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081:孤児達の戦い3

 シルフィーの放った【風刃】は、狙い違わずレッサーラビットの耳を切り落とした。


 (やはり威力は十分だな、わざと耳を狙わなければ一撃で仕留められてた)


 下級精霊の実力を疑う訳ではなかったが、契約者がまだ幼いキャロなのだ、もしかしたら何らかの影響を受けて弱体化している事も考えられた。


 僕が盾を頑丈に作って貰ったのは、その辺りの事も一応考慮したからだ。


 フィーネが守りにこだわっていたのは、純粋に安全面の配慮だろう。フィーネが同じ下級精霊のシルフィーの実力を見誤るとは思えなかった。


 シルフィーがレッサーラビットを連れて戻って来る。シルフィーはティムの頭上を越え、隠れているキャロの頭に着地した。


 レッサーラビットは真っ直ぐ向かって来ると、待ち構えていたティムの盾に、頭突きをしてきた。


 僕が初めての戦った時、持っていた木の盾とは重さや強度が比べ物にならない大型の盾は、レッサーラビットの攻撃を壊れる事なく受け止めた。


 しかし、衝撃迄は打ち消す事は出来なかった。軽い激突音と共に強い衝撃が襲ったのだろう、ティムの身体が後ろに仰け反りそうになった。


 その時、小さな身体のキャロが盾の内側から体当たりのようにぶつかる事で、衝撃を打ち消した。


 守られるだけの予定だったキャロの想像しなかった活躍だった。呑気に見えたキャロだったが、自分にも出来そうな事を考え、上手くやって見せたのだろう。


 前後からの衝撃にバランスを崩しかけたティムだったが、なんとか持ち直し、押し戻す事に成功したようだ。


 攻撃を防がれた、レッサーラビットが後ろに下がった。過去の経験から再攻撃のフェイントジャンプの準備動作だと僕にはわかった。


「左右からフェイント攻撃が来る! ルナ、リーゼ気を抜くな!」僕が声をかけると、二人も理解出来たのか頷いて、盾を再度しっかり押さえ直す動作を行った。


 (二人は大丈夫だろうか、体力的には一番優れているはずのティムでさえ衝撃を押さえきれなかった……)


「そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫よ~」フィーネがふよふよと近ずいて来てそう言った。


「シルフィーが【ウィンドウォール】を上手にコントロールしてるわ~、本気でやれば衝撃も通さないでしょうね~」


 (実戦訓練の為に加減してるんだ、凄い魔力操作だな)


やはり僕が思っているよりシルフィーは凄い精霊のようだ。


 僕達がそんな話をしている間にも、レッサーラビットのフェイント攻撃がルナとリーゼのそれぞれの盾に攻撃を仕掛けてくる。キャロは上手く動いて皆の助けになっているようだ。


「皆、頑張ってるわね~、ティムは本当は大人しい物静かな子らしいけど孤児院では年長者だからちょっと無理してる感じね」


 たしかに、年齢の割には礼儀正しくて利発そうだが、前に出るタイプには見えない。


「リーゼは女の子だけど活発でリーダータイプよね、意外と探索者向きかも知れないわね~」


 僕のリーゼの印象も、何時も笑顔で活発な印象だ。普段から話しかけて来る時も、元気一杯だからだろう。


「ルナは大人しいけど、芯が強くて度胸のある子だわね~」


 露店売りでのポーション錬成のパフォーマンスを思い浮かべ、確かにいざとなったら度胸があると思った。


「キャロはさすが猫獣人族ね~、まだ幼いけど動きなんかを見ていると大人顔負けの活躍ぶりね~」

 

 この四人のパーティーで最も驚かされたのは、キャロだったかもしれない。キャロに関してはシルフィーの契約者としてしか、今の所は期待していなかった。


「いいわね~、あの年齢だと初戦闘ですくんで動けなくなる子もいるけど、あの子達は意思の力で恐怖心を押さえる力を持ってそうね~」


 暫く黙ってふよふよとしていた、フィーネが、


「決めたわ~、あの子達をもう少し育成してみましょう~」


そんな事を言い出したのだった。


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