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036:召喚精霊と精霊術師

 驚いている僕達の事など全く気にかけずシルフィーと名乗った精霊は、話し始めた。


「あー本当に危なかったわ! 成長するにつれ徐々に魔素が足りなくなってくるんだもの。このままの状態で、これ以上成長してたら成長が止まるならまだましで、枝枯れを起こして幹にも影響がでるところだったわ……」


 その話しの内容を聞いていたラナさんが「ごめんなさい、こんな場所で育てる事になってしまって……」悲しそうに謝罪している。


「違う! 違うの! 別に責めてる訳じゃなくて……ここは少し寂しいけど、私の生まれ故郷だから大好きだし! それに、とても大切にしてもらってるから……ありがとう」ラナさんと、カロさんを見ながらお礼を言った。


 (……精霊って人間みたいにお礼とか言うんだな……)


 内心でそんな事を考えていると、シルフィーが少し照れたように僕を見て……


「今回は本当にありがとう……それから、ついでみたいにお願いして悪いんだけど、もう暫くお願い出来ないかしら?」


「別に構わないよ、毎日は無理な時もあるかもしれないけど」


 村では土地の癒しを何年も行っていたのだ時々なら問題ない。


「ありがとう。二、三日に一度くらいでいいのよ、そのうち枝葉をもっと繁らせて、大気中の魔素を取り込めるようになると思うの。その為には貴方に早く強くなって貰わないとね」そう言って一人頷いている。


「だからお礼も兼ねて、貴方に少しだけ助力したいと思うの」


 そう言うと空に向かって「降りておいで」優しく囁いた。


 暫くすると、「チチチッ」と鳴きながら青い小さな小鳥が降りてきた。


「本当は私が手伝えれば良かったんだけどね、貴方はもう精霊と契約してるから私とは契約出来ないの」


 降りてきた小鳥はそのまま僕の肩に乗った「その子は元々、この精霊樹に住んでいた子なの。でも病気で死んでしまって、とても弱い浮遊精霊として漂っていたんだけど、さっきの癒しの魔力の余波を受けて元の姿を取り戻したみたいなの」


 小鳥は飛び立ち、キャロの頭に乗った「とりさん! とりさん!」とキャロがはしゃいでいる。


「あの子は貴方の魔力で出来ているから、召喚精霊に出来るわ。あのままにしておくと、獣の浮遊精霊は自我が弱いのでいずれ魔力を失い消滅してしまうわ」


「どうやって召喚精霊に?」僕は消えてしまうのは、可哀想に思い召喚精霊にする事にした。


「名前を付けてあげて、相手が受け入れればいいのよ」簡単に聞こえるが名前というのは結構難しい。


 僕は困ってしまい辺りを見渡すと、近くに青紫の花が名前はたしか……


 「ルピナス!」と言うと、キャロと戯れていた小鳥が「ピピッ!」と一鳴きして飛んできた。


 そして小鳥との間に魔力の繋がりの様なものを感じる……遠くにも自分がいるような奇妙な感覚だった。


「上手くいったみたいね、召喚精霊は貴方の意思で出したり、消したりできるけど、召喚中は魔力を消費するから注意して」


 そして、二つの羽根で飛び立ち、キャロの頭の上に降り立った。


「この獣人族の子と契約しようと思うんだけどかまわないかしら?」と、僕に聞いてきた。


 僕はキャロにとって良い事に思えたので、ルナを見るとルナも同じ考えらしく、黙って頷いた。


「キャロ、その精霊さんがキャロと一緒にいたいみたいだけど、いいかい?」


 契約が分かるのか疑問だったので、そんな訊ね方にした。


 キャロは頭に乗ったシルフィーに「キャロと家族になりたいの?」と尋ねた。


 シルフィーはキャロの頭を撫でながら「ええ、家族にしてくれる?」と答えた。


 キャロは「いいよ!」と嬉しそうに返事した。

 

 シルフィーは手を伸ばし、【汝我と共に精霊の理を紡ぐ者なり】そう言うとキャロの額に手を当てた。


 暫くしてキャロの全身が薄く輝き……そして消えた。


「さあ、契約は終わったわ! この子、風属性の適性を持ってるから育てば良い精霊術の使い手になれるかもよ?」


 キャロは、この日から精霊術師となったのだった。


 

 



 


 


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