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詩集『詩の群れ』

『無かったはずの、幻影』・・・『詩の群れ』から

『無かったはずの、幻影』・・・『詩の群れ』から



あの時見た、人間の行動は、幻影なのだろうか、だろうだ。


誰もかれもが、確かに、幻影体験というものを、しているそうだ。


良く分からないな、虚存としての、自己というやつか?



え?


つまりさ、無かったはずの幻影が、見られるという訳なんだ、おかしいだろ。


そうだな、しかし、こう言ってみてはどうだろう、幻影が在ったのなら、実は在ったはずなんじゃないか。



そうか、恐れていた自己の心が、無かったはず、という幻影を作り上げて居た訳なんだな。


そうだよ、そして、過去から未来へと、人生は幻影の様に続いて行くはずさ、だろうだ。


無かったはずの、幻影は、結局は、在ったはずと言う心の幻影だったんだな、未来も拓けるだろう、だろうだ。

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