SKK <6> 「ヘリクリサム」
新と典賢は、悩みに悩んだ結果、1つの答えを出した。
その、たった1つの冴えない答えとは、自分たちの関係を、告白すること。浮気は、決して許される行為ではない。言ってしまえば、どうなるかも2人にはわかっていたが、2人には、こうするより他なかった。元より、黙ってはいられなった。新達は家へと行き、紅音と涼夏を呼び出した。新と典賢が家に帰ると、そこには、2人が居た。
「おかえり。」
2人は、挨拶すると緊迫感のある態度で、4人掛けのテーブルに座っていた。
「・・・・・・ただいま。」
新と典賢が椅子に腰かけると、典賢があることに気づいた。絵画が、涼夏の飾っていた、アサガオの絵画が額縁はそのままで、ピンク色の花に変わっていたのだ。これは、一体・・・。気になったが、今は早急に事態を対処すべきだと、典賢が話を切り出した。
「みんなに、話がある。伝えなければならないことがあるんだ。」
女性陣は、典賢の真剣さに吃驚していた。涼夏は同時に、物言いたげでもあった。
「実は、僕はうわk・・・」
新が食い気味に口を挟んだ。
「待て、典賢。俺が言う。俺は、この家の3人と付き合ってる。俺は今日を最後に、ここを出ていくつもりだ。」
新の目に、迷いはなかった。が、当然の罰なのだと自分自身では捉えていた。
すると突然、涼夏の口が開いた。
「え?2人じゃないの?どういうこと?私も・・・・・・・・・・・・3人なんだけど。」
紅音は泣いていた。もう終わりなのかと、この関係は続かないものだと、そう思っていた。だが、喋らずにはいられなかった。
「私もだよ。世界くん。涼夏ちゃん。黙っててごめんね。ぐすん。典賢くんは?」
言い淀んだ典賢だったが、答える他なかった。
「その、訳がわからないんだけど、僕も3人と付き合ってるんだ。」
新が、驚嘆する。
「はあああああああああああああああ!?これ、浮気じゃねえだろ。どうなってんだよ。みんな付き合ってんのか?」
典賢が言う。
「愛は人を選ばない。これが、真実の愛の形なのかもしれない。」
「新くんおうち出てったりしなくていいからね。」
紅音は、ほっと溜息を吐く。
「当たり前だろ。俺はみんなが大好きだよ。」
新は、感涙していた。紅音は、嬉し涙へと変わっていた。
涼夏が、典賢に話しかける。
「典賢君。絵画見てたわよね。あの花ヘリクリサムっていうの。もちろん私が変えたわ、私は、薄々気づいてたの、みんなが愛し合ってるって、花言葉は、『永遠の思い出』、『いつまでも続く喜び』どう?アサガオより、素敵でしょ。」
僕らは、非正式に、4人で婚約を結んだ。もちろん、内密だが、これから先も幸せが、ずっと、ずっと、ずっと続きますように・・・。
「これでいいよね。ノンフィクションだけど、この作品はフィクションですって、最後に書いておこうかな。」そう言うと、典賢は、原稿用紙に、考えたことを書いた。その原稿用紙の最初の段落にはこう書かれていた。
好きが加速するこの世界で 榊原典賢
ご愛読ありがとうございました。SKKはこれで完結です。
実は、名前の頭文字が、「せかい」「つねさと」「くおん」「すずか」で、セ〇クスになります。
あくまで、作中作です。私の実体験ではありません。勘違いのないようお願い致します。
次回作にご期待ください。