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少年と絶対的不運

「おー!ここが俗に言う、学校じゃな〜」「ドライズさん、やけにはしゃいでますね。」「そりゃあの〜本で読んだぞ?スクールラブとか、そなた割と顔も性格もそこそこに良いからもてるんじゃなかろうか?」「どうでしょうね」この学校は寮制度で3年間で卒業出来、晴れて軍に入ることが出来る。この学校で良い成績を残した者は軍の中でもいいポジションに着く事が多くなるので生徒は常に競い合っている。

そもそも士官学校は4つあり、その中でさらにA〜D組に分けられている。

「にしても本当に軍になりたい人間は多いんじゃの」「最も稼ぎが優秀な職業ですからね。高いリスクがある分、リターンは相当なものですよ。」

待機場所で待っているとあの金髪ショートの怖そうなお姉さんが自己紹介を始めた「私の名前はフォルス・バンクス!A組の管理者兼武器術担当だ!」出来ればこの先生は嫌だな。顔面に剣投げちゃったし。その後も教師が続々と自己紹介をした後に、生徒会という人達が現れた。

「こんにちは。現生徒会長3年イサカ・グロウです。1年生のみんな、顕現魔法は初めてかな?」空間の中に出現しているように見える魔法があるなんて思いもしなかった。「生徒会は4校の中の優秀なメンバーから成り立っている。入るのはとても難しいが入ることが出来れば、君の学生生活の大きな糧となるだろう。いずれ生徒会で出会うことを楽しみにしています。さようなら。」この学生生活中に生徒会に入れば確実に強くなれる。そんな気がした。短い挨拶の中で、あの生徒会長はとてつもなく強いことは恐らく全生徒に伝わっているだろう。「それじゃ組の発表をするぞ!」


「以上だ!A組!付いてこい!寮紹介の後は入学式だ!遅れても置いていくぞ!」マジでなんでこの先生なんだろうな……唯一の救いは、例の彼女と同じ組ということだけだ。


「おぉ〜結構綺麗な部屋ではないかの〜」「そうですか?」一人一部屋で良かった。ドライズがとりあえず俺の精神から解き放てるだけでもかなり有難い。


入学式も終わり、初めての授業へ向かう途中の廊下で俺の事を話しているのに気が付いた。「えーマジ?あれが?」「すげーな、先生に剣を投げつけたらしいぜ」「いやどんな不良だよ」「ドジにも加減はあるでしょ」こうして後ろ指をさされていると悪魔と呼ばれていた頃の記憶が蘇る。

「どうする?ワシが黙らせてやろうか?」「いや、いいですよ。俺のやった事は注目浴びる要因ですからね。」「困ってる時はもっとワシに頼ってもいいんじゃぞ?」「ありがとうございます。」

「お前ら!着いたぞ、初めての授業、今日はフィールドワークをしてもらう。出席番号4番ずつで組め。」僕の組む人達はさっき僕を馬鹿にしていた内の1人の女子だった。「アンタ先行きなさいよ。落ちこぼれさん。」「はいはい分かりました。」

「そこ!喋るな!今から日没までに各地に隠された宝を探せ!班の中で分かれることも構わないがゴールする時は全員揃っていないと不可だ!分かったら行け!」


そうして僕ら4人は森へ足を踏み入れた。30分もすれば俺ははぐれて1人になっていた。いや1人にさせられた。「そなた、本当に不幸じゃの。」「まぁそういう作戦かも知れませんね。分散した方が宝は取りやすいし。」一瞬、木々が揺れ、音がした。「今、あっち音がせんかったか?」「はい。見に行きますか……うわぁ!」「なんじゃ?」3メートルはあるだろうか、巨大なキラーベアがこちらを見ていた。「右じゃ!」奴は全力で攻撃してきた。今もしドライズの助言がなかったら死んでいたかもしれない。「なんでこんな所に奴が?」「あいつはなんじゃ?」「キラーベア、Cランクです!俺じゃ多分倒せません!」「じゃあ早く逃げるんじゃ!」「わ、分かってます。でもここで人の居ない方へ逃げたら皆の内の誰かが襲われるかも知れない。」「仕方ないのお。奴の攻撃方向を教えるから回避して叩き込め!ヒットアンドアウェイじゃ!」ドライズの指示はとても的確だったが、見逃していた。「よし!倒しました!」「やったのじゃ!」この時に気付けば良かった。Cランクをこれだけで倒せるのがおかしい事に。「そ、そなた、後ろ……」「グォォオォオォォ」

そう、キラーベアは2体いた。正面から奴の爪を食らってしまった。気が付けば何故か周りでも複数の叫び声が聞こえていた。「ギュオオォオォォォオ」奴は俺の肉を引き裂き、抉った。意識が遠のく。そして俺は思い出す。自分の不運を。そう、俺の不運は、絶対に俺を死なせてくれないのだ。その瞬間、突如辺りに激しい雨が降り、雷鳴が聞こえた。雷鳴は運良くキラーベアに直撃し、さらに引火して山火事が起きた。そこからの記憶は無い。


目を覚ますと医務室だった。先生から話を聞くと、類を見ない山火事が発生し、そもそも存在しないCランクモンスターが生徒達に重症を与えたという。幸い、即座に駆けつけた生徒会と先生によって死者は0名に抑えられた。俺は悉く、自らの無力と不運の絶対性を思い出したのだ。

やっとまともな戦闘シーン来たね

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