ダイバー
掲載日:2016/12/04
私は泣いた
訳なく泣いた
どうして泣いているのか
と尋ねられたら
それを無視して
私は行った
私は泣いた
訳なく泣いた
涙が髪や頬や鼻先を伝い
海の味がすると
今さらになって
初めて知った
私は泣いた
訳なく泣いた
どうして泣いているのか
知れなかった
何も知らないから
涙が溢れた
私は泣いた
知らずに泣いた
上を向いても涙は溢れる
目だけが溺れて
何も見えなくなるから
私は前を向く
私は知らない
何も知らない
だから私は
涙が止まらない
だから私は沈んでいく
誰も知らない孤独の海へ




