SKK <4> 「濃厚。濃く、そして厚い」
今日も、典賢と紅音は出かけていた。おそらく、典賢が欲しがっていた、ルービックキューブと、買い出しに行ったのだろう。
涼夏と新は2人きりになった。
2人は、高い所の片づけをしていた。
「ねえ、新君、これ、しまってくれない?」
そういうと、涼夏はしまう物を新に手渡した。新が呼応した。
「わかった。この辺でいいか?」
「そう。そこでいいわ。」
新がしまおうとすると、乗っていたストゥールがぐらつき今にも倒れそうになった。
「おっと、危ねえ。」
新が言葉を発すると、ストゥールが傾き、新が涼夏の上に落ち、唇と唇が触れあい、新の手が、涼夏の胸をがっしりと掴んだ。涼夏が必死に話そうとしたが、口が塞がって、上手く話せなかった。
「ん。ははひへ。ほうひんふひ。ははとへほ。」
おそらく、離して、強引すぎ、わざとでしょと言っているのであろう。
新はすぐに、口を離した。
「す、すまん。怪我してねえか?でかいんだな。」
「でかい?何がよ。あぁ、それはヒミツ。ねえ、新君キス上手くない?もう一回してもいい?」
「は?この状況で断れねえよ。」
2人は、再度唇を重ねた。濃厚で激しかった。2人は最後まで、行ってしまった。
「その、言いにくいんだけど、セフレとかどう?私じゃダメかしら?新君ボクシングやってたわよね。胸板厚いし、腹筋割れてたでしょ。私、そういう体格の男性好みなんだけど、あ、もちろん紅音ちゃんには、内緒よ。言ったら、紅音ちゃん承知しないでしょ?」
「俺には、紅音g・・・。んー---わかった。」
新は苦悶の表情を浮かべたが、断る理由が見当たらなかった。
2人は秘密の関係を結んだ。もちろん、紅音と典賢は知る由もなかった。
この関係をキッカケに、涼夏の化粧は濃くなった。一説によると、化粧の濃い女性は浮気をしている可能性が高いといった、身も蓋もない説があるが、実態はわからない。
典賢と、紅音は買い物を終え、玩具店へと来ていた。
「ルービックキューブあるかな?僕、知育玩具とか好きでさ。その、賢くなりたいんだよね。」
「そうなの?典賢くん。私も、見るのは好きだよ。」
この時、紅音は典賢くんを。とは、言い出せなかった。目当たり次第探していると、店の角にある、変わり種コーナーへと辿り着いたようだ。
「あっ。あったね。六色の立方体。ルービックキューブだ。あれ、サイコロまであるね、これはなんだろう、黒い立方体。・・・まあいいか。なにかのおもちゃだよね。」
「いっぱいあるね。典賢くんルービックキューブできるの?凄いね。」
「あぁ、一面なら揃えられるけど、流石に六面は厳しいかな。あはは。」
「よし、じゃあ、買い物も終えたし、これ買って帰ろうか。」
「うん。」
2人は帰り道へと向かった。典賢は、このままの関係がずっと続いてほしいとそう、望んでいたが、その希望も打ち砕かれようとしていた。典賢は、新しい快楽を求めていた・・・・・・・・・・・。
また、新にも、新たな気持ちが芽生えていた・・・・・・・・・・・・。