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103:ダリル鍛冶屋にて2

「なるほど、ミリア様の関係者というわけですか、エルフの方がいらっしゃるので、そうではないかと思いましたが」


 短杖がここにある事について、サリナさんに尋ねられたので事情を説明したのだ。


「ところで、今日は何の用だ? 特に用が無いなら遠慮してくれ」ダリルさんは、彼女をあまり歓迎していないらしい。


「あら、もちろん仕事の依頼ですよ。黒魔鉄鉱が入荷したので黒魔鉄粉の製造をお願いします」


 そう言うと、彼女はポーチからかなりの量の黒魔鉄鉱が入った袋を幾つも取り出した。


「割りがいい仕事なのは認めるが、俺は鍛冶屋であって素材加工屋じゃないんだがな……それに鉄粉なんて本来は、壊れた武器の素材を無駄にしないための工夫だったんだが」


 ダリルさんは、不満そうにしながらも、その袋を店の奥に運び込んだ。


「それでも有用な技術です。ガザフは一本の黒魔弓よりも百本のコンポデジットボウを必要としているんですよ」


 サリナさんは不満そうなダリルさんの表情など、全く気にしていないようだ。


「すまなかったな、この短杖を盾に固定するってことで良いのか?」


 僕は今日の状況を説明し、短杖を武器というより魔法発動体と考えて、盾の一部に出来ないかと思ったのだ。


「なるほど、面白いわね。その盾なら劣化黒魔鉄製のようだから短杖と接合してしまえば、盾が魔法武器にもなるわね」


 そう言うとサリナさんは、急に独り言のように呟きだした。


「う~ん、盾を劣化黒魔鉄にするのは使用素材の量から言ってもコスト的に厳しいわね」


「あの、僕がダンジョンでの育成に協力した子供達の話なんですが……」


 僕は孤児院で作った盾と短杖で素人の子供がレッサーラビットを問題なく狩れるようになった話をした。


 専門家に盾の助言を貰えたお礼のつもりだった。


「木製の壁のような盾か……安価な魔木を使いレッサーボアの皮を張って鉄板を打てば……強度は強化魔法陣で補うとして、短杖を脱着式にすれば盾が壊れても交換が容易ね」


 サリナさんの中で構想がどんどん纏まっていくようだ。


「ありがとう! これから戻って検討しないと……そうだわこれをお礼に」


 彼女が手渡してきたのは、二本の筒のような入れ物だった。僕にはそれに見覚えがあった。


「これって装填式の……」僕が驚いていると


「試作品で申し訳ないけど魔法刻印の部分以外は鉄を使用した従来のものより廉価な量産品なの。だから素材限界も低いけどね……それを盾に接合すれば使用できるわよ」


 僕が何か言うよりも早く「ダリル、黒魔鉄粉よろしく」それだけ言うと、急いで店を出ていってしまった。


「何ともせっかちな奴だな……それ装着するんだろ? 二つあるから弓にも付けようか?」

 

 僕は慌てて複合弓もダリルさんに手渡した。


「接合するだけだから、明日の朝にでも取りに寄ってくれ」


 僕は驚く展開に只、頷くしかできなかった。


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