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063:蜂狩り解禁1

 噴水広場から逃げ出すようにして出てきた僕は、足早にギルド裏の納品所に向かっていた。


 (ウサギは一日、最大でも五匹が限度かな。今日みたいに悪目立ちしたくないしな……最低限三匹は狩って、後は何か他の獲物を考えないと)


 数をこなす事を考えれば、やはり蜂狩りが最適そうだ。


 (ローダンヌ商会の蜂蜜の確保はどうなったのかな? 何か事態に進展がないかマリアさんに聞いてみようかな)


 さっきの騒ぎで戻って来る探索者が少なかった事もあってか、ギルド迄は誰にも見咎められずに到着した。


 ギルドの納品所で、吊るしていた四匹とポーチから一匹のレッサーラビットの納品を行った。


 すると前回納品の対応をしてくれた職員の男性が、「親父から聞いてるぜ、もしポーチにまだ入ってるなら心配しないで出してくれていいぜ」と言ってきた。


 僕は驚いて「親父って?」と尋ねた。


「ああ、文字通りさ、俺の父親は元ウサギ狩りのゼダっていう。俺の名はゼンって言う。よろしくな」


 驚いた事に、ゼダさんの息子さんのようだ。言われて見れば顔も良く似ている。ただ、口調は丁寧なゼダさんとは随分違った。


 僕は三人の家族については詳しく聞いてなかったので驚いてしまった。


「親父が世話になった人の孫らしいな、少なくとも俺に関しては心配しないでいい。ギルドも実績重視で細かい詮索をしてくる事はないから安心しな」


 僕はゼダさんの息子さんの言うことならと信用して、取り敢えず三匹を納品する事にした。


「総数八匹かよ、すげえな」そう言いながら、ギルド証に情報を記録して返してくれた。


「蜂蜜に関しては、何か情報はありますか?」マリアさんに聞くつもりだった件をゼンさんに、尋ねてみた。


「ああ、ローダンヌ商会の件だな、こっちは獲物の納品が無ければ情報が入って来ねえからな。その辺の話は表で聞いてくれ」


 どうやら、ローダンヌ商会は獲物を直接購入しているのかもしれない。僕は手続きのお礼をゼンさんに言った後、表のギルドに向かった。 


◻ ◼ ◻


 表のギルドに入った僕は、屋台のダンさんの依頼を見つけ、後は何枚かウサギ狩りの依頼書を剥がして、マリアさんの元に向かった。


 順番がやって来て、マリアさんの前に座った僕は「ユーリさん、この前は誠に申し訳ありませんでした」といきなり無表情で謝罪をされてしまった。


「あの、どうされましたか?」僕は謝罪を受けるような迷惑をマリアさんから受けた覚えはなかったからだ。


「蜂狩りの件です。狩り場が荒れる可能性を、お知らせする事が出来ませんでした。ローダンヌ商会の件はギルドも多少、甘く見ていたようです。まさか、狩り場の占有までするとは……」


 僕はギルドも黙認している行為だと思っていたので意外だった。


「明日には占有も解除されているでしょう。どうやら蜂蜜の流通問題も解消したようです。ギルドからの警告に対してあっさり従う旨、ローダンヌ商会から連絡がありました」


 どうやら、ローダンヌ商会もかなり追い詰められていたのかもしれない。だが、僕にはそういう政治的なやり取りに関心は無かった。


「それじゃあ、蜂蜜狩りは?」僕が期待を込めて尋ねると


「ええ、蜂蜜の相場も落ち着きましたし……何の問題もありません!」


 マリアさんに力強く請け負ってもらった、心なしかマリアさんも嬉しそうに見えた。


 もちろん、無表情だったけど……


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