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4話 お店が無くなっちゃうよぉ

広場の人並みを掻き分け進むと立て札が立っているのが確認出来た。


――数年後に復活する魔王との戦争のため税金を倍に上げるものとする。払えない店は兵器工場に改装とする――


「ふええええええええええええぇぇぇぇ」


 たっ大変だよぉ。今でもギリギリなのに税金が上がったらお店が潰れちゃうよぉ!!


 両手を上げてどうしよ〜と周りを走り回るミーシャを見かねてトーマが声をかける。


「なあ、ミーシャのお店って大丈夫なの……」

「大丈夫じゃないよぉ。このままじゃお店が無くなっちゃうよぉ……」


 トーマのセリフに食い気味に言うあたり本当に大丈夫じゃない事がうかがえる。


「大変だよぉ」「大変だよぉ」「大変だよぉ」「大変だよぉ」「大変だよぉ」


更に大変さをますミーシャではなくミーくんに改めて聞くことにするトーマ。


「なあ、ミーシャの店ってそんなに儲かっていないのかい?」

「まあ近くの森で採れる素材を使った簡単な回復薬や初心者用の武具が主な商品だからね。今までは何とかやってこれたけど税金が上がるとちょっと厳しいかもね」

「なら遠出して良い素材を使った凄い回復薬を置いたり、上級者向けの武器とか扱えばいいんじゃないのか?」

「強い武器を商品として扱うにはお店のランクを上げないと駄目なんだ。毎月の売上が一定額を超えると少しづつランクが上がっていって強い武具が扱えるようになるんだけどミーシャのお店の売上はそこそこで最低ランクだから初心者用の武器しか置けないってわけさ。それに良い素材を求めて遠出したら強い魔獣を相手にしなきゃならないんだ。流石に僕やミーシャだとすぐにやられちゃうよ。強い用心棒を雇おうにも僕らにそんなお金はないから無理なんだ」


 ふーむどうしたものか……と悩むトーマ。いまだに慌てふためくミーシャを見つめ。


「よし、なら俺が用心棒をやってやるよ!」

「君がかい? こんな事言うのも何だけど君は戦えるの?」

「ああ俺は魔法が使えるんだ!」

「ええっ、どうやって使うつもりなの?」

「そりゃあ、こうやって……あれ……」


 ……魔法ってどうやって使うんだ?


「あんの糞ジジイ俺には魔法の才能があるとか言っておきながら魔法の使い方教えてねーじゃねーか!!」


 理不尽に床を踏みつけるトーマに呆れたミーくんが説明をする。


「いいかいトーマ、魔法を使うのに必要なのはまず杖、そして触媒となる鉱石、この2つを使って魔法を発動させるんだ。そして1年以上の修行を行ってやっと初級魔法が使えるんだよ」

「ああ、それなら問題ない。なんせ俺は10年修行したんだからな! 道具さえあれば最強魔法使いトーマ様誕生ってわけだ」


 やれやれとミーくんは話を続ける。


「で? 杖と触媒はどうするのさ?」

「そりゃあミーシャの店にあるのをちょっと借りてだな。ああちゃんと使い終わったら返すから安心していいぞ」


「……ミーシャの店には初心者用の杖しか置いてないんだけど」

「それがどうかしたのかい?」

「あのねトーマ。いくらインフェルノ(※最強クラスの炎魔法)が使える大魔法使いでもね。初心者用の杖じゃ初級魔法のファイアーボール位しか使えないんだよ。それ以上の魔法を使ったら発動する前に杖が壊れてしまうんだ」


「……マジで!?」

「それに初級魔法なら安価な鉱石を触媒にすればいいんだけど上級魔法になると宝石が必要になるんだ」

「俺役に立たないじゃん!!」

「まあファイアーボールでも使える仲間がいれば今より少し遠くに行けると思うから本当に使えるなら助かるよ」


「異世界で俺tueee出来ると思ってたのに……こんな事なら伝説の杖でも貰っておくんだった……」


 しょんぼりとうなだれるトーマの元に立ち直ったミーシャが駆けてくる。


「あのあの、トーマさん魔法使えるって本当ですか?」

「おやミーシャ、大変だよぉ音頭はもう終わったのかい?」

「そんなの踊ってないよぉ。もぅミーくんの意地悪……」


 ミーくんの入れる茶々に頬をぷぅと膨らませて拗ねるミーシャだがすぐにハッと本題を思い出して続ける。


「そんな事より大魔法使いのトーマさんにお店を手伝っていただけるって本当ですか?」


 目をキラキラと輝かせて期待の眼差しを向けるミーシャ。


「ああ、大魔法使いかはわからないが、多分それなりの魔法なら使えるはずなんだが……けどいくら強い魔法が使えてもミーシャの店には初心者用の杖しか置いてないんだろ?」

「あぅぅ、そうでした……せっかく手伝ってくださるのに強い杖を用意出来なくてごめんなさい……」


 ふぇぇ、と泣き出しそうなミーシャにトーマは声をかける


「まあ、無い物は仕方がないさ。どこかの大魔法使いが古い杖でも恵んでくれればな~」


 トーマの何気ない一言にハッっと何かを思い出したミーシャ。


「どうかしたのかい?」

「実は少し前に魔法使いのお爺さんが町外れに住んでて故郷に帰る前にこれまでのお礼って事で物干し竿代わりに使ってた杖を貰ってたんです。ひょっとしたらわたしのお店で売ってる初心者用の杖よりいい杖かもしれません!」


 もう藁にもすがる思いだが仕方がない。


「まあ確認するだけしてみるか。使えなかったら初心者用の杖を使えばいいわけだし」

「そうと決まったらお店に行こうか」


 ミーくんが膳は急げと先導を切って歩き出す。


「えへへっ、実は貰ってからわたしもお洗濯の時に使ってるんですよね。魔法の力で長さが変わったり凄いんですよぉ。でもトーマさんに必要なら貸してあげますねっ」


 ん? 長さが変わる? 何か嫌な予感がするんだが……


「ま、まあとりあえず店に案内してくれ」


「はいっ、こっちですトーマさん」


 一同はミーシャの店へと歩き出した。


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