【プロットタイプ】健全で歪。それでいて普通
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
どう、なんだろう。私の親。
でも行き着く先にあるのは、
健全で歪。それでいて普通
だと思います。
鏡花と両親の話を時折聞くが、『健全で歪。それでいて普通』という言葉は良く聞く。例え言葉は違っても、似たような意味の言葉を必ず連ねている。
「最近はさぁ、毒親って言葉が軽々しく使われ過ぎてるよ」
今日も幸江一号を膝上で愛でていると、そんな会話が耳を抜けた。
毒親、子供にとって害となる親の事を指す言葉。今では現実でもネットでも極めて短絡的に使われる様になった言葉である。そうして浮かべるのは、自分の親ではなく、義両親の事だった。
俺の見解と鏡花の意見を合わせると、以下の様に纏められる。
・俺にも鏡花にも過干渉、出過ぎたところがある。
・拘りが強くて、鏡花がはみ出そうすると、『私がやるから』と制止が掛かる。
・虐待紛いの事をされた事もあるが、背景を気にすると普通の親。
彼奴が『健全でいて歪』という言葉で纏められるのは、彼奴が一歩下がった状態で、極めて俯瞰的に物事を下せる性格と理性があるからだ。場面が変わればきっと『毒親』というレッテルが貼られていた事だろう。
「毒親になるかどうかなんて、親がどれだけ頑張っても、子供が勝手にレッテル貼っちゃうものなのにね。親が必至に『良い親』になろうとするのは良い心掛けだけど、其れでピリピリしたら本末転倒だよ」
仄暗い双眸。その裏には一体どれ程の事柄があったのか、俺には分からない。ただそこまでの達観を得るには、今のままではやや早い気がした。
蚊帳の外でいる俺が気に触ったのだろう。ぐるりと此方を振り向くと、俺の方へ大股で歩み寄って来た。そのまま何時もの様に『興味持たない?』だの『そろそろ加わって来なよ』だの言い放つかと思われたが、全く別の事をする。
「……母、人形嫌いだったな……」
そう言ってその場で膝を折り、横抱きにされているマネキン、幸江一号の顔に手を伸ばす。スルスルと頬を撫でた跡、瞳を覆うようなまつ毛をはためかせ、静かに溜息を吐いた。
「お前の、両親は」
「何時も言ってる通りだよ。健全で歪。それでいて普通。それ以上でもそれ以下でもない」
ただそれだけを言った。
最近皆、『毒親』ってカジュアルに使い過ぎ。
ちょっとでも気に入らない事があると、すぐに『毒親』って言い過ぎ。
本当の毒親って、子どもそっちのけで彼氏彼女と遊んだり、ネグレクトしていたり、痣が出来るほど殴ったり、そういうの。
まぁほら、虐待って奴。
日常的にフラッシュバックと鬱病発症するレベルの。
私の中では大体それ以外は普通の範疇。
完璧な人間がいないように、完璧な親もいない。
されて嫌だった事しないようにしても、結局に似たようになってしまう。そんなもん。
勿論、上記以外でも見せられたら『毒親』って叫ぶものもあると思うけど。
親からされて嫌だった事なんて浴びる程あるよ。
散々、それこそ些細な事でも殴られたし、趣味を否定されるの当たり前だし、今も昔も行き過ぎた過干渉のきらいがあるし(多分、支配欲と強い拘りが原因。あんまり好きに出来ない)。
でも別に、されて良かった事がなかった訳じゃない。
気に入るかと思って貰ったプレゼントとか、行って喜ぶと思われたテーマパークとか、鬼の形相でやった自転車と練習とか。面倒見悪くて叱られたこととか。
背景思えばただの親心だった。ただ何時もちょっと焦ってる。
そんなの親の視点から見れば健全だけど、子供の視点から歪なもんだよね。
でも俯瞰的に見てみれば、傷とか歪みも含めて『普通の親』の範疇なんだよ。
ガチで『人生壊された』っていうのが毒親レベル。
そうじゃないなら貴方は普通の親だし、普通の親の元に生まれた普通の家庭環境ですよ。




