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僕の可愛い女の子 ①

下腹部にひんやりとした自分の体液を感じながら、ぼんやりと天井を見つめていた。


もしかして、今日学校に行ったら〇〇さんが優しく僕に声をかけてくれるのではないだろうか。

あの制服を押し上げる胸を僕に近づけながら、耳元で「好き。」などと言ってくれるのではないか。

夢で見た彼女を思い出すだけで、熱くなった聖剣が冷たくなった夢の残滓を貫きかき回していく。


トタトタと廊下を歩いていく妹の足音が聞こえた。

『やばい、少し寝過ごしてしまった。』

僕は小走りに洗面台に向かう。

急いでパンツを脱いで、下腹部と少し固くなっている先端に付着した、ねっとりとした液体を脱いだパンツで拭った。

突然、洗面台の隣りにあるトイレから、ザッと水の流れる音が響いた。


!!

まだ新しいパンツを履いていないにも関わらず、そのドアが開いていく。

出てきた妹は、少し驚いたように後退りして、目を丸くしながら僕の下半身を見つめている。

その目がスッと細くなり、毒のある言葉が僕を刺していった。


「何やってんの!」

「馬鹿じゃないの!」

「おねしょをするのは勝手だけどっ!、朝の雰囲気を壊さないでくれる!」

「それをいつまで見せてるつもり!?」

「いい加減に隠すとかしたらどうなの!?」


「まったく、こんなお兄ちゃんなんか恥ずかしくて誰にもみせられないよ!」

「ほんと〜に、バカッ!!」


「お母〜さ〜ん!、お兄ちゃんがバカなこと〜〜!・・・・・・〜〜・・・」

妹は母に報告をしながらリビングのドアをしめた。

僕は新しいパンツを履いてから、慣れた手つきで汚れたパンツを洗った。


リビングのドアを開けてから、妹と母・・・

この家の女性たちに言い訳をする。

「いや・・・、朝シャンをしようとしてたんだよ。」

なんとなく気まずく、二人の顔を正面から見ることはとても出来なかった。

どうしょもない変態を見るようなじっとりとした目つきだった。

少しでも早くこの場から立ち去るべく、急いで朝ご飯を食べて学校に向かう。

今日は寝坊したにも関わらず、ずいぶん早く家を出ることになった。


後は、同じ学校に通う妹の口から、今日の出来事が世間に広まらないように祈るのみだった。

廊下に設置されたいくつも並んだ水道の前に、先日夢にまでみた大人の体型の〇〇さんがちょっと悪そうな女の子の仲間と笑っていた。


「〇〇さん・・・、おはよう。」

僕が声を掛けた事に、彼女の周りにいる仲間の女の子たちの方が驚いていた。

今からこのモブに対して、毒の塗られた舌鋒の矢が降り注ぐのだ。

自ら望んで死地に飛び込んでくる、頭の悪さに驚いている。


彼女は僕にニッコリと微笑みながら声を掛けてくれた。

「〇〇! おはよう。」

「今日は、昨日のことを謝りたかったんだよ。」

「お前がクラスメートのことを考えて、一生懸命に話掛けてたもの知ってるんだよ。」

「なんか◯◯が急にカッコ良くなっちゃったんで、悔しくて、なん淋しかったんだよ。」

「朝シャン、またして来いよ。」

「もっとカッコよくなったら、付き合ってやってもいいぞ。」


からかう言葉は殆ど同じだったが毒の代わりに、『もしかしたら未来には・・・、』と広がりをもたせるような惹き付けていく話し方だった。

まるで針による治療のように刺さった心に、じんわりと嬉しさが湧き上がり広がっていった。

僕は嬉しさで顔を輝かせながら、〇〇さんと笑顔で笑いあった。


「うっわ〜!キッモォ〜〜ッ!!」

「リップサービスに決まってんじゃん。〇〇は喜び過ぎ〜〜!」

「www〜〜wっ!!」

彼女の代わりにその取り巻きが、僕を毒に犯した。

全く、折角の気分が台無しであった。


だが、教室に入れば・・・。

ガラッと扉を開く。

そこには大好きな隣の女の子がいる。

「〇〇さん、おはよう。」

けなされたばかりではあったが、努めて明るく彼女に声を掛ける。

「おはよう、〇〇くん。」と返してくれる彼女は、今日も素敵だった。

すっかり魔法に掛けられてしまった〇〇さんにも明るく挨拶をする。

ニッコリと微笑んでくれる女の子たちは、どうしてこうまで魅力的なのだろうか。

その存在と笑顔だけで、僕のズボンに隠された、意志ではどうにも出来ない生命体が、深呼吸をするように伸びやかに育っていってしまう。

僕に断りもなく存在感をアピールする股間を、僕は内股になりながら必死で股の間に挟んでいた。

〇〇さんもずいぶん明るくなっていた。

話しかけた僕のせいではないだろうが、成長期の彼女が、蛹から蝶へと進化していくような劇的な変化を見せるようであった。



つづく

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