プロローグ
こう書こうと決めての見切り発車!
さてこの物語を描き切る事が出来るのか、
作者も楽しみです
人生の最後に、ただ自分自身の強さが欲しいと願った聖女の物語。
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半分成人の儀を一週間後に控えて、お母さん&お姉ちゃんがお父さんと言い合うような声が聞こえる。
騎士になるため体を鍛えてた。
訓練は5歳から続けていて、最初は1回が限界だった腕立て伏せだって、少しずつ数が増えてきてはいる。
冬の到来にはまだ早いのに、いつもより少し涼しかったからかいつもより調子が良かったのか腕立て伏せは連続で50回できた。
木剣の素振りは20回は出来る。
けど最近は腕立て伏せとかの出来る数が増えない。
お父さんの剣の師匠が来てくれた時は、張り切った。
その師匠から、剣筋に無駄な力が無くきれいに通っていて騎士学園の上級生ぐらい凄いとお墨付きをもらえて、私の頑張りは無駄じゃなかったといっぱい喜んだ。
そのあとに、凄い残念なほどに力がないとも言われてしまったけど。。。
一緒に訓練したお姉ちゃんは1月で私よりも腕立て伏せが出来るようになった。
お姉ちゃんには模擬戦で勝てるけれど、私の真似をして将来騎士になると言い出し子には負けた。
おかしい。
なんでこんなに弱いの。。ただ騎士になりたいだけなのに。。
今日の訓練は腕立て伏せ50回、家の周り10周のランニング、木剣の素振り20回を2セット出来たけれど。
訓練の後、汗で体が冷えたのか体がポカポカしてきた。
私の身体だと今年はもう、外での訓練をすることはできないってことだろう。
熱を出すのは冬の到来の前には毎年あるけど、今年はいつもより早い気がする。
家の中に入ってすぐにお母さんから声がかかる。
「リリィご飯の前にお風呂入っちゃいなさい。
汗かいたままだと冷えるでしょ」
「ママごめん、体がポカポカして熱っぽいからから、
お風呂入れないと思う。」
私は少し恥ずかしさで赤くなりながら言う。
私の身体の弱さは家族のみんなが知ってるから、今更恥ずかしがることでもないんだけど。
みんなを守る騎士になりたいのに、すぐ風邪をひいて寝込むというのはどちらかというと守られる女の子を連想してしまうから恥ずかしい。
雨に打たれたらすぐに風を引くし、季節の変わり目もこうやって体調を崩すし、自分の体が弱すぎて嫌になる。
前にお医者さんに見て貰った時は、ただの風邪で、この年頃の子供はみんなすぐ風邪をひくと言われたけど。
5歳から毎日訓練をしてるのに1週間に1回風邪で寝込むのはさすがにすぐの度合いが違うと思う。。。
私のおでこをお母さんが触る。
自分のおでこと私のおでこを触り、熱を比べるようにしたあと
「そうね。少し熱があるみたいね
でも少し汚れちゃってるから体を拭いて着替えてから食事ね」
「そうするね。
自分の風邪の事はもう、お医者さんレベルで知ってるんだから。」
なんて軽口をたたき、部屋へ行く途中お母さんが沸かしてくれているお風呂のお湯とタオルを貰って、
綺麗なタオルをお湯につける。
部屋で着替えを用意して暖かいタオルで体を拭く。
☆
夕食の時間は、お父さんとお母さんとゆっくり話しが出来るから楽しみなんだけど、今日は話しをする余裕がなかった。
体がどんどん熱くなってきて、熱が悪化してるせいか頭が重い。
どうにか夕食のスープを飲んだ頃には、頭の重さに耐えられなくなってた。
「ママごめん。先に休んでるね。」
どうにか声を絞り出して、ふらふらと自分の部屋に向かう。
みんなが心配しているだろう声が聞こえた気がするけれど、熱で重い頭ではなんと言われたかを考える余裕すらもなかった。
ぐわんぐわんと回るような視界の中やっとたどりついたベッドは熱と訓練で疲れ切った体には天国のようで、
ベッドは倒れこむような形でダイブする。
体はもう限界のようですぐに寝てしまった。
熱によるうだるような熱さと強くなりたいという焦燥感からかその晩。
私は、どこか懐かしさを感じるような悪夢を見た。
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朝起きた私には前世と同じぐらいの聖女の力があった。
読んでくれてありがとうございます。
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