『無かったはずの、幻影』・・・『詩の群れ』から
『無かったはずの、幻影』・・・『詩の群れ』から
㈠
あの時見た、人間の行動は、幻影なのだろうか、だろうだ。
誰もかれもが、確かに、幻影体験というものを、しているそうだ。
良く分からないな、虚存としての、自己というやつか?
㈡
え?
つまりさ、無かったはずの幻影が、見られるという訳なんだ、おかしいだろ。
そうだな、しかし、こう言ってみてはどうだろう、幻影が在ったのなら、実は在ったはずなんじゃないか。
㈢
そうか、恐れていた自己の心が、無かったはず、という幻影を作り上げて居た訳なんだな。
そうだよ、そして、過去から未来へと、人生は幻影の様に続いて行くはずさ、だろうだ。
無かったはずの、幻影は、結局は、在ったはずと言う心の幻影だったんだな、未来も拓けるだろう、だろうだ。




