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023:祖父の名は

 僕が話し終えるまで三人は静かに聞いてくれた。そして話し終えた僕に白髪老人のゼダさんが質問してきた。


「まず俺が確認したいのは、坊主がダンジョンに何を求めているかだな、階層攻略者をいずれ目指したいと?」


 僕は否定するように頭を左右に振って


「いいえ、僕がダンジョンに子供の頃から興味があったのは確かですけど、村で畑の面倒を見るつもりでした。ここに来たのは祖父の遺言に背中を押されたからです。三層くらい迄なら、僕でも慎重に行けばなんとかなるだろうと……」


 静かに頷いていたゼダさんが


「なるほど、攻略を目指して自発的にここに来たのでなければ、坊主の覚悟を問うようなうるさいことは言うまい。信頼する祖父になんとかなると言われれば、少しは苦戦しても、命の危機を感じる程の危険に遭遇するとは考えないだろうからな」


 そして、暫く黙ってからまた話し始めた。


「だが攻略を目指して、下層に降りれば格上との戦いは避けられない、装備をどれだけ準備しようと不慮の事故はありえる。だから、階層攻略を目指すなら魔物の予期せぬ攻撃は常に覚悟しておかねばならん。そうハッパをかけるつもりだったんだがな」


 酔っぱらい老人のドルフさんが「おいゼダよ、そんだけ理屈をいっちゃあ、坊主にハッパかけてるのと一緒だぜ!」ガハハと笑いながら突っ込んだ。


「そうだな、俺は理屈っぽくていけない、すまんな坊主」僕が慌ててそんな事はないと言いかけて..


「なあ! 俺、思うんだが、坊主のじいさんウサギの耳打ち知らねえんじゃねえか? 俺は長い間、ウサギ狩りやってたが一回しか見たことねえ!」


 今まで黙って考え込んでいた丸坊主老人が突然そんな事を言い出した。


「おうザザ、テメエもたまには良いこと言うじゃねえか! 確かに俺も三十年以上、ウサギを相手にしてきたが、数える程しか知らねえな、初めて食らった時は肋骨やっちまって大変だったぜ」


 ドルフさんは肋骨の辺りを撫でながら、それでも何処となく昔を懐かしんでるようにみえた。


「何がたまにはだと! もういっぺん言ってみやがれ」例によってザザさんが噛みつき

「うるせえ! 耳まで耄碌しやがったか!」ドルフさんが突っ込んだ。


「なんだと髭もじゃ!」「うるせえ! ハゲッ!」


……もうそっとしておくしかなかった。


「確かに、二人の意見には一理あるな、俺も数回しか見た事がない」ゼダさんも頷いている。


「ところで坊主の祖父殿は探索者だったのか?」僕は頷いて


「はい、三つ羽根の探索者でした刻印を見せてもらったので、コルネ村のラロルフと言います」


「坊主の祖父殿はラロルフさんなのか!」「何だと! ラロルフさん?」「ホントかよ! ラロルフさんの孫だって!」


 三人が一斉に反応した、どうやら、じいちゃんは有名だったのかもしれない。















 











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