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2話 わわっ、異世界から誰か来たみたいだよぉ

――ここは剣と魔法が支配する世界――


「今日も1日がんばるよっ!」


 おひさまが顔を覗かせる少し前、朝の商店街に少女の元気な声がこだまする。

 ブロード商店街の一角にたたずむ小さなお店「三毛猫商店」の開店は小さな店主ミーシャの掛け声と共に始まるのだ。


 体に黒いローブを羽織り金髪をツインテールにしばった頭の上に猫耳付きトンガリ帽子と、いかにも魔女っ子といった格好の少女がやっているお店は、魔法の武器や道具を扱う雑貨屋さんである。

 今日もせっせと開店準備を始めるさなか、ミーシャ以外に誰もいないはずの店内からふと声が聴こえる


「ミーシャ、今日は魔法の草を集めに行く日じゃなかったかい?」


 ミーシャが足元を見ると小さな三毛猫が自慢の尻尾を振りながら歩いて来るのが見えた。

 この三毛猫商店のマスコットでありミーシャの使い魔である三毛猫のミーくんである。


「あれ? そうだったっけ? いっけない早く出かける準備をしなくっちゃ」


 ドタバタと今度はお出かけの準備を急ぐミーシャ。


「そういえばミーくん、またお隣のクロちゃんと喧嘩してたでしょ?お友達とは仲良くしないといけないんだからね!」


 ミーシャは頬を少し膨らませて「めっ」と言った感じの仕草をする。


「何か勘違いしているようだけど僕とあいつは友達じゃなくて宿敵ライバルなんだ。それに喧嘩じゃなく戦闘と呼んで欲しいね」

「も〜クロちゃんとの事になるといつもよくわからない事言うんだからぁ」

 ミーくんといつものやりとりをしながらパンにレタスを挟んでレタスサンドを作り始めるミーシャ。


 お気に入りのリュックにたっぷり水を入れた水筒、手作りサンドイッチのお昼ごはん、非常時の爆弾などを詰め込み出発の準備は完了です!


「あっそういえばお洗濯物が少し溜まってたんだった。今日はお天気もいいし、少し干してからお出かけしよっと」 


 軽くお洗濯をして戸締まりを確認して後は出かけるだけだよっ。


「それじゃあ、いってきま~す」


 元気よくお出かけの挨拶をした後、三毛猫商店を後にするミーシャとミーくん、少し歩いた所でミーシャがハッっと何かを思い出して、とてとてとお店の扉の前に戻ってゆく。

 パタンと営業中のプレートを裏返し休業中に変更すると。


「えへへっ、それじゃあ今度こそいってきま~す」


 1人と1匹は街の奥へと消えていった。


――近場の森――

 魔法の草や触媒に使える石ころなどが手に入る街からすぐ近くの森。

 遠出する場合は用心棒を雇ったり、強い武器や道具を用意する必要があるが、街からそう離れていない近くの森ならば少女と使い魔1匹でも危険は少ない。その代わり初歩的な魔法の道具の素材しか入手出来ない。



「まっほう~♪まっほう~♪まほうのハ~ブ♪

 きょ~うもたっくさんとっれるっかな~♪」


 鼻歌を歌いながら山道を登っていくミーシャとその横をやれやれと黙って付いていくミーくん。


「ミーシャ、君はそのヘンテコな歌を歌わないと山道を歩けないのかい?」


 呆れた様子で話かけるミーくんに対してミーシャは満面の笑顔を作り言葉を返す


「えへへっ、お歌を歌うとね、魔獣が寄ってきづらくなるんだよぉ」

「それは知ってるけどもっと他にまともな歌はないのかい?」


 ミーくんの感想など気にも止めずミーシャは歌を続ける。


「えー!? 楽しいお歌だと思うんだどなぁ

 まっほう~♪まっほう~♪………ってわわっ!? ミーくん見て! 道に誰か倒れてるよぉ!」


 2人が道を見上げると道中に男が倒れているのが確認できた。


「大変だ、急ぐよミーシャ!」


 2人が人影に近づくにつれミーシャは不思議な感覚にとらわれていく。


 ……なんだろう何か変な感じがする


 人影の近くにたどり着くとミーシャが驚きの声を上げる。


「はわわっ、なんだろうこのお兄ちゃん見たこと無いお洋服を着てるよぉ。ミーくんこの服どこの国の人か知ってる?」

「僕もこんな服見たことが無いよ。それより早くこの人を何とかしないと」


 二人のやり取りに倒れていた男が気が付き声を発する。


「な……に……か……飲……み……を」


「えっ? 飲み物ですか? たしか水筒にまだお水が残ってたはずです!ええ~っとこれでもないこれでも……」


 わたわたをカバンをひっくり返して水筒を探すミーシャ達。


「あったよ水筒! お兄ちゃん早くこれを飲んで!!!」


――これが俺とミーシャ達との初めての出会いだった――


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