9話 魔法実習
翌日、魔法による実習が行われた。
場所は昨日とは違い遠くに的が設置された、謂わば弓道場みたいな所だった。
「いいか、先ずは初級の魔法から教える。既に使えるだろうが一応基礎として教えておく。この魔法はどの属性にも使える魔法だからよく見ておくように」
そう言って先生が手を的に向けて
「ファイアーボール」
その瞬間先生の手からバスケットボール並の炎の球が出てきて的に直撃した。
的は粉々に破壊され燃えていた。
「ボール系の魔法はどの属性の魔法にも存在する魔法適正20以上なら出来る魔法だ。手を前に出して自分に合った属性をボールにして飛ばすイメージをしてやってみろ」
そういわれて各自的に向かって自分の得意な属性の魔法を打ち始めた。やはり全員エリートなだけあって難なくこなしていた。
俺もやってみようと手を前に出して的に向かって、火がボールになって出てくるイメージをしてみた。
「おー!でた!!」
すると俺の手の前に火の球が出てきた。火の球はそのまま的に向かって飛んでいき直撃した。
これが魔法か。初めての魔法に俺は少し心が踊った。
「よし、全員出来たな。次もどの属性も出来る魔法を教える。よく見ておけ」
そう言って先生はまた的の方に向き直り
「ファイアーランス」
すると今度は火で出来た槍がでてきてそのまま的を貫いた。
「このランス系の魔法はボール系と違い貫通力がある魔法だ。魔法適正は25以上で槍をだすイメージをしてやってみろ」
そう言うと皆また的に向かって魔法の練習を始めた。
ん?ちょっと待てよ、さっき何て言った?魔法適正25以上?
俺ないじゃん!!
いや魔法が殆ど使えないのは分かってはいたけど流石にファイアーボールだけって.....。
「ケンヤ・コドウ、お前は練習しないのか?」
何もしない俺を見て先生は俺に話し掛けてきた。
「いや、あの、俺魔法適正全部25未満なんですけど」
俺の話を聞いて先生はビックリしていた。俺がユニーク使いだということを知らないから仕方ないか。属性の中で一つだけ25以下があっても別に珍しくないが、全ての魔法適正が25未満だというのは珍しい事らしい。普通は才能無い奴でも30はあるらしい。
「仕方がない、お前は他の生徒の邪魔にならないように隅でボール系の魔法を練習していろ」
先生に言われ俺は仕方ないので隅に行きファイアーボールの練習をした。
周りの生徒からは変な目で見られていたが我慢しよう。
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放課後になり俺は城壁の外の森に来ていた。
実は一人で練習していた途中面白い考えを思い付いたがあの場でするのは気が引けたので俺は森で試すことにした。
「ギィィィ」
丁度いいところにゴブリンが来てくれた。
先ず試したい事は、この前試した属性付与みたいに使う魔力の量を多くすれば威力が上がるんじゃないかということだ。
俺は少し多く魔力を使ってファイアーボールをだした。
「でか!!」
授業でだしたバスケットボール並の奴とは違い直径二メートルくらいのがでてきた。
ファイアーボールはそのままゴブリンに向かっていきゴブリンを消し炭にした。
直撃した瞬間ゴブリンは悲鳴を上げ影の形も残さず消えていった。
想像以上の威力だったな。
魔法の爆発音を聞いて別のゴブリンがまた出てきた。
次に試したいのは、俺の拳でファイアーボールを打ち出したらどうなるかだ。普通にやっても結構スピードはあったがあれ以上のスピードがだせないかと考えた結果、最初ファイアーボールを出してから俺がファイアーボールを殴り飛ばすようにしてみてはどうだろうか。
俺は手に火の属性付与をして手からファイアーボールをだすイメージをした。俺は思いっきり拳を降り下ろしてファイアーボールゴブリンのいる方向に殴り飛ばした。
それは物凄い速度でゴブリンに直撃し爆発した。予想以上の威力だな。
「うわ~」
俺はその威力に若干呆けていた。人にやったら確実に死ぬな。
形は拳並の物にしてみたがが中々な威力だな。拳くらいの大きさでこの威力ならもっと大きくすると凄いことになりそうだな。しかも属性付与の効果がでてるのか普通のファイアーボールより遥かに凄い威力だった。
またゴブリンが出てきたので今度は風の属性付与をしてファイアーボールを拳で殴り飛ばす。炎の色が緑色に変わりさっきとは比べ物にならない程の速度でファイアーボールが飛んでいった。
ゴブリンを貫通して地面に物凄い勢いで突き刺ささり爆発した。
これは使えるな。でも人にやるときは手加減しよう間違いなく人を殺すな。
「俺何かとんでもない物を編み出したか?」
俺は一瞬そう考えたがまあ、いいかと思った。実力はどんどんつけるべきだ。
俺は充分な成果に満足して寮に戻った。
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翌日になり、俺はめんどくさい奴等に絡まれていた。
「よう、無能」
「何だ来てたのか無能」
「無能なのによくこれたな」
昨日俺の魔法適正の低さを知ったのか、前にスティールと同様俺とフィーの仲が気に入らないと思っている奴等から喧嘩を売られるようになった。
俺がユニーク使いなのを知らないから仕方ないとはいえこれは腹立つ。
正直買ってやろうかと思ったがこれ以上他の奴等から引かれるのは嫌なので敢えて我慢している。
「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか!」
見かねたのかフィーが間に入ってきた。
「そうだぜ、文句があんなら実力で黙らせな」
アランまで口を出してきた。
この二人は適正だけではトップを飾っている。そのトップ二人に言われて俺に喧嘩を売ってきた奴等は黙りこみ逃げるように去っていった。
「気にすることないですよケンヤ様」
「そうだぞ、それにもうすぐあんな口が叩けなくなる日が来る」
特に気にしていない。喧嘩売ってきたらボコボコにするだけだからな。
それよりアランの言葉が気になった。
「どういうことだ?」
俺の疑問にフィーが答えてくれた。
「もうすぐ中間試験があるんですよ」
魔法を殴り飛ばすのもある意味物理。
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