第39話 エルミック王国だよ in 異世界
お待たせしました!
よろしくお願いします!
「一縷君! 朝よ、起きなさい」
その声で目が覚めて、とりあえず返事だけは何とか返せたのだが、体は横になったままだ。眠たい。
だが、ここで二度寝なんてしたらなんやかんやの手法で部屋に入って来た詩葉さんに、ぶちのめされるのは確実だろう。だから仕方なく、眠気覚ましに顔を両手で叩いて気合いを入れて起き上がった。
「ふぅ~、さて行きますか……」
顔を洗って身支度を整えた俺は、貴重品だけを手にして、詩葉さん達の泊まっている部屋へと向かった。まずは今後の予定の話し合いをして、その後に買い物へと向かう流れになっている。
それだけで1日が潰れるだろうと思いながら、今日もなるべく無事な一日であることを願った。
「えっと……ここだったな。詩葉さーん、来たけどー?」
「入って大丈夫よ」
「じゃ、お邪魔しまーす……皆、おはよう」
部屋に入ると、レーロとリコル以外はちゃんと起きていた。二人はまだ眠たいのか、座ってはいるものの……目がシパシパとして半覚醒状態だった。だから挨拶の返事が帰ってきたのはルフィスと聖女だけ。
「じゃあ、さっそく予定を立てるわよ。まずはこの街での目的ね」
「とりあえずダンジョン攻略が最優先だろ?」
「えぇ、それにそろそろ魔王軍の情報も手に入れていきたいわね。期限が一年と言われているけど、早まらないとは限らないのだから」
そうか。そこは考えていなかったな……。仮に期限を満たす前に魔王が復活してしまったらどうだろうか? 相対出来るのは詩葉さんくらいだろう。俺や仮だがレーロ……で、ギリギリサポート出来るというレベルだ。今鍛えている勇者だって無いよりはマシ程度。
「封印がちゃんと一年は保ってくれなきゃ困るな……。そうじゃなくても攻略は急ぐのと、レベル上げも……」
「大変になりそうですねぇ……」
「まぁ、そこは……なるようにしかならないわね。だから出きるだけの事をしておきましょう。全体の目的としては大まかに言えばそんな所ね。次は今日の予定だけど……」
本日の予定……・買い物・ギルド・街の雰囲気の確認。
だが、レーロの外出は危険の為無し。ルフィスは地位の高い人間にさえ会わなければセーフかもしれないが、生きていると知られれば、召喚された勇者の存在だって明るみになってしまう。結果、待機組だ。
「リコルは眠たそうだし……聖女は動けるよな?」
「お腹空きましたね~」
「なぁ、詩葉さんよ……聖女に買い物って出来るのか? それか、この街の視察に出掛けて貰っても良いけど……帰ってこれるのか?」
「…………大丈夫の……はず」
まぁ、そういう反応が返ってくる事は薄々分かっていた。俺だって聞かれたらそういう答えになってしまうだろう。聖女はポワポワしている事以外は普通に教養のある女の子だ。何てったって聖女だからな。
だが、そのポワポワ具合が場合によっては教養さえ無視してしまう。何をしでかすか分からないという不安がどこかに存在しているのがこの聖女。怖いよなぁ。
「分担しないで三人で動く……というのは? 聖女だから気が付く街の様子とかあるかもしれないし」
「そうね。それが無難な所かしら? ルフィス、悪いけどお昼は宿で注文して部屋で食べる様にお願いね? 何か良いのがあればお土産でも買ってくるわ」
「分かりましたっ! 今日は休んでますので詩葉さん達も気を付けてくださいね?」
「お腹……空きましたねぇ~」
俺と詩葉さんは聖女を連れて、宿の食堂へ向かい店員さんに軽食を作って貰った。
