙って聞いていたカイヌと連れ立って、ヨルザとシニエも、ぱたぱたと台所に駆けていく。


「あ、私も手伝うっ!」


 サキも土間に降りていく。身支度を整え終わった時には、一足先に土間にいた三人はすでに調理に入っていた。


「ちょっ、お前、尻が邪魔だぞ」


 ヨルザとシニエが向かい合う位置にある米炊き用のかまどとおかずを作るためのかまどの火を強めようとして、通路を塞いでいた。サキはそれを飛び越えて、クミルのところに行く。


「そりゃしゃがんでるからな! じゃあ立ってやるか?」

「今度は腰が痛ぇよ」

「馬鹿なことやってないで、ちゃんと手伝ってよ。あんたたちの間を通り抜けるの、大変なんだからね!」


 三人を後目に黙々とカイヌは野菜を油で炒めている。往来で笑いをとる珍しい型の旅芸人みたいだな、とちょっと思う。

 クミルは和物を作っていたが、「何かしてほしいことはある?」と聞くと、酒の瓶と盃を渡された。


「サキ、ちょっとこれ食卓に持ってって」

「わかった」


 小さい盃を二つ指の間に挟み、酒瓶をもう片手に持って、おしくらまんじゅうのようになっているヨルザとシニエの尻の間を越える。


「よっと……師父さん師母さん、お酒」


 酒瓶と盃とをことりと置いて、「注ごうか?」と聞く。


「いや、私たちは大丈夫だよ。それより、子供達に食事を作ってもらうのがどうにも申し訳ないんだが……」


 立ちあがろうとしたサンガに、台所からクミルが制した。


「師父さんはだめだよ。ちゃんと休んで。ほら、サキは二人を座らせてて」

「……く、クミルの言うとおりだよ。座ってて。私、手伝いに行ってくるから」


 必死に言うと、なぜか二人はにこにこしている。恥ずかしくて、「はいはい」というモリテの返事を聞きつつ、逃げるように台所に戻った。

 


リメルデは使用頻度は少ないですが、いざという時に役立つようなものです。

次は、連絡手段を作ります。

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