70話 開戦
話が上手く纏まらなかった...........。
薄暗い曇りの空の下、彼等は【フォーカス】の街を上空から眺めていた。
だがその顔は喜びや嬉しさとはかけ離れた、憎悪や嫌悪といった憎しみに満ちていた。
「遂にこの時が来た」
上空に浮かぶ彼等ーー魔族達のリーダー、サタナスはこの時を待ち望んでいたかのように不適に笑った。
サタナスを先頭に前から【七罪悪魔】、その他の魔族と並び、その他の魔族達は全員黒いローブを深く被っていたが、全員神妙な顔をしていた。
彼等は思い出していた。
これまでの暗い、苦痛な日々を
貧しく、不安な毎日を送ったあの頃を
思い出すだけで顔が歪みそうになる。
そんな毎日を送っていたというのに奴等はどうだ。
ある者は恋人と楽しそうに歩き
ある者は家族と温かく食事をし
ある者は友人と話しに花を咲かせる
それだけでも彼等魔族にとっては怒りや嫉妬を増すには十分だった。
何故自分達があんな目にあんなめに会わなければいけないのか
何故あいつらはあんなに楽しそうなのか
何故自分達はあそこにいないのか
思えば思うほど、彼等の憎しみは増していくばかりだった。
「我が同胞達よ、これまでよくあの生活に堪えてきた。だが、それももう終わりだ。この計画を成功させ、我らは這い上がるのだ。あの地獄の生活から」
そう言ってサタナスは街の方を見下ろした。その顔は怒りに満ち、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「待っていろよ、人族共」
ーーーーーーーーーーーーーーー
【フォーカス】の街の通りで、シルバとミルシーは二人並んで歩いていた。
だが、ミルシーの顔は何処か浮かなく、暗い顔をしていた。
「どうかしたのかミルシー?」
「............」
「ミルシー?」
「.........へ?あ、はい。何ですか?」
「最近元気がないようだが、何かあったのか?」
「い、いえ、お気になさらず。別に大した事はないので」
「そ、そうか」
そう言ってシルバは納得のいかないまま顔を前に向けた。
(いよいよ始まるんですね)
ミルシーは何かを思うように薄暗い空を見た。
(私は...........)
ーーーーーーーーーーーーーーー
俺とアイは【フォーカス】の街の屋台を食べ歩きしながら歩いている。
「次何処行くか?」
「あっち行きたい」
アイに手を引っ張られながら俺はアイと一緒にその屋台へと向かった。
「おいおい、そんな引っ張んなくても屋台は逃げないぞ」
俺はやれやれと言った感じで言いながら歩いた。
だが、その時ーーー
ドゴォォォン!!
突如俺達の近くの建物が爆発を起こした。
建物の瓦礫が崩れその真下にいた人に降り注ぎ、土煙が立ち込める。周囲から悲鳴が上がり、辺りは騒然となった。
いったい何が起きたんだ。
俺は周囲を見渡していると空中に浮かんでいる、黒いローブの人を見つけた。
こいつが犯人か。
俺はそいつを止めようと駆け出そうとするが、また別の所で爆発が起きた。
見ると先程の奴とは違うローブの人が空中に浮かんでいた。
また別の人間?どうなってんだ?
俺はその事に驚いていると何処からか声が聞こえた。その声は大きく、街中に響き渡った。
「聞け!!【フォーカス】の忌々しき人族、エルフ族、獣人族の者共よ!!我らはかの昔に貴様達に滅ぼされかけた魔族の生き残りだ!!今日この日!我ら魔族は貴様等下等種族に宣戦布告する!!これまで受けた我らの憎しみ、存分に思いしるがいい!!!」
そう言い終わった瞬間、ローブは被った魔族達は攻撃を再開した。辺りは魔法が飛び交い、魔族達による虐殺が始まった。
このままじゃやばい!
「アイ!!」
「うん!!」
俺の言葉を理解したのか、アイはその場を飛び出した。今は先ず周りの人の安全を確保するのが先だ。
「きゃあ!!」
俺はそう思っていると、近くにいた小さな女の子の上に瓦礫が落ちてきた。
俺はそれを見るとその場から地面を蹴り瓦礫を蹴り飛ばした。
「大丈夫か?」
「う、うん......ありがとう」
「気にするな。それより早く逃げな。ここは危ないからな」
俺がそう言うと近くから母親が女の子を迎えに来て、泣きながらお礼を言いながら去っていった。
女の子が去っていくのを見送ると、俺は黒いローブの魔族に目を向けた。あいつ、邪魔だな。
「落ちろ!緑炎弾!!」
俺が放った緑炎弾は黒ローブの魔族に猛スピードで向かっていき、直撃した。
黒ローブの魔族は直撃したのと同時に気絶したのか地面へと落ちていった。
よし、先ず一人。このままどんどん行くか!!
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