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異世界行っても喧嘩上等  作者: サザンテラス
72/73

72話 大賢者

風邪でグロッキーの中何とか書けた.......。

 ケンヤ達が【七罪悪魔】と対峙している同時刻、スーラとサタナスは闘技場の地下の階段を下りていた。


「まさか、闘技場の地下にこんなものがあるとはな」


「ここは昔勇者が魔王様討伐と同時に造られた場所だ。知らないのも無理はない」


 じゃあ何故お前は知っている?とスーラは言いそうになったが、ぐっと堪えた。 

 サタナスは昔からの付き合いだが今だ謎に包まれた男だ。何処で産まれたのか、今まで何をしていたのか等の情報が一切ない。


 スーラは前にサタナスの事を調べたが何も成果が得られずに終わった事がある。

 サタナスはいったい何者なんだ?

 スーラが考え込んでいるとサタナスは急に立ち止まった。


 見ると階段はもう終わっていて目の前には暗い部屋にシンプルな台座が中央にライトを当てられながら存在している。


 その上には禍々しいオーラを放った手に修まるほどの丸い宝石の様な物が浮いていた。


「あれが、そうなのか?」


「そうだ。あれこそが魔王様復活のアイテム【邪の魂】」


【邪の魂】 。凄いな。何という禍々しさだ。闇に慣れてる私達魔族でさえもたじろぐ程だぞ。

 本当にこれが魔王様復活のアイテムなのか?


「さあ、何をしている。早く取りに行くぞ」


「あ、あぁ」


 サタナスに急かされスーラはアイテムに近づこうとすると、何処からか声が聞こえた。


ーーーーそういう訳にはいかんのぅ。


「!?誰だ!!」


 急な声にサタナスは驚いていると、アイテムの奥の方から人影が現れた。

 カツン、カツンと何かを突く音を響かせながらスーラ達の前に現れた人物にスーラは驚いた。


「き、貴様は........」


「【大賢者】イグルス・マレーリア.........」


 サタナスが忌々しそうに言った。


「ほっほっほ。悪いがこれを渡すわけにはいかんのぅ。魔族共」


 スーラ達の前に現れたのは、かつて勇者パーティーにいたと噂された現【レクス魔法学園】学園長、イグルス・マレーリアだった。






ーーーーーーーーーーーーーーーー






 スーラ達がイグルスと対峙した頃、アイは【七罪悪魔】の一人であるサーペンスに苦戦していた。


「ぐっ..........」


「オーホッホ!!先程の威勢は何処に行ったのですか。小娘」


 地面に膝を着いているアイを見て高笑いしているサーペンスに、アイは睨みながら立ち上がった。


「絶対斬る」


「出来るものならやってみなさい!!」


「雷!!」


 アイが放った雷にサーペンスは避ける素振りすら見せず雷はサーペンスに向かって降り注いだ。


「効きませんわ!【拒絶】」


 雷はサーペンスに直撃しサーペンスの体は雷で包まれたが、サーペンスは平気そうな顔をしていた。


「オホホホ!!あたくしにこの【拒絶】のスキルがある限り遠距離魔法は効きませんわ!!」


「だったら、雷化」


 体に電気が迸りアイは居合いの構えを取りながらサーペンスに向かって行った。

 一方サーペンスはまたもかわす素振りすら見せずただ立ち尽くしていた。

 馬鹿にして...........!!


 その事にアイは苛立ちを覚え居合いの間合いに入ると感情のままに刀を振るった。


「!?」


「無駄ですわ」


 刀は確かにサーペンスを捉えた。捉えたが、刀はサーペンスの体にくい込むことなく体に当たっただけで終わった。見るとサーペンスの体の表面が全て鉄に変わっていた。


「【体質変換】。これがあたくしのもう一つのスキルですわ。体質を鉄に変える事で小娘の刀何か恐るに足らずですわ」


 刀が通らずアイは舌打ちをしながら後ろに下がった。

 私の刀さえあれば...........。


 アイは心の中で後悔していた。

 アイの刀【絶刀 魔断】は今手元にない。  

 実は大会が終わって直ぐに手入れの為宿泊先の宿に置いてきていた。


(刀さえあれば、こんなおばさん直ぐに叩き斬れるのに)


 とアイは悪態ついていた。


「では次はこちらから行きますわ」


 そう言うとサーペンスの体の表面が鉄から鱗の様な形に変化した。


「【体質変換 竜の鱗】これは鉄より少々厄介ですわよ。何せスピードとパワーが桁違いですから」


 竜の鱗。以前ケンヤ達に竜について聞いたことがあるけど、実物を見るのは初めてだ。


「そんなこけおどし通用しない」


「オホホ!こけおどしがどうかは直ぐに分かりますわ!!」


 そう言うとの同時にサーペンスは地面を蹴り、アイに突っ込んでいった。


「!?雷人化!!」


 アイも対向して雷人化を発動させサーペンスが向かって行った。

 