完成を待っている間に、俺は部屋に荷物を取りに戻って準備をしてからまた戻って来た。そうすると、出来立ての料理を聖女が「いただきます」の一言を発してから食べていた。
前に俺達の食事の挨拶の意味について聞かれ、『全てに感謝している気持ちを込めている』と告げた日から、自分のやり方との葛藤に襲われ、その末に朝と昼は俺達流、夜は聖女流で落ち着いたみたいだ。
朝ごはんを食べて静かになった聖女が眠たくならない内に、俺達は街へと繰り出した。
◇◇◇
「比べるのが帝国とじゃ、流石に違いすぎるな。一言で言うなら『豊か』だ」
「そうね、食べ物もお店の種類も……そして人の表情も。殺伐とした雰囲気があった帝国とじゃ違うわね」
「街も綺麗ですね~、女性も綺麗な方が多い気がします~」
武力じゃ帝国の方が上だろうが、エルミック王国だってボルトン帝国と並んで大国と呼ばれている。
その理由がこの栄え具合なのだろう。近くに森があって海もある。一次二次三次産業が上手くいった結果、こうして栄えているし、人も集まって来るのだろう。このエルミック王国にだって負の部分はあるだろうが、戦いが身近にあって珍しくも無いこの世界だと、それは仕方ない事だと言えてしまうのだろう。
エルミック王国は、弱者切り捨ての帝国よりは住みやすいだろうな。
「人が多いのもアレだし……ギルドはもう少し後で行きましょうか。しばらくは見て回りましょう?」
「そだな。と言っても、街だって結構な人が行き来してるけどな」
「ふふっ、迷子になりそうですね~」
その台詞を聞いた詩葉さんが聖女に服を掴んでおくように指示し、俺達は街中を進んで行く。
一店舗はそれほど大きく無いが、果物屋、八百屋、肉屋、魚屋、道具屋、武器屋、防具屋……他にもとにかく数がある。それほど無いと追い付かない程の人口なのか、ただ競争させながら商売しているのかは分からないけど、賑やかなのだけは間違い無かった。
広場では大道芸やフリマの様な露店。絵を描いている人に、散歩している老人。さっきはクエストにでも行く若い冒険者の姿もあった。
「うーん……想像してた場所って感じだ」
「そうね、街の人に危機感が有るのか無いのかは置いといて……見て取れる分には幸せそうね。今の王がまともなのかしら?」
「う~ん……おかしいですねぇ~」
俺達が見る分には理想的な光景でも、聖女には何か違和感があるらしい。街行く人は皆、楽しそうだというのに。
「どうした、聖女?」
「教会が少なく感じます~、これほどの人が居るのなら大小含めて~、もっと在ってもおかしく無いのですよ~」
そう……なのだろうか? その辺の事情は分からない。でも聖女が言うのならそうなのだろう。エルミック王国の中央都市ならもっと教会があるはず……だと。
仮に潰されたとするならば、それだけの事件があったはず。よし、教会関連に首を突っ込むのは辞めておこう。教会が少なくて困るのは敬虔な信徒だけ。巻き込まれるのが一番良くないからな。
「不正が行きすぎて処罰でもされたか、住民を裏切ったのでしょうね。うーん……となると聖女の身分も微妙になりかねないわね」
「ダンジョンでのお布施も場合によってはヤバそうだな……ギルドで調べてから聖女の身の振り方も考えるか」
「私の心までは好きに出来ませんよぉ~!!」
そんな盗賊に捕まった強気なお姫様みたいな事を言った所で……である。そもそも、どうもするつもりは無いしな。
聖女が祈るのもお布施でお金を稼ぐのも、時と場所を考えてくれさえすれば別に止めるつもりは無い。
「元から少ないって可能性もあるから、とりあえず保留という事で」
「「という事で!!」」
「じゃあ、次に行こうか」
