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078:孤児院の育成準備3

 隣の部屋に入った僕は、そこが思っていたより立派な応接室だったので、少し驚いた。やはり、元エルフィーデの施設だっただけはある。


 そして、もっとエルフィーデの象徴とでも呼ぶべき人が座って僕を待っていた。僕もその正面に座り挨拶した。


「この孤児院の院長をしています、マリーと申します。色々院の事でお世話になっていながら、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」


 それは、僕が想像していなかったエルフの院長先生だった。


「ウサギを寄付して頂いたり、ルナとキャロに親切にして頂きとても感謝しています」頭を下げられ僕は、恐縮してしまった。


「頭を上げて下さい。僕が勝手に始めた事ですし……それほど感謝される事はしていません」


 しかし、マリーさんは首を横に振り、僕の言葉を否定した。


「最近では、森林区画の奥様方が子供の使わなくなった服や布地、パン屋のミレさんは売れ残りのパンを娘のミナさんが届けて下さってます」


 (何だか僕の知らない所で色んな支援の動きが起こってるみたいだな)


「他にも肉屋さんや、野菜売りの方も色々と持ってきて下さるようになりました。何でもお客さんの奥様方に売れ残って処分するぐらいなら持っていくように言われたそうです」


 (これ確実にラナさんの奥様繋がりだ……)


「それは恐らく、猪鹿亭のラナさんって言う女将さんの影響じゃないかと」


「そうですね、猪鹿亭のラナさんには子供達を毎日、招待頂いてとても感謝しています。ですが、きっかけを作ったのはユーリさんですよ。子供達も余所に招待されるような経験が出来てとても喜んでます」


 僕は猪鹿亭での子供達の姿を思い出し頷いた。


「いずれ近いうちに猪鹿亭に、ご挨拶に伺いたいとお伝えください」マリーさんは、笑顔でそう告げた。


「分かりました、伝えます」僕は力強くそう告げた。


◻ ◼ ◻


 思っていたよりすんなりと挨拶が済んで、僕は少し拍子抜けした気分だった。


 正直なところ、子供達をダンジョンに連れ出す事を心配して、何か言われるのではないかと思っていた。少し覚悟をして説得の内容とかも考えていたからだ。


 マリー院長さんには、「精霊達が協力してくれるのなら万一の事もないでしょう、サラさんとユーリさんも見守って下さるとか、子供達の事をお願いします」


 やはりマリーさんもエルフのようだ。精霊に対する信仰じみた信頼があるのかもしれない。


 僕は装備類の確認を終えて、特に問題点も見つからなかったので安心して皆に見送られながら孤児院を後にした。


 キャロが「明日頑張ろうね~」と言いながら手を振っている。選抜組の四人は既に、ギルドに探索者登録を済ませているのだ。


 準備が終わった今、悠長にしている時間が勿体ないと、明日からダンジョンに潜る事にしたのだ。


 明日はサラと僕の二人で付き添いを行い、次の日から交代で付き添いを行う事になった。


 そして、問題が無さそうなら、四人だけで狩りをしてもらう事になる。


「とにかく明日だな」僕はそう呟いて、猪鹿亭への帰路につくのだった。



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