少年と入学試験
「そなた、よく眠れたかな?」「あんまりですかね。」何気無い会話をし、僕達は試験会場に行った。
「おはよう諸君!今日は入学試験だ!」試験時間になると、金髪ショートの怖そうなお姉さんが呼び掛けた。「腑抜けている奴は全員落とす!噂では操り人形にされるなどと言われているらしいがそんな噂を信じる奴は全員落とすからな!ではまずは筆記試験だ!軽い常識問題と士官学校の知識を問う簡単な問題だが真面目にやれよ!」試験は筆記試験と実技試験に分かれる。筆記試験で落ちることはまず無いが、問題は実技試験だ。師匠に俺の実力では余裕と言われているが毎回試験形式が違うので全く油断出来ない。
筆記試験が終わり、実技試験の前に周りを見渡すとカレー屋の彼女がいた。受験者は男子の数が圧倒的に多いので男から嘲笑されているが彼女はそれを気にもしてなかった。彼女とは仲良くなれそうな気がした。試験内容は当日まで伏せられていたが適正調査らしい。各々が安心のようなため息を着いたが、去年のCランクモンスター討伐のように知恵の部分を知ることが出来ないので入学のラインはかなり厳しいかも知れない。そう考えを巡らせ、集中した。魔法適正か騎士適正で受験法を選ぶことが出来る。僕は騎士適正を選んだが、彼女も騎士適正を選んだらしい。
「あいつ、本当に大丈夫か?」周りが一斉に騒ぎ出した。騎士適正のある女の子なんて珍しいし無理もない。だが僕は何故か安心していた。僕はもしかしたら彼女を知っていたのかもしれない。彼女は身の丈に合わない巨大な剣を持ち、全力で鉄壁を容赦なく叩き切った。あまりの凄技に自信をなくした。「次、アクイラ・ガリューズ」「ふぅ……行きます」剣を手に取った所で、ドライズが話しかけてきた。「そなた、ワシが力を貸してやろうか?」「いりませんよ」そう静かに告げ、全力で剣を振った。
結果から言おう。僕はビリから5番目で合格した。実はあの時、緊張しすぎて剣がすっぽ抜け、あろうことか試験官の顔面に飛んでいったのだ。試験官に怪我はなかったが、もし筆記試験を適当にやっていたら恐らく落ちていただろう。ちなみに、今回の受験者1万2800名のうち合格者は1万1300名らしい。
「はぁ……」「そなた、まだ落ち込んどるのか?」「試験官、もし試験じゃなかったら俺、殺されてましたよ……それに」「なんじゃ?」「皆の笑いものですよ……」彼女のあの一撃の後だから当然である。「そうじゃな、でも受かったから全て良いでは無いか、祝杯をあげるか?」「今はそんな気分じゃないですよ……」こうして僕は無事、入学試験に合格した。
そして僕の物語はここから加速していく。僕の真の不幸が姿を表すとき、僕は災厄となる。僕自身は果たして制御出来るのだろうか、災厄となった僕自身を。
サンベルク郊外
「お前が何を企んでるかは知らないがとりあえずこの街の入学試験をぶっ壊そうとしたのが失敗だったな。」「一筋縄では行かないか。どうせ死ぬ前に目的を教えてやろう。魔王様は大量の人間の命を欲しているのさ。そう、そして、勇者とやらの存在を。だがお前がここにいるということは勇者はこの街にいるということなのか?人類最強兵士ラドサモ」「さて、どうかな」ラドサモの一太刀は相手を両断した。「まさか、ここまで強いとは思わなかったよ。とても人間とは思えないよ笑。」「体が半分でもまだ会話出来るんだな。化け物め。」「魔法も物理攻撃も毒も呪いも通じない。一体どちらが化け物なんだろうな……」「さぁね」
途中のくだり、めちゃくちゃ要らないなーと思いました。