「「行こうか!!」」
「ん?」
「「ん??」」
誰かが声を被せて来ている。詩葉さんと聖女の声じゃない。仮に二人の声だとしても、こんなに綺麗にハモるとは考えられない。
俺は、右に居てジト目をしてくる詩葉さんとそのさらに隣でニコニコしている聖女の顔を見てから、ゆっくりと視線を下に向けた。
「いったい何処の誰かな!? “君達”!?」
「「私はアフキユ!!」」
これまた息ピッタリで言葉を発したのは、双子の女の子だ。二人とも同じ洋服を着て、同じ髪の長さで同じ顔でこちらを見ている。何を期待の眼差しで見ているのか。
「ごめん、一人ずつ言ってくれるかな? お姉ちゃんは?」
「私! アキ!」
「じゃあ妹ちゃんが?」
「私! フユ!」
そうか……。元気な子供達だな。朝から外で子供が遊べるなんて、余程危険の少ない街じゃないと出来ない事だろう。やるじゃないか、エルミック。
「なるほど、アキちゃんとフユちゃんね。怪我しない様に気を付けて遊ぶんだよ? あと、知らない人について行っちゃ駄目だからな! では……バイバイ」
「私達!」
「家出したのよ!」
迷子ですらねぇ……。なんだこれ、俺はいったい何を試されてるんだ? 詩葉さんに視線で伺い立ててみるが、返事は眉を顰める……つまり、分からないという事だろう。
俺にだってこの状況は流石にお手上げだ。迷子なら探す手伝いも出来たのだが、家出に関してはもう知らん。事情を聞いて『早く帰りなさい』以外の答えが浮かばない。
「お父さんかお母さんと喧嘩でもしたのかい? とりあえず帰った方が良いと思うなぁ。家出は危ないからね」
「お父さんが……」
「私達の見分けがつかないって……」
「「そう言った!!」」
たしか……昔に観たテレビに出ていた双子が『自分はもう一人とこう違う!』と、違う所をアピールしていた記憶がある。
それを考えると、本人達からすると似ているというのは本人達が一番分かっているだろうし、あまり言われたくは無いのかもしれない。
でも、きっと好みとか似てるから、これから先も言われ続けるんだろうな。
「ちょっと詩葉さん、後ろ向いててくれる? 今から双子をシャッフルするから当ててみて?」
「何よ急に……まぁ、良いけど」
詩葉さんに後ろを向いて貰っている内に、双子には足音を多めに鳴らしながら動いてて貰い、“さっきと同じ場所へ立って貰った”。
「良いよ~」
「……難しいわね、そもそも何で同じ髪型してんのよ……? どっちかは結びなさいよ」
「「これが好きなんだもん!」」
うん、双子だな。
結局、詩葉さんは答えの確信を得られなかった為に、回答権を放棄した。二択だから勘で当たるかもしれないのだが、潔いのが詩葉さんらしい。
「まぁ、こっちがアキちゃんで、こっちがフユちゃん。入れ替えては無いんだよね」
「それで、なんだったの?」
「いや、まぁその……遊んでみたかっただけ……」
これに深い意味なんてあるはず無いでしょ……。父親ですら見分けがつか無いんだから他の人はもっと難しいだろうし。詩葉さんなら当たるかなぁ~と思っただけに過ぎない。
「時間の無駄じゃないの……ほら、その子達をさっさと帰して。私達も行くわよ?」
「そう……だね。ごめんね、二人共。お兄ちゃん達も買い物とかギルドに行かないとだから」
「えっ…………ぐすっ……」
「うぅ…………ぐすん……」
「詩葉さんと一縷さんが~、子供を~泣かせました~」
聖女、お前はどっちの味方なんだよ……。
俺は詩葉さんに再度お伺いを立ててみると、今度は少しだけ慌てた表情を浮かべていた。“泣く子も黙る”詩葉さんが、“泣く子に黙らされる”詩葉さんになってしまった。
