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第九話 ギフト

 突然の神託によって、急遽祭壇へ来ることに。

 祭壇は普段、魔物の巣のど真ん中なのだが、一年に一回行われる、祭事には、神の結界が張られるため、安全なのだ。もちろん今は違う。


 魔物の巣窟なのだが、ソモルンが近付いていくと、あっという間に誰もいなくなった。俺とボムが感心している中、ソモルンはどこか寂しそうだった。


 静かになった祭壇の前で祈ると、目の前にボルガニス様が現れた。これがアバターというものなのだろう。

 まるで本人のようだ。


『よく来た。この島に転生して間もなく一年だな。そろそろ、旅に出て貰いたいのだが、戦闘に不安を持っているため、一向に旅立たないのは分かっている。

 そこで、色々考えた結果、ギフトをプレゼントすることに決めたぞ。きっと役に立つはずだ』


 言い終わるやいなや、手をかざした。

 すると、体を光が包み、収まると目の前に文字が浮かんできた。


〈アバターを設定します。好きな形を想像して創造してください〉


 そのとき、たまたま目に入ってきたソモルン。


〈アバターの形成が完了しました〉


 ソモルンと同じだが、手のひらサイズのソモルンが、そこにいた。すると、無限収納庫からキューブが飛び出して来て、そのままプチソモルンに食べられた。


〈残留思念の読み込み・各スキルとの同期を開始――完了しました〉


 どうでもいいが、ソモルンの姿で機械的な音声は、やめてほしい。全然可愛くない。ソモルンは、グルグル言うだけの声だが、そこもソモルンの魅力の一つなのだ。


『ステータスを見れば分かると思うが、簡単な説明をさせてもらう。今回のギフトは、大まかに言えば一つのスキルだが、内容は大きく分けて、二種類だな。

 まず、今回のギフトの名前は、【異世界電脳(コンピュータ)】というものだ。このギフトの内容は、前世のパソコンとその周辺機器の機能だな。その機能は、あとで自分で確認してくれ。それで次が、俺にとってもお前らにとっても重要なスキルになるわけだ。その名も【異世界百貨店】。

 どうだ? 良さそうだろ?

 これを創りたいがために、異世界電脳を創ったと言っても、過言ではない。お前らの世界にあるネット通販を一つの機能として組み込んでしまえば、言い訳も出来る。まさに、木を隠すなら森の中だよな。これは、酒やら菓子やらを買える店からカジノまで入った複合施設なのだが、あまりにも物が簡単に手に入ると、さらに旅立ちそうもないから、制限を設けることにした。

 お前の前世のゲームの趣向が、ゲームそのもののクリアより、アイテムやモンスターのコレクトに気が向いていたのを、転生させるときに記憶を見て知った。そこで、物は金銭で買えるようにした。だが、その店のアンロックには、必要な素材がなければ使用出来ないようにした。その上で、さらにその店で購入するのに必要な素材も自己負担だな。

 例えば、服屋の場合は、服の素材を自分で用意して、デザインを決めて出来上がった物を金銭で買う、というようにだ。まぁ中には揃える必要もない物もある。さらに、今現在持っている職業スキルは、統合されるため、店はアンロックされているだろう。代わりに、スキル欄からは消える。ステータス表示も見やすくなるだろう。

 ただ最初から使えて、尚、タダで使える施設もある。まずは、解体屋だな。スキルレベルがこの一年で上限の十まであがっていたからだ。あとは、その関係で出るゴミ処理センターだ。肥料も作ってくれるぞ。それと、両替所。近くに換金できる環境がないときのみ使用可能だ。一応世界の経済にも貢献して欲しいのが、理由になっている。最後に、データベースの役割をしている図書館だ。一度記録した書籍や資料はここに集められる。本屋で買った物もな。

 おすすめは、本屋と酒屋だな。本屋で料理書や魔導書が売ってるから、利用頻度が高いだろう。あとは、酒は人生を豊かにするだろ? もちろんお供えしてくれよ。簡易祭壇を工房で作ってもらえばいいだけだ。楽しみにしてるぞ。

 あと、ソモルンよ。そんなに悲しそうにするな。すぐに旅立つわけでもないのだ。それまでたくさん遊んでもらえばいいだろ。それにお願いも聞いてもらうんだぞ。じゃあまたな』


 まるで嵐のように消えていった、ボルガニス様。

 それにしても、チートのようなチートじゃないような、ギフトをもらった。その理由はもしかしたら、酒が目的だったのではないだろうか。話してる途中で酒の話を振ってきたのだから、おそらくそうなのだろう。そして、他はついでだと思う。

 あと、言い訳って言っていたということは、本音を言うと、誰かに怒られる可能性があるということだ。


 とりあえず、ボルガニス様のことは、置いておいて、ギフトの確認をしよう。出来れば、戦闘に使えるスキルが、ありますように……。



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