悪夢〜傷と変化〜
お久しぶりです。一週間ぶりですね。
…すいませんでした。
(あれ?ここは…いつの間に眠っていたんだろう)
『なんなのあんた…近寄らないでくれる?』
…ああ、“また“この夢か…
(いやだなぁ…せっかく新しい仲間が出来たっていうのに…いつまで過去の事の傷を引っ張り続けているんだろう)
これは悪夢だ。
いつまでもわたしの中に存在する傷、それが見せている悪夢。
(確かいつも通りなら…)
ゴトッ…
(嗚呼、やっぱり)
わたしが下を向くと、そこはいつの間にか崖になっていて。
…少しずつ、崩れていっていて…
露骨に、『今から落ちますよ』と言っているみたいに、わたしが立っていた所も崩れそうになっていた。
(また、見捨てられるんだな)
これは、わたしが周囲に見放されて独りになってしまったが故に見ている悪夢だ。
そんな夢で、わたしを助けてくれる人なんているはずもなく。
(やっぱり…か)
今日の一件で(何か変わらないかな)という淡い期待も抱いていたけれど、そんな期待も裏切るかのように、一人、また一人と。
見知ったはずの人物が消えていって…
ガタッ…
最後に残っていた一人が消えたところで、わたしが立っていた所も完全に崩れてしまって…
最後に伸ばしていた腕は、まるで一筋の希望に縋るかの様に……
…掴まれる筈の無かった腕は、崖の上から伸ばされた腕に、確かに掴まれていた。
(え?)
それも一人分の腕ではない。
四人分…
グイ
と、引き上げられたわたしは、再び意識を失うのだった…
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フィア・ラインハート視点
「み…んな…いかない…で」
「黄躰さん…」
黄躰さんがうなされはじめてから何分経っただろうか。
現在は配信も終わり皆解散の準備を始めたあたりだ。
「黄躰君の調子はどうだい?」
今回は車で事務所まで来たので、必然的に運転手である慎さんの準備が終わるまでは各々自由行動をしている。
「まだうなされてますね」
「そうか…」
黄躰さんは配信が終わった瞬間系が切れたかの様に眠ってしまった。
歌織さんが言うには『緊張してたみたいだし安心して眠っただけだと思うよ〜』との事だったので、しばらくしたら起きるだろうと思っていた。
が、しばらくすると悪夢でも見ているのか、うなされ始めたのだ。
「こちらから起こしても良いんだけど何が原因でうなされているのかがわからない以上下手に起こさない方がいいだろうね」
「そう…ですよね」
自分にも出来る事があるはずなのに、何も出来ていない自分が嫌になる。
せっかく黄躰さんと仲間になれたのに、このままでは何も変わらないではないか。
そんな罪悪感が、自分の中で疼いていて落ち着かない。
「行かないで…独りにしないで…」
すぐ近くにいる仲間に、どんな言葉を掛ければいいのかすらわからない。
ただその手を握っている事しかできない。
「ごめんなさい…」
誰に謝るでもなく、ただ呟いた言葉は、静かな事務所の一角に消えていった。
それから数分、そろそろ各々の配信があるから流石に帰ろう。
という話になっていた頃。
「助けて」
と、黄躰さんがポツリと言った。
その言葉を聞いたえわたしは、何故かその手を掴まないと黄躰さんが遠くに行ってしまう様な感覚に見舞われた。
「黄躰さん…大丈夫です。
わたしがいます」
その手をしっかりと握り、わたしはそう言った。
わたしの手の上からさらに手が握られ、顔を上げるとみんなも黄躰さんの手を握っていた。
そうして、みんなの手が黄躰さんの手をしっかりと握り、少しすると、黄躰さんが目を覚ました。
そして、わたし達の事を見渡すと、わたし達に抱きつき、
「ありがとう…!」
と、言ったのだった。
累計PV数一万!五桁の大台(個人的主観)!皆様本当にありがとうございます!(一週間遅れ)