「ご両親に、ちゃんと今日中には帰って来ると伝えるのが条件です。お兄ちゃん達も誘拐犯に間違われたく無いからね。どうする?」
「ホント……?」
「ホントのホント……?」
俺が頷くと、双子ちゃんは走って行った。それを目で追い掛けると、数件先のお店屋さんへと入って行った。すごく近い距離に家があった事にまず驚いた。そして、そこの店主……おそらく父親を店先に呼び出して俺達を紹介するという、もう訳の分からない事をしてから双子ちゃんは、ちゃんと家出をしてきた。
「一縷君、どうするの? 貴方のせいよ?」
「分からん。そして、ゴメン。自覚はある……というか、称号のせいだよな? なんか……ゴメン」
「さぁ、出発ね!」
「さぁ、出発よ!」
両手に元気な双子の女の子を加えて、俺達は街を見て回った。
◇◇◇
「ねぇ、お兄ちゃんは冒険者なの?」
「ねぇ、お兄ちゃんは荒くれ者なの?」
「冒険者だけど、荒くれ者じゃないよ? まぁ、街の為に何かしてる善人でも無いけど」
双子は落ち着きがない。一人ずつが元気っ子だ。
先ほどから質問の嵐だ。今まであった子より一歳二歳は上ぐらいだろうし、気になる年頃なのだろう。
双子ちゃんの興味は俺だけじゃなく、詩葉さんや聖女にだって向かっていく。こればっかりは、他の人がダメージ受けていると少し面白い。
「ねぇ、お姉さんはお兄ちゃんとどういう関係?」
「ねぇ、お姉さんもお兄ちゃんと付き合ってる?」
「し、知らないわよ」
「そうですよ~」
うーん。双子が楽しそうなのは良いけど……なんだろうこの感じは。もう、ただの子守りだしな。手を離したらどこかに行きそうだから離せないし、詩葉さんは聖女を叩いてるし、珍しく皆が落ち着いて無い感じだ。
「アキちゃん、フユちゃん、楽しいのも分かるけど……俺達もやる事があるから、少し落ち着いて」
「だって、楽しいんだもん! ね、フユ」
「なら、お兄ちゃんが私達を見分けられたら言うこと聞くよ! ね、アキ」
――なるほど、挑戦状という事か。
「一縷君、この子達を見分けられるの? 私、今もどっちがどっちだか分かってないわよ?」
「まぁ、やれば分かるよ。じゃあ後ろを向いてるから」
(正直、見分ける自信は無い。だが、当てる自信ならある。大人はいつだって卑怯なのだ。ぐふふふふっ)
「一縷君、良いわよ」
俺は双子達に向き合う。アキちゃんもフユちゃんも、見れば見るほど似ている。だけど……何故だろ? なんか、判るぞ?
どこで判断しているのかと聞かれても全然答えられないけど、直感的に判断が出来る。
いくら双子といえど、全く同じという訳じゃない。そこの微妙な判断が、何故だか俺には感じ取れる。雰囲気を掴めたのかもしれない。手に握っているお菓子を使わなくても良いかもしれない。
「右がフユちゃん、左がアキちゃんでしょ?」
「「「なんで!?」」」
おや、三つ子に? 詩葉さんまで驚くのはさっき自分が外したからだろう。負けず嫌いな一面もあるからな、詩葉さんには。
「ちょっと、もう一回よ! 双子、表情に出しちゃダメよ!」
――――そして。
「左がアキちゃん、右がフユちゃん」
――――――そしてそして。
「後ろがアキちゃん、手前がフユちゃん」
一縷、なんか楽しくなってきた。でも、そろそろ終わりで良いだろう。全問正解だし。
「お兄ちゃん凄い! なんで!?」
「お兄ちゃん凄い! どうして!?」
「…………ロリコン?」
心外だ。俺はロリコンじゃない。紳士だ。
いつ俺がロリコンになったというんだ? まったくもって失礼な詩葉さんだ。まぁ、称号だけで判断されたらぐうの音も出ないけど!!
