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094:三層5

 ディーネからの救援の意思を受け取った僕は、奮戦中のサラに「後ろが襲われて不味いみたいだ!」と叫んだ。


 サラは敵から目を離さず「行って! ここは私とフィーネで十分っ!」そう告げると【風刃】を放った。一匹は辛うじて避けたようだが、もう一匹は前足を吹き飛ばされた。サラは追撃し、怪我で動きの鈍ったレッサーウルフの首を斬撃で切り飛ばした。


 まだ十匹程居るようだが動きが鈍い、サラ達の強さに攻めあぐねているようだ。


 レッサーウルフは、素早いフットワークで回避し、突進し噛みつきを行ってくる。そして思ったよりも厄介なのが【遠吠え】だった。魔力の籠った声には魔法を阻害する効果があるのだ。


 僕の放った【風刃】の威力を減衰させる効果のせいで、僕の攻撃は牽制以上の役割を果たせていなかった。


 (僕の魔法でも効果が薄いなら、後ろの四人も苦戦しているに違いない)


 それでも、この場の優位を保っているのは、サラの振るう黒魔剣の威力とフィーネの【風刃】の【遠吠え】を物ともしない威力のお陰だった。


「さあ~、ユーリ~、お行きなさい」そう言って、この場を離れようとした僕を邪魔しようとする敵の前に、【風刃】を両手に発生させたフィーネが立ち塞がった。


「フィーネ助かる!」僕はふよふよ浮かぶフィーネの後ろ姿に一声掛け、後方の四人の元に向かった。



◻ ◼ ◻


 僕達と四人は思っていたよりも引き離されていた。レッサーウルフの群れに挟撃されて戦っているうちに、分断されてしまったようだ。 


 (突撃で突っ込み過ぎたかもしれない……)


 四人の周りには十匹を越えるレッサーウルフの群れが半包囲しているのが見えた。そして五匹の死骸が離れた所に転がっていた。


 キャロとディーネの弓での遠距離攻撃か、シルフィーの【風刃】で接近前に倒したのだろう。


 四人の周囲に【ウィンドウォール】の風の魔力が覆うように吹き荒れている。上空でシルフィーが両手を広げて魔法を発生させているようだ。


 そして、キャロもシルフィーと同じく両手を広げて【ウィンドウォール】を発生させているようだ。


 ルピナスが上空から【風刃】を放っているが、レッサーウルフの【遠吠え】の効果や回避のせいで思うような効果が出ていない。


 (防御での時間稼ぎを選択したんだな、今の僕が飛び込んでも状況は変えられないか……半包囲してる奴らをこっちに誘導しないと)


 敵が僕の元に殺到すれば、シルフィー達が攻めに転じられる。そう考えて僕はその場に立ち止まり、両手の武器を仕舞うと、ポーチから黒魔弓を出した。


 (武器頼みで情けないけど、この際そんな事も言ってられないな)


 本当は、以前フィーネから譲り受けた複合弓を使いたかったが、今回は、一匹でも早く倒して数を減らさないと自分の身も危ないのだ。


 僕は黒魔弓に矢を番えるべく魔力循環を行った。吸い込むように魔力が吸収され、番えられた魔法矢の魔力に僕は驚いてしまった。


 (この弓、何の魔石が装填されてるの⁉)


 狙われたレッサーウルフがこちらを警戒して振り向いた。


「今更、気がついても遅い!」放たれた矢はレッサーウルフの首を吹き飛ばしたのだった。




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