「オホホホホホホ!!」 


「ぐっ」


 アイの刀とサーペンスの竜の爪が互いに高速でぶつかり合い拮抗した状態となったが、段々とアイが押され始め、やがて後退していき。


「どらぁ!!」


「ぐぁ!!」  


 先程の高笑いとは違う鈍い声と共にサーペンスの爪がアイの体に突き刺さった。

 アイは呻き声を上げ膝を着きそうになったが、サーペンスはそれを許さなかった。


「どりゃあ!!」


 サーペンスの回し蹴りがアイの頭を蹴り飛ばし、アイは瓦礫の中に突っ込んでいった。 

 瓦礫の方を見るとアイは頭を垂れながら瓦礫に座り込んでいた。

 

「ふん、他愛もないですわ」


 死んだと判断したのか、そう捨て去りサーペンスはその場を去ろうとしたが、アイは諦めなかった。


「まだ........まだ....」


「あら、まだ立てましたの?小娘の癖に頑丈ですわね」


「おばさんの蹴りが、弱いだけ」


 頭から血を流しながら皮肉をいうアイにサーペンスはまたもキレた。


「強がんじゃないわよ!!小娘が!!大体あたくしはまだおばさんじゃありませんわ!!あたくしはまだ26よ!!」 


 おばさんじゃん。アイは心の中でそう思ったが一々言うのも体力の無駄なので何も言わなかった。


「いいですわ。今度こそ息の根を止めて差し上げますわ」


「悪いけど、もうおばさんの攻撃を受けるつもりはない。雷」 


 突如アイから放たれた雷はサーペンスの真上に降り注いだがサーペンスには効かなかった。


「何度やっても無駄ですわよ!!【拒絶】!!」


 雷はサーペンスに直撃したが、サーペンスは何事もないように佇んでいる。だがそれでも、アイは止めなかった。


「雷鳴、狼雷、雷、雷鳴、狼雷、雷、雷鳴、狼雷、雷、雷鳴、狼雷、雷、雷鳴、狼雷、雷、雷鳴、狼雷、雷、雷鳴、狼雷、雷ーーーーーーー」


 何度も何度も雷を放ち続けるアイにサーペンスは高笑いしている。


「オホホ!!気でも狂いましたの!!何度やっても結果は同じですわ!!」


「ーーーーー雷鳴、狼雷、雷、雷竜」


 アイは最後の締めといわんばかり雷竜を放ちサーペンスに直撃し辺りは黄色い光に包まれたが、サーペンスは依然として佇んでいた。

 

「あら、やっと終わりですの。何度も何度も効かないと分かっているというのに、飽きない小娘ですわね」 


 そうサーペンスはいうが、サーペンスの体は雷を受けすぎたのか、身体中から電気がバチバチと迸っていた。    

 それを見たアイはこれでいいと言わんばかりににやっと笑うと今度は自分の体に雷を浴びせた。


「雷」


 雷はアイに降り注ぎ、アイは若干うねっていたがそのせいかアイの体も電気がバチバチと迸っていた。


「等々可笑しくなりましたわね。自分に雷を当てるなんて」


「これでいい。これで準備が整った」


「あら?何の準備ですの?」

 

「あんたを斬る準備」


 アイがそう言うのと同時にアイの体に纏っていた電気が更に電力を増しバチバチと迸りながらその範囲を広げていった。


「な、何ですの!?」


 するとサーペンスが纏っていた電気がアイの電気と共鳴するように、バチバチと電力が増していき、やがてアイの電気とサーペンスの電気が繋がり会うとサーペンスは引っ張られるようにしてアイの下に近付いていった。


「な、何ですの!?体が、引っ張られて!?」


「.......帯電」


 アイが無意味にサーペンスに雷を浴びせ続けた理由は、サーペンスの体内に電気を貯めて帯電させることだった。帯電させることにより正と負の電気が引き合いアイとサーペンスを引き合わせる様にしたのだ。


「もう逃がさない。一撃で決める」


「この、小娘がぁぁぁぁ!!」


 離れるのは無理と判断したのかサーペンスは激昂しながらアイにそのまま向かって行った。


「【体質変換 (アイアン)】!!例え小娘があたくしを捉えられたとしても、この鉄の体は斬ることは出来ないわ!!」


「無駄な事ーーーーーーーーー神雷化」


 突如アイの体は今までの黄色の雷とは違う白銀の雷に変わり、サーペンスを迎え撃った。

 二人の体は段々と距離を縮めていき、やがて交差する。  


「死ねぇぇぇぇ!!」


 交差した瞬間、サーペンスの体は横に二つに斬れ、そのまま地面に倒れた。

 アイの方は肩を掠めたが特に致命傷を負うことはなかった。


「な、何で、このあたくしが......小娘......何かに......」


 そう言うのと同時にサーペンスは喋らなくなった。死んだのだ。


「はぁ.......はぁ....や、やった」


 息を切らしながらアイは神雷化を解いた。

 神雷化、これはアイの身体強化の中で最高クラスの魔法だ。効果はご覧の通り鉄をも切り裂く事が出来る。


 アイは自分の勝利を噛み締めていたが、直ぐにふらつき地面に膝を着いた。  


(魔力を、使いすぎた)


 神雷化の前にあれだけの魔法を撃ったのだそうなるのも当然だ。


(少し、休もう)


 そう心の中で呟くとアイは倒れ気を失なった。

 激闘の末、アイ対サーペンスの戦いはアイの勝利で終わった。

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