「でも、あれだな……双子ちゃんの髪型は変えた方が良さそうだな。詩葉さん、リボンとかってどこの店で売ってるかな?」
「それは、双子ちゃん達へのプレゼントという事かしら? ふーん。一縷君、ふーん」
――うたはさんは、プレッシャーをはなった。
ここで選べる選択肢は実質一個である。ミスったら死。
「縁は大事にするけど、それより仲間を優先する男ですよ。俺のお小遣いから他の皆の分も払います……」
「私の分は一縷君が選ぶのよ? 私の分だけ。良いかしら?」
詩葉さんには複数の笑顔が存在している。全部、見惚れる程に可愛いのは保証するのだが、今のは脅す笑顔である。額から汗が流れ出したのがその証拠である。そんな笑顔を向けられれば、俺が言える事なんて一つしかない。
「よ、喜んで」
「よろしい。では、行きましょうか」
「なんか……怖いね、フユ」
「そうだね、アキ」
なんだ、俺が当てなくても良かったじゃないか。
とりあえず双子が大人しくなったし、多少の出費はあったが双子ちゃんも見分けが付く髪型にもチェンジ出来たし、お土産も買うことが出来た。さて、そろそろギルドにでも行きますかね。
◇◇◇
「おいおい! 子連れ家族がやって来たぞ?」
「武装してやがる! 冒険者か? いやいや、まさかなぁ!」
「「がはははははっ!!」」
昼間に飲んだくれている冒険者というのは、本当にどこにでも存在している様で、しかも何かと他人に絡んで来る迷惑な客と化す。
詩葉さんはダンジョンや最近のエルミック王国の状況について調べに向かった。
俺と聖女は特に何もしていない。双子も酔っ払いを無視してギルドに貼られているクエストを見に行った。どうやらギルドに入るのは初めての様で、テンションが上がっているらしい。気持ちは分かる。
「聖女がエルミックについて知ってる事って何かある?」
「そうですね~……特には無いですよ~」
「そっか、俺もだ」
「お揃いですね~」
こんな雑談をし始めるくらいに暇を持て余し始めた頃に、詩葉さんが戻って来た。どうやらダンジョンや街に関してある程度は調べ終わった様で、何か飲みながら話そうという事になった。
双子を回収した俺達は、ギルドを出てから近くのお店へと入った。
「先に安心して貰う為に言うけど、今回は全部で四十階層。それに特殊エリアの有るダンジョンじゃ無いみたいよ」
「おぉ!! なんかそれだけで一気に難易度が下がった気がするな」
という事は、指輪の様なアイテムを入手する為に時間を割かなくて済む訳だ。時間を掛けた割には結局使わなかったし、着けた所で奥に進めば進むほど暑いし寒かった。
「ただ、その分……シンプルな部分で、迷宮度とモンスターの強さが上がっているようね。だから、下手をすると食料が尽きても帰り道の目処が立たない状況になるわ。離ればなれにでもなったら終わりかしら?」
「おぉ……それはヤバイな。食料はある程度個人で持ってた方が良いのか?」
「そうね、トラップで強制的に……なんて事もあり得るもの。地図も自分達で描いていかないと駄目そうなのよ。偽物が横行しているらしくて」
本物を売っている人も中には居るだろうが、偽物と判断が出来ない以上、自分達で作っていくのが無難だろう。これはまた……時間の掛かりそうな案件だな。紙とインクはさぞ売れ筋商品だろうな。
「ダンジョンの入り口や出口の場所に変化は無いらしいのだけど、進めば進むほど難解になっていくらしいわ。ここも、最下層に辿り着いた者が居ないくらいに」
「マッピングはリコルや聖女に任せるとして……詩葉さんとロープか何かで繋いでおいた方がいざって時に良いかもね」
「私は一人だと戦えませんから~」
リコルには一応のお守りが有る。ルフィス、レーロは戦える。だが、聖女が一人になったらメインが付与魔法だし、ほぼ無力と言っても良いだろう。それだけは避けないとな。
「一縷君の案はほぼ、正解ね。でも、それでも強制的に転移するトラップも確認されているそうよ。過去に生き残った一人がその情報を残したらしいわ。今回はダンジョンに殺されかねないから、今までで一番準備や集中力を欠かない様にね」
「……だな。急ぐけど慌てない感じで。十階層単位で進むのか、地図を作りながらだからキリの良いところで引き返すのかは、詩葉さんの指示に従うよ」
「ねぇ、どうしてそんなに危険な所に行くの?」
「ねぇ、どうしてそこまで危ない事をするの?」
単純かつ明快な質問には、同じく単純かつ明快に答えよう。
「それは、お兄ちゃん達が冒険者だからだよ?」
「闇勇者よ?」
あ、うん! そこへの拘りが強いもんね、詩葉さん。
1話で、準備編が終わらなかったので次の最初らへんまで続きます。
誤字脱字その他諸々ありましたら報告お願いします!(´ω`)
《中二病の宇野宮さんはちょっとイタい》
https://ncode.syosetu.com/n0241et/
詩葉さんの中二病マシマシ学園編みたいな感じといえは、少しイメージが湧くかもですね!
まぁ、違うっちゃ違いますけど、よろしくお願いします!




