少年と特訓と本
よろしくお願いします
俺、アクイラ・ガリューズは魔王を倒すことを決意した。だが、魔王なんて本当に倒せるのだろうか。
翌日、ラドサモから兵隊に入ってもらう。と言われた。だが魔王は愚か、人すら殴ったことの無い俺に兵隊は荷が重すぎると言った。「うーん、それじゃ、こうしよう。俺が半年間、地獄のトレーニングをさせてやるよ。そこで武器術と体術と魔術とこの国の近況を学べ。」「はい!」
トレーニングはとても過酷なものだった。勉強と運動の両立は超過密スケジュールで行われ、精神と肉体の疲労は限界だったものの、今までの人生と違って前向きな目標のあるトレーニングはどこか楽しかった。
「ガリューズ、お前本当に強くなったな。」「ありがとうございます。」3ヶ月がたった頃、俺は基礎的な武器術、体術、魔術を習得した。特に魔術と剣術は元々才があったのか、どんどん成長していき、下級のモンスターなら狩れる程度にまで成長出来た。ちなみにこの世界のモンスターのランク分けはF〜Sであり、EFが下級、CDが中級、ABが上級、Sが災害級となっている。
「何回も言うが、本来武術と魔術を両立出来るやつはほぼ居ねぇのに。」「ラドサモ師匠はなんで両立出来てるんですか?」「ラドサモでいいって何回も言ってるのにな笑。俺も、昔は色々あった。俺の年齢、いくつだと思う?」気になっていた事だった。彼の見た目は30代前半のようだが知識や経験の量がはるかに見た目のそれを凌駕している。「40歳ぐらいですか?」「ハズレ、83歳だ。まぁ軍じゃ35歳ってなってるがな。」「ラドサモ師匠は若返りの魔術でも使っているんですか?」「いいや、呪いだよ……」ラドサモはそれ以上、その話題について語ろうとしなかった。
俺はこのトレーニングの間、屋敷の一室を借りている。流石に、最初は寝るだけの部屋だったが、不意にこの部屋を掃除したくなった。掃除してくれる人はもちろんいたが、そんな人に任せっきりでは申し訳ない。そして本棚に手を述べた。ここは掃除の人も手を触れてないみたいだ。一つ一つの本を手に取り、ホコリを取っていった。ある本のホコリを取って元の位置に戻そうとした時、挟まってしまったので、押し込んだ。つい押し込みすぎた、その瞬間、部屋の壁が動き出し、思わず息を呑んだ。奥には祭壇のようなものに1つの本が置いてあった。触れてはいけないのだろうが、不思議と吸い寄せられた。中身を見ると、何語で書いてあるかすらも分からないのだが、直感的になんて書いてあるか分かってしまう。俺が感じたこと、この本はヤバいから今すぐ手を離さなければいけないことだ。分かっているが体が動かない。そして1ページ1ページにとてつもない負の感情が詰まっているこの本のあるページで手が止まった。見出しは「禁忌契約封印」その時の俺は、自らで声を止めることが出来ず、封印解放の呪文を口にしてしまった。
「ラ・セラード・オープン・ビクトワール・オプ・シディアン」
完結まで頑張ります




