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第18話 他の勇者だよ2 in 異世界


大国1 エルミック王国 王 ジークス=エルミック マルグス王子 シャリー王女


主な男子勇者

坂倉和也『聖剣の勇者』

三倉祐也 『闘拳の勇者』


主な女子勇者

葉桜ひかり『聖女』

叶美空 『賢者』


他15名の計19名



大国2 ボルトン帝国 皇帝 ガルーラ=ボルトン


主な男子勇者

後藤雅也 『狂戦士』

北野涼介 『火の勇者』


主な女子勇者

佐島有加 『槍の勇者』

伊藤千香 『薬師』


他12名 計16名


※久しぶりなのでメンバーだけ紹介しておきます!

キャラが少し変わってる可能性もありです。

 


 先日、エルミック王国の王都でパレードが行われた。俺達、召喚された勇者のお披露目という理由でだ。


 慣れない馬車に乗りながら手を振ったり、国民の方達と握手をしたり触れ合いっていた。盛大に行われたパレードの次の日からは、王国の騎士団達と一対一でパートナーを組んで訓練が始まった。


 男子は俺を含めたほとんどが、体育の授業でやった事のある剣道での竹刀しか武器の扱い方を知らない。女子や一部の男子は全くの初心者であった。


 剣、槍、杖、棍棒……その他の武器を、自分のスキルや称号に合うヤツを選んで騎士に教えて貰っている。今は少しの休憩時間だ。



「坂倉様、訓練お疲れ様です」


「シャリー王女、お疲れ様です」



 シャリー王女は、こうして俺達の訓練の様子を見に来ては労いの言葉を掛けてくださっている。男子達はこれで残りの訓練を乗り切っていると言っても良いほどだ。



「シャリーでよろしいですのに。訓練は順調の様ですね。流石は勇者様達です、成長が恐ろしく早いですね」


「えぇ……パレードで見た、魔族のせいで親を亡くして住む家も無い子供達の為にも、一日でも早く強くならないとですからね!」



 最初はそう呼んでいたが……流石に他のお偉いさんの前で呼ぶと睨まれた。それからは敬称を忘れない様にしている。


 強くなる事に関しては俺だけの考えでは無く、皆の総意だ。先日のパレードで見掛けた人の中には年端もいかぬ子供がボロボロの服を着て座り込んでいた。その光景を目にしてから、どうやら女子の方にも火が付いた様で訓練も頑張っていた。



「ご立派です。私達の方でも色々と孤児の為に策を考えていますが……何かと縛りも多くて、すいません勇者様方にはあまり明るくない側面はお見せしたくありませんでしたが……」


「いえ、むしろ皆のやる気に火が付きましたよ!俺達も頑張りますから、王女様も無理はなさらないように」



「はい、ありがとうございます。訓練の方は騎士団長にお任せしていますが……一度、ダンジョンへお連れするように進言しておきますね。基礎が終わってからになると思いますが、レベルを上げる必要もありますからね」



 ダンジョン。少しだけ話には聞いている。モンスターが生息している、何十層もある迷宮らしい。モンスターの事も自分達のレベルの事も勉強している所で、新しい事ばかりで少し楽しくなっている。



「お~い、和也!」


「ん?どうした、祐也」



 俺の親友である三倉祐也は『闘拳の勇者』である。だから武器らしい武器は持たず、殴る為の籠手、グローブを嵌めている。



「午後は魔法とかスキルの訓練に変更だとよ!んま、そんだけ」


「そうか、ありがとう祐也」

 

「では、午後の訓練も頑張ってくださいね!」



 シャリー王女との会話も終わり、俺は勝也と他の女子二名の所へと向かった。一応、男子の代表は俺でサポートに祐也が付いている。向かっているのは女子の代表である、葉桜ひかりさんとそのサポートの叶美空さんの所だ。


 葉桜さんは『聖女』、叶さんは『賢者』という称号を持っていてどちらも後衛組を取り纏めて貰っている。



「葉桜さん、叶さん」


「坂倉君、どうかしたの?」



 俺は祐也から聞いたばかりの情報を伝えた。後衛組……魔法関連のスキルが多く、武器の訓練が大変そうだった皆は喜ぶだろうな。前衛組よりもスキルの差があってか、素振りとかキツそうだったし。



