SKK <5> 「ph7」
新と典賢は、2人で、ソファーに腰かけていた。典賢が話しかける。
「新、こんな話は聞いたことはないかい?『男性は最初になりたがる。女性は最後になりたがる。』もちろん、性的な意味で、だけれど、僕はどちらでもいいと思ってるよ。もちろん、真実だ。疑わないでほしい。つまり、僕は・・・・。なんでもない。」
「何が言いたいんだ?」
と、新。
「その、つまり、最近、新から、いや、世界、君から妙に視線を感じる。ひょっとしてだけど、僕に気があるんじゃないか?」
「・・・・・・。」
新は、だんまりだ。図星だったのだ。返す言葉がなかった。
「いつから、気づいてたんだ?」
「最近だよ。僕、同性愛者。中性だから平気だよ。」
「早速だけど、今晩どうかな?」
「構わないが、俺は初めてだ。」
「僕もだ。楽しみにしておくよ。」
そう言うと、新と典賢は支度をし、家を後にした。
場面は、移り変わり、紅音と涼夏は、買い物の帰りで2人きりだった。
実は、涼夏は前々から、紅音のことを可愛らしい女の子だと、認識していた。歩いていたのだが、目線は、紅音を追っていた。非常に可愛いのだろう。なんなら、涼夏もなかなかの美人なのだが、これがなかなか、おっと、書きすぎてしまいそうだが、この辺にしておこう。スタイルもいい涼夏は、典賢からも、新からも、2つの意味で、好評である。そんな、涼夏に新しい感情が芽生え始めていたのだ。紅音とあんなことをしたい。こんなことをしたい。涼夏もまた、中性だった。涼夏が口を開く。
「紅音ちゃん。可愛いらしいわね。」
ついうっかり、言ってしまったのだ。
反応に困る紅音。
「・・・・ありがとう。涼夏ちゃんも綺麗だよ。」
褒められた涼夏は、大衆の面前で、紅音の唇を奪った。
「ん。」
互いに、声を漏らした。
「ご、ごめんなさい。気持ち悪いわよね。」
「そんなことないよ。『気持ちいい』の間違いだよ。」
百合は、実に美しいのだ。私は何を言っているのだろう。そんなことは、もとより、愛に決まった形など、ないのかもしれない。人を愛することで人は幸せになれるとするのならば、彼女たちいや、彼らは、最高に幸せなのだろう。その後、2人は行為に及んだ。体を求めあい、彼女らは再び、過ちを犯した。
新達は、ホテルから姿を現した。典賢は、悩んでいた。新も同様だった。隠し事はできない質なのだ。
踏ん切りがつけば、この関係を、告白してしまいたいと、そう思っていたからだ・・・・・・・・。
タイトルのph7は、中性と掛かっています。