表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界行っても喧嘩上等  作者: サザンテラス
8/73

8話 属性付与

 スティールとの模擬戦以来、俺に話し掛けてくる人はいなくなった。俺から話し掛けようとしたら二、三言話してそそくさとどこかに行ってしまう。


 いや、いいんだ。こういうのは慣れてるからな。

 だが、少なからず俺も友達が出来た。アランとフィーだ。この二人のお陰で俺の学園生活は楽しくなってきた。

 俺がそんなことを思っていると魔法理論の先生から興味深い話しが聞こえた。


「魔法は基本適正があれば誰でも習得できる。勿論努力は必要だがな。全員既に知っていると思うが魔法はそれぞれ威力毎に初級、中級、上級、最上級と分けられている。上級まで使えるようになればそいつは一人前の魔法使いだ」


 この学園は実力主義なため既に皆魔法が使える。親に教えてもらったり独学で学んだり、貴族などの裕福な家柄は家庭教師を雇ったりもする。


 だが独学で学んだ人もいるので一年生の時に基礎的な魔法技術は教えるらしい。

 そういえば俺の魔法の適正って何だろうな?


「なお、既にもう自分の適正については知っていると思うが、もしまた適正を知りたかったら事務室で適正を測る水晶があるので利用してみてくれ」


 へー、適正を測れるのか。ちょっと行ってみるか。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






 放課後になり俺は一人で事務室に向かった。

 事務室の人に使い方を聞いて早速適正を測ってみた。

 水晶に魔力を通すと水晶に数値が出てきた。


火 24 水 14 土 17 


風 18 闇 16 光 19


あれ?何か低くない?辛うじて火の適正が少し高いくらいだけど他は全部20以下じゃないか。

 適正の数値は


 1~20 全然適正ない

 21~40 余り適正がない

 41~60 普通

 61~80 適正あり

 81~100 才能あり

 100以上 天才クラス


 という風になっている。

 見ての通り俺の適正はかなり低い。少し期待していた手前ショックは大きい。

 魔力量が多いからといって適正も高い訳ではないようだ。

 これで魔法が使えるだろうか。

 俺は不安を抱えながら事務室に水晶を返し、寮に戻った。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






 次の日魔法の実技訓練が行われた。


「魔法で大切なのはイメージだ。イメージがちゃんとしていないと魔法がうまく発動しない。諸君らは既に出来るだろうがこれもきまりでな、先ずは自分の身体に魔力を纏う様にイメージしてみろ」


 先生の言葉に全員が身体に魔力を纏い始めた。

 流石に実力主義なだけあって全員簡単に身体に魔力纏うのに成功した。


「ようし、全員出来たな。魔力を纏えば身体が強化され身体能力が向上する。これは魔力があれば誰でも出来ることだ。纏う魔力量が多ければ多い程能力が強化される。戦いでは誰もが使っている技術だ。では次に、皆自分の魔法適正は知っていると思う。魔力を身体に纏ったまま一番適正が高かった属性をイメージしてみてくれ」


 そう言われてので俺の一番適正が高かった火属性をイメージした。そしたら纏った魔力が火に変わった。

 熱さは感じない、本物の火というわけではないな。


「纏った魔力を属性に変換させる。これが属性付与(エンチャント)だ。これも適正が10以上あれば誰でも出来る。これをすれば属性効果が付いて攻撃することが出来、武器にも付与できるが効果がとてつもなく小さい。魔力を纏うのと同じで纏う量が多ければ多い程強さが上がるが効果を上げるのに大量の魔力がいるので使う人はほとんどいない」


 成る程そんなことが出来るのか。

 確かに心なしか少し力が湧いてきたかもしれない。

 それじゃあ適正がかなり低い俺でもこの属性付与が出来るのか。

 効果がとてつもなく小さいというがどれくらい小さいのだろう。  

 今日試してみるか。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 放課後になり俺は今日習った属性付与の効果を試そうと近くの森に来ていた。

 早速俺は手に魔力を纏い、そこから手に火属性を属性付与させた。


「ギィィィィ」


 丁度目の前にゴブリンが現れたので、俺はゴブリンに一発殴った。

 

「ギヤァァァァァ!!」


 するとゴブリンは悲鳴をあげながら飛んでいった。いつもよりも大分飛んでいった気がする。いや、あんまり変わらないな。

 確かに効果が小さくて効果があったのかいまいち分からないな。

 授業でも言っていたが火属性の属性効果は攻撃力上昇だ。

 他にも 

 水属性 相手体力低下

 土属性 防御力上昇

 風属性 素早さ上昇

 闇属性 相手魔力吸収

 光属性 回復力上昇

 となっている。

 

「ギィィギィィ」


 するとまた違うゴブリンが来たので今度は少し多く魔力を込めた属性付与をして、ゴブリンを殴った。


「グギャ!!」


 するとゴブリンの顔が弾け飛んだ。すごい威力だな。これはあまり人にはしない方がいいな。死人が出る。

 次に近くにあった尖った木の棒で自分の手を傷付け、手に光属性を纏ってみた。


 微かながら傷が少しずつ塞がっていく。

 しかし本当に微かだな。これならほっといてもあんまり変わらないな。そこで纏う魔力の量を全快にしてみると傷が一瞬で塞がった。

 やはり魔力量が多いと便利だな。これなら使えそうだな。

 ある程度試した後、俺は満足して寮に帰った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 翌日昼休みになり、俺はアランと食堂に来ていた。寮と学園の食堂は別で寮とは違い広さがそうとうある。

 俺とアランは席を探していると


「ケンヤ様、アランさん良かったらご一緒しませんか?」


 フィーが空いている二つの席を指差しながら言った。 


「俺はいいぞ」


「俺もいいぞ。王女様と食事なんて滅多に味わえないからな」


 という訳で俺とアランはフィーと一緒に昼飯を食べる事にした。


「フィーはよく食堂に来るのか?」


「いえ、普段はお弁当ですけどたまに食堂で食事することがあります」


「そうなんだ」


 そんな他愛のない会話をしていると


「そういえばケンヤは魔法適正はどうだったんだ?」


 アランが唐突に聞いてきた。

 そういえばアランには俺が適正測りに行くって言ったな。

 俺はその言葉で食事する手が止まった。


「あー、いや、実はな」


 俺は自分の魔法適正について話した。

 俺の話しに二人は


「やっぱりそうなったか」


「ケンヤ様はユニーク使いなのですから、そうなるのは当然ですよ」


 当然といった感じで言った。


「どういうことだ?」


「理由は分かりませんがユニーク使いの人はユニークスキルを持つ代わりに魔法適正が殆どないんですよ」


「そうなのか!?」


 知らなかった。そんなこと神は言ってなかっぞ。


「はい、だから魔法適正がなくても落ち込むことはありませんよ」


 そうなのか。それを聞いて気持ちが少しスッとした。


「そうか。因みに二人はどうなんだ?」


「俺は火属性が130ある」


「私は光属性が120です」


 まじかよ、これが天才という奴か......。

 

「そいつは凄いな」


「まあな」


 俺の言葉にアランは嬉しそうに言った。


「でもケンヤ様はまだ火属性が20以上なのはまだいい方ですよ。ユニーク使いで魔法適正が全部20未満の人がいるって聞いたことがありますし。なにより適正が20以上ないと初級の魔法すら使えませんから」


 ましがよ。そうすると俺はまだ良い方か。

 まあ、まだ魔法が撃てるだけ良しとしよう。


ブグマ評価よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