「分かったわ。女子達には連絡回しておくね……美空ちゃん、良かったね!」


「私、『賢者』ですよ!?魔法関連のスキルしか無いのに素振りしてどうするんですかぁ!」



 叶さんは小柄だし、筋力も低そうだから大変だったんだろうな。ガミガミよりプンプンという表現が似合ってるな。



「葉桜さんは『聖女』だったっけ?なんか……凄いね!」


「『聖女』なんてキャラじゃ無いんだけどね。でも、私も回復魔法とか光魔法ばかりだから武器の訓練はキツかったかな?凄いのは坂倉君の方でしょ?『聖剣の勇者』なんて主人公みたいだし!」



 確かに、アニメや漫画の世界だと聖剣という物は相当に強い武器だろう。俺が剣を持って力を込めれば、どんな武器でも聖属性の力を帯びるらしい。まだ試した事が無いから分からないから、早く試してみたいものだ。



「そうかな……少し照れ臭いけどね」


「何言ってんだよ!ピッタリじゃねーか?」


「そうですよぉ!似合いすぎてびっくりです」


「じゃあ、女子のリーダーは私だけど、総合的なリーダーとしても期待してるわよ?」



 そうだよな、皆のリーダーとして頑張っていかないとな!


 俺達はそこから更に数日、ダンジョンに入るまでの期間はひたすら基礎の特訓を頑張った。



 ◇◇◇



 今日はダンジョンに潜るらしい。ここ数日は前衛組は武器の扱いを、後衛組の私達は魔法の訓練をメインにやって来た。


 ダンジョンへ潜る際には五人パーティーで各パーティーに騎士の方が一人付いてくれるみたい。この国に召喚されたクラスメイトは全員で19人だから、私達のパーティーだけは四人編成だ。



「ひかりちゃん、頑張ろうね!」


「そうだね、怪我しても私が治してあげるから任せて」



 とは言ったものの、後衛組の私と美空ちゃんより前衛に居る坂倉君と三倉君の方が怪我しやすいだろうな。というか、二人の名前が少し似ていてたまに間違えそうになってしまう。



「俺達は四人だけど、その分バランスも良くね?」


「そうだね。俺と祐也が前衛で頑張って、叶さんの魔法と葉桜さんの補助に頼る。うん、結構良い感じかもね!」



 今頃アイツはどうしてるのかな?私達の住んでいた向こうの世界はどうなってるのだろうか。それと、帝国の方に居るだろう有加の事だけが気掛かりだ。


 ――霧島一縷。同じクラスでまた一緒の学校で楽しく生活する予定だったんだけどな。


 美空ちゃんは良い子だし、坂倉君もリーダーとして頼りにしてるけど……気が抜けない。どうしても知り合いが居ないというのは疲れが溜まってしまう。


 表面的な部分を取り繕って良い子にしておけば……余計ないざこざも起きないし、雰囲気も悪くはならないけど――ひどく面倒だ。


『聖女』という称号も気に入らない。期待されるのはごめんなのに。はぁ……。



「ひかりちゃん、緊張してるの?」


「まぁ、それはね。だって、訓練と違って実戦でしょ?少し怖いかな……美空ちゃんもまだ覚えているでしょ?」



 魚を捌くのとは訳が違う。生きてるのを殺すのだもの、面倒に決まっているじゃない。


 訓練を始めたばかりの頃、騎士団の人達が捕まえて来た魔物を殺して見せた事があった。


 生きてたし、寸前まで声を発していた魔物が血を撒き散らして静かになった光景は記憶に新しい。女子も男子も吐いた者がいたし、目を背けた者もいた。


 戦わないといけないのは分かっているけど……面倒の一言しか出てこない。



「うん……でも」


「分かってるよ、戦わないといけない事はね!私達も頑張りましょう」



 ダンジョンの入り口まではクラスメイト全員で移動した。その間も街の人は声を掛けてくれたりしていた。……対応は坂倉君に任せたけど。


 ダンジョンへは私達のグループから入ることになった。まずは騎士から説明を受けて、何かあればその都度後ろから教えてくれる事になった。とりあえずはレベルを上げる事と慣れる事に集中すれば良いらしい。



『ぐぎゃぎゃぎゃぎゃ!』



 あれがゴブリン?……醜悪ね。嫌悪感しか出てこないわ。



「じゃあ、俺から行ってくる!」



 少し緊張した面持ちで坂倉君が走り出して……ゴブリンの頭と首を分断して走り抜けた。それだけ。……でも、初戦闘で緊張してたのか肩で息をして疲れている様子に見えるわね。



