表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/6

3話 自己紹介は大変だよぉ

「ありがとう助かったよお嬢ちゃん。俺は蒼那野そうなの 冬馬とうまって言うんだ」

「しょうにゃのとーまさん?」


 あうぅ……なんだか変わったお名前だから言いづらいよぉ。


「しょうにゃじゃなくてそうなのだよ」

「しょうにゃのしゃん?」


 はうぅ……また間違えちゃったよぉ。


「さんは付けなくていいよ、そうなの」

「しょうなのぉ……?」

「ぐはっ」


 あれれ? 何だかお兄ちゃんが急にもだえ始めちゃったよ。お腹が空いてるのかなぁ。


「お兄ちゃん大丈夫? お腹すいちゃったの? サンドイッチならあるよ?」

「ああ大丈夫だ問題ない(さすがに異世界の幼女が俺の世界の大スターのモノマネをする人のモノマネするとか反則すぎんだろ)」


 手を突き出し大丈夫とジェスチャーをする青年にほっと安堵するミーシャ。



「まあ冬馬でいいぜ」

「はいっ、よろしくお願いします。トーマさん!」

 えへへっ、異国の人と知り合いになっちゃった。他の街の事とかいろいろ聞けたら嬉しいな。


 るんるんと軽くステップして嬉しそうにしていると足元から声が聞える。


「そんな事より君の方は名乗らなくてもいいのかい?」

「はわわっ、忘れてました。」


 その場にピタッと立ち止まりトーマの方を向いて改めて自己紹介。


「初めまして、わたしはミーシャって言います。街で雑貨屋さんをやってます。良かったら今度お店に来てくださいね」


 へへっ、初めて会う人にはお辞儀をして元気よくご挨拶しましょうって教会のシスターさんから教えてもらったんだ。

 これでもミーシャちゃんはいつも元気だねってよく褒められるんだよぉ。

 それから足元の猫を抱きかかえて話を続ける。


「こっちはわたしのお友達のミーくんです。何と喋る猫さんなんですよ!」


 ドヤっとした顔もかわいいミーシャちゃん。


「ドーモ、まあ友達と言うより保護者みたいな感じなんだけどね」

「ああこちらこそよろしくな」


 ……あれれっ? みんなミーくんが喋るって聞いたら「すごーい」とか「ええっ」って驚いたりするのに何でトーマさんは驚いたりしないんだろ?


「ん? どうかしたのかい?」

「え……あっ……はいっ!?」


 はうぅ、お話の途中だったのに考え事しちゃってたよぉ。


「えっとですね、みんなミーくんが喋る事を知ったら驚くのに何でトーマさんは驚いたりしないんだろうなって思って。もしかしてトーマさんの所は喋る猫さんが沢山いるんですか?」


「いや、俺が住んでいた所ではそんな猫はいなかったぜ。ただ俺はその辺の一般人と違ってこういう経験は何度も頭の中でシミュレーションしてるから些細なことでは驚かないのさ。まあ馬が空を飛んだりしたら飛んだああああああって驚くかもしれないけどな」

「ふぇぇ、何だかよくわかりませんけどトーマさんって凄いんですね!」

「まあ、そんな事もあるかな。ガハハ」


 もしかして学者さんとかなのかな?あっ、そういえばご挨拶の途中だったんでした。


「あらためまして、よろしくお願いしますトーマさん」

「ああ、よろしくなミーシャ」


 さり気なく手を伸ばして握手しようとするトーマ。


 ふっ、いきなり幼女と握手する機会がやってくるなんて転生して正解だったな


 ミーシャと手が触れる直前どこからか声が聞える。


「そんなことよりミーシャそろそろ夕方だけど早く魔法の草を探さなくてもいいのかい?」


 ミーシャの手が止まってわたわたと周辺を確認し始めた。


「いけない、早く探さないとお日様が暮れて見つからなくなっちゃうよぉ」


 トーマさんとのお話が面白くてつい長話しちゃった。今から間に合うかなぁ……。


「あーミーシャ? 良かったら俺も手伝おうか?」

「えっ、いいんですか? それじゃあこの草と同じ物を探してください」

「ガッテン承知だ」


――数分後


「ふぅ、何とか今回必要な分は採取できました。ありがとうございますトーマさん」

「いやいや、喉がカラカラで倒れていたのを助けてもらったお礼をしただけだよ」


 あのクソ神様め、いくら異世界の最初は幼女に助けてもらってから始めたいって言っても、もうちょっと他に無かったのかよ。危うく死ぬところだったぞ


「あのあの、トーマさんどうかしましたか?」

「あーいや、何でもない。ところで君の家で夕飯をご馳走になってよかったのかい?」

「はいっ、採取を手伝ってもらいましたし。他の街の事についても色々と聞きいてみたいですから」

「ところでトーマ、君は何であんな場所で倒れてたんだい?」


 ふとミーくんが疑問を問いかける。


「まーなんだ、転送先に失敗と言うか無理やり変な場所に送られたというか……ここに来て気が付いたら周りに誰もいない場所にいて三日三晩ずっと誰かがいる場所を探し回ってたんだ」

「へぇぇ、じゃあやっぱりトーマさんは他の国から来られたんですね!」

「まあそんな感じかな」

「あの、もしよかったら前にいた国の事教えて貰えませんか?」

「ああいいぜ、まだ街は見えないみたいだし付くまで色々と話してあげるよ」

「本当ですか?ありがとうございます!」


 やった〜実はあんまり街から遠くに行ったことがなかったから他の場所の事って殆どしらないんだよね。どんなお話が聞けるんだろう。すっごく楽しみだよぉ。


 その後は人を乗せてお空を飛ぶ大きな鳥さんや鉄で出来た馬車とか教えてもらったんだぁ。

 なんだかよくわからないけど、他の国って凄いんだなぁ。

 わたしも1回行ってみたいな。今度ミーくんに相談してみよっと。


 それからもトーマの話を聞きながら歩みを進める。その都度ミーシャはすごーいと驚き続けるのだった。


 街の入り口が見始めた頃ふと足元から決起迫った声が聞える。


「ん?ミーシャ見て! 何だか街の様子がおかしいよ」


 ミーくんの声に導かれるまま門の中を覗き込むミーシャ御一行


 あれれ? 門の近くの広場にすごい人だかりが出来てる!? ……ふぇぇ……なんだか嫌な予感がするよぉ……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