「ふぅ……うぅ、これが殺すという事か。……キツいな」


「お疲れ様、一度交代しよ!焦らなくていいと思うしさっ!ね?」


「あぁ、葉桜さんの言う通りだぜ?次は俺が行くからよ」


「その次は、私の魔法を試させてください~!」



 何でそんなにやる気があるのだろうか。騎士の方が話してくれた、パーティーなら経験値は平等に振り分けられるという話を忘れたのだろうか。


 戦いの技術は身に付かないだろうけど……私は完全に後衛で補助と回復だけで良いかなぁ。スキル上げに専念しよう。


 一階層を散策する。ゴブリンを見付けては倒し、見付けては倒していく。


「うらぁ!!」


「水魔法『水刃』!」


「……『癒し(ヒール)』『癒し』『癒し』」



 無駄に掛けてしまっているが、どうせこの辺なら魔力を節約しなくても怪我なんてしないだろうし……別に良いよね。



「うん、少しは落ち着いて倒せる様になってきたかな?」


「だな、スキルを発動させながら殴ると面白いくらい吹き飛ぶぜっ!」


「魔法を出す感覚……なんか不思議で面白いですっ」


「私は、皆に怪我が無くてホッとしてるよ!無理だけはしないでね?」



 そういえば、このダンジョンは何階層あるんだったっけ……?確か、五十くらいだったかな?……長いなぁ。

 


「皆、帰る時間も考えると、お昼を挟んでからは余りダンジョンには居られないからな。今の内に頑張ってくれ!」



 騎士さんにそう言われ、三人がやる気を見せる。私も一応はやる気を出してる風を装う。


 はぁ……一縷か有加が居れば、楽なんだけどなぁ。



 お昼を食べ終えた後の皆は、より一層元気でダンジョンを探索してはゴブリンを倒していった。今日はお試し感覚で入った為、下の階層には行かないで一階層で引き返す。



「訓練なんかよりここに来た方が余程いいんじゃねーか?」


「ダメだよ祐也、騎士の方に教えて貰ったからこそ怪我も無く戦えたんだから」


「私はもっと命中率を上げないとですからぁ、訓練が必要です~」


「レベルを上げたい気持ちは分かりますよ!でも、スキルも鍛えないとですしね!」



 そんな話をしながら、私達は泊まっている城へと向けて帰っていった。良い知らせとしては、全員が無事だったこと。悪い知らせとしては、数人が打撲程度の怪我をしたことかな。私が治せる程度の怪我で良かったけど……ゴブリンにやられてる用じゃ先が思いやられるなぁ。



 はぁ……召喚されなかった一縷はともかく、有加とは何とかしてあえないかなぁ。



 ◇◇◇



 王城の一室。王の執務室で私は報告をしていた。王であるジークスに勇者達の事を。



「シャリー、様子はどうだ?」


「今の所、何も問題はありませんわ。先日のパレードでの仕込みが良かったのか、士気は高まっています。騎士団長にダンジョンへ行かせるよう進言もして、本日行ってきた様子です」



「うむ。不満が出たら欲を満たしてやれ。男には女を、女には男を。国から離れない様に徹底しろ」


「はい。一部の者が帝国に居る勇者に会いたいと申しておりますが、如何いたしますか?」



「その前に聞け。小国ソフュールの小娘の暗殺に成功したらしい。それと、何故だか知らぬが勇者も二名召喚されていたらしいが……そやつらも死んだと報告が来ておる。しばらくは影武者で誤魔化すらしい」


「……シルフィス王女が死んだのは本当ですか?お父様」



「そういえば、お前らは子供の頃に何度か会っていたな。気に病むか?」


「……いえ、ですが理由くらいは知りたいと思います」



「私が知っているのは、召喚に失敗する筈だった小国が何故か成功したせいで……困る貴族が出たという事だけだ。おそらく帝国と繋がりを持っていた貴族のやらかした事だろう」


「そう……ですか。分かりました、失礼します」



 私は部屋を出た後に思い出した。帝国の勇者に会いたいという件の返答を貰う事を忘れていた……と。


 それを忘れる程に内心は焦り、怒り、不安、様々な感情で満たされていた。



「シルフィス……」



 帝国……。

 くそっ……帝国帝国帝国……帝国がぁ!!

 よくもよくも!よくも……よくもシルフィスを!!



「ふぅ……」



 私はシルフィスとの思い出と共にこの憎悪の感情を胸の内にしまう事にした。――時が来るまでは。



 ◇◇◇◇◇◇



「おら、テメー等!振れ!もっとだ!もっともっとだぁ!!」


「くっ……腕がもう」


「おい、頑張れ!また痛みがやって来るぞ!」



 前の方で、男子同士が励まし合っている。私達はみんな並んで同じ訓練を受けていた。武器は違うが、ずっと素振りをさせられている。


 強さを求めているボルトン帝国流だと言われ、私達が反逆出来ないのをいい事に騎士の人達から厳しく指導されていた。



「ゆ、有加……私、もう無理だよぉ~」


「千香さん、頑張って……キツいけど……今は、やるしかないの……よ」



 先日のパレード終わりから訓練を始めて、素振りやこの世界の知識、モンスターの情報……寝る時間は確保されているが、それ以外の時間は厳しく管理されていた。


 つけられた腕輪は外そうとするか、皇帝の持つスイッチの様な物で発動すると……私達の肉体に容赦無く痛みを与えてくる。最初はどうにかしようとしていた男子達も、今は諦めて訓練をしていた。



「そこっ!!しっかり振れ!!」



 騎士の人達から怒気を含めた言葉が投げ掛けられる。けして強くは無い私よりも、さらに気の弱い女の子も居る。その子達にとってはストレスな空間になってしまっているだろう。



「うぅ……嫌だよぉ……何で私達はこんな事を……」



 私と同室の女の子、伊藤千香さんの称号は『薬師』だ。前衛ではなく、後衛と言うよりも補給部隊や医療班にいる様な称号持ちだ。


 称号が『槍の勇者』である私は、スキルの恩恵やステータスのお陰で千香さんよりはいくらかマシだ。だから、どうにかしてあげたいけど……手助けは許されていない。



「お前等!数日後にはダンジョンへ向かう事になる。それが皇帝の意向だ!それまでに知識と技術を詰め込むぞ。覚悟しておけ!」



 不満の声は、もう出ない。そんなレベルにまでなっていた。



 その日もくたくたになりながら、どうにか訓練を終える事が出来た。……私はだけど。女子の中には怒鳴り散らされた女の子も居て、それを女子グループで慰めたりしている。男子は自分の事で手一杯なのか、泣いてる女子を気にも止めない。それだけならまだマシだが……残念な事に露骨に苛立ち、舌打ちをする男子も居ない訳ではない。



 私は、自室で他の国に召喚されたであろうひかりちゃんを思い浮かべていた。それに……



「ううん、一縷君は居ないんだもん。今度は私が自分自身で立ち向かわなきゃ……だよね。ひかりちゃんは大丈夫かなぁ?」



 それから数日後、私達は騎士の見張りと共にダンジョンへと向かっていた。ボルトン帝国に召喚された私達は全員で十六名、男子八名の女子八名。男女二人ずつの四パーティーを作る事になった。


 私の班は、私と千香さん。男子は、男子のリーダー格である後藤雅也、北野涼介という二人だ。



「ええっと……自己紹介とかも全然してなかったよな、俺は北野涼介!称号は『火の勇者』ってやつだ。よろしく頼むぜ!」



 見た目……というか、最初は不良かと思った通りけど凄く爽やかな挨拶だ。『火の勇者』と言うだけあって得意なのは火魔法の様で、火魔法の扱いに関しては頭ひとつ抜けているみたいで頼りになる。



「私は……佐島有加です。『槍の勇者』です。あの、だから、前衛です……。よ、よろしくお願いいたします……」



 よしっ、上手く挨拶も出来た。男の子と話すのは少し苦手というか、緊張するけど、同じパーティーで危険も乗り越えていかないとだから、円滑にコミュニケーションを取らないと。



「私は……『薬師』の伊藤千香です。色々と薬を調合しましたけど、それしかお役に立てませんが……よろしくお願いします」



 パーティーには回復を担ってくれる人も必要だし、頼もしいよ。……それで、最後の人。素行が荒くて、北野君よりも更に怖そうな人だ。



「……ちっ、後藤雅也だ。足引っ張ったらぶっ殺すぞ。ただでさえこの国に苛立ってんだ、訳も分からねぇし……くそが」



 ひっ……。ダメだ。苦手というか近付きたく無い。千香さんも居るし、私がしっかりしないといけないけど……うぅ。



「ま、その苛立ちはダンジョンで晴らそうぜ!強くなる為と言えば、ここじゃなくてダンジョンで鍛えられるかもしれねーし」



「……アリだな、とりあえず行くか」



 私達はダンジョンに辿り着いて、中へと入って行った。中は少し肌寒い。どんな仕掛けか分からないけど、明るくて視界は確保されている。


 私は帝国の城から借り受けている武器を一番長く持って、通路の幅の確認をした。振り回してもまだ余裕はあるから戦闘で困る事は無さそうだ。



「あれは……犬?いや、狼っぽいか?」


「んなの、どうでもいいぜ!俺がやるからてめぇ等は下がってろよっ!」



 後藤君が一人飛び出して、手に持っている剣で狼を切り伏せた。たぶん、私達には連携プレイという物は出来ないだろうし……自分が怪我しない事と、千香さんの事くらいは守ってあげないと。



「あの、質問です。このダンジョンって五十階層でしたよね?最高の到達層は何階なんですか?」


「43階層だ。うちの団長のグループが行った階層でもある」



 凄くぶっきらぼうだが……聞いたら答えてくれるみたいだ。年相応の落ち着きがあって、若い騎士よりは接しやすいかもしれない。



「じゃあ、俺も試してみよーっと!」



 戦いは後藤君と北野君の二人がメインで戦い、私と千香さんの出番はほとんど無かった。生き物を殺す覚悟があるかと聞かれたら……私には無いのだろう。戦わなくてホッとしてるのがその証拠だろう。


 いずれは戦わなくちゃならないとしても、出来るだけ引き伸ばしておきたい。……その時の為にも今は素振りでもしておこうかな。



 ◇◇◇



「おい、ソフュール王国の王女を暗殺した報せの裏は取れたのか?」


「はっ!ソフュールに根を張っている我が国と手を組んだ貴族を調べて裏を取りました。ソフュール王国に何故か二名程、勇者が現れたらしいのですが、その勇者毎シルフィス王女を殺害したとの情報は正しいようです」


「勇者二名か……一人でも化ける事がある勇者だ。消せたのなら重畳……それで構わん。それで、国の様子は?」


「はっ!城内、貴族間で疑心暗鬼になっている様ですが、とりあえずは影武者を用意する事で時間を稼ぐとの報せが入ってます」


「くくっ……後はエルミック王国より活躍するだけであるな。最悪、向こうの勇者をこちらに連れてくるという策もいいか……。交流の目的でどこかで会合を開くか祭りを開くのもよかろうな」


「エルミック王が了承するでしょうか?」


「しないであろうな。奴は安全な策しか取らぬ臆病者よ」


「では……」


「全員は無理でも少数で、互いの勇者の実力を見せ合いを持ち掛ければ乗るであろう。王としての立場もあるからな。案をもう少し練るか……おい、もう下がってよいぞ」


「はっ、失礼いたします」



 それから半月後に、ボルトン王国からの手紙がエルミック王へと届き、その半月後に了承の返事が帰って来た。


 お互い五人ずつの勇者を選定して連れていき、中間にある国のラッカーラ王国で模擬戦とお祭りを開催することに決まった。


 この二大国の決定に逆らう事の出来ないラッカーラ王国は対応に追われ、二大国からの援助金を使いながら一ヶ月の間は忙しいく動き回っていた。



 ボルトン帝国の手紙から二ヶ月後、勇者が召喚されてからほぼ三ヶ月後にようやく二大国の勇者が再会出来る事となった。





 ◇◇◇



「お祭りだってよ。詩葉さん、ルフィス、リコル……ついでに行ってみようぜい!」


「やれやれ、まだダンジョン攻略しきれて無いのよ?」


「この国にある耐熱耐寒の指輪が必要なんですよね? なんで、帝国に置いてないんですかぁ~。買い占められたとか言ってましたけど……それにお祭りってなんですかぁ?」


「ダンジョン暑いし大変だったもんね……。でも、お祭り行きたいっ!」



久しぶりにクラス転移という設定を思い出しました。


誤字脱字がありましたら報告お願いします!

(´ω`)